December 2016
December 15, 2016
松川@赤坂
間人蟹がお出迎え。大皿からはみ出す見事な大きさです。
Noble Cuvee de Lanson 1989
パリで購入したビンテージシャンパーニュは、ランソンのノーブルキュベの89年。
€90くらいで買ったのですが、お買い得でした。黄金色の柔らかな蜜香と豊かなミネラル感や洋梨のタルトのような香りと熟成感があります。
香箱蟹
直前に蒸した香箱蟹は、外子のプチプチした食感や内子の濃厚な旨み。
熟成したシャンパンがとても合います。
続いて焼き蟹。ふっくらと肉厚な蟹です。
白子の飯蒸し
河豚の白子を焼いて飯蒸しに。
とろんとクリーミーな河豚白子です。
お造り
淡路の鯛と新このわた。
別添えにしてありますが、鯛の身にこのわたをはさんで食べると絶品です。
柚子皮もいいアクセント。
香箱蟹の甲羅を焼いてもらって甲羅酒。
おこぜの椀
すっぽんのお出汁に身厚なおこぜと白髪葱、焼き餅。おこぜは皮もぷりっぷりです。
品のいいすっぽん加減と生姜の風味。
河豚
河豚は、身や白子、皮やとうとうみなどを芽葱とポン酢で。
ビンテージシャンパンがめちゃめちゃ合います。
伊勢海老
伊勢海老は、菜の花と湯葉に出汁餡。
赤貝
閖上の赤貝。
肝が濃厚で旨いです。
もろこ焼き
ぐじの蕪蒸し
河豚の唐揚げ
ふぐひれ酒
蟹爪の昆布締め
鴨しゃぶ
新潟の鴨肉と白髪葱。
これを小鍋でしゃぶしゃぶにします。
ジューシーな鴨肉です。
青葱も追加して。
とろっとした葱の香りもいいです。
残ったおつゆで鴨汁そばに。
柚子皮や海苔をのせて。蕎麦はおかわりしちゃいました。
蟹雑炊
蟹出汁の卵雑炊に生の蟹肉をのせて。予熱でほんのり火が入る蟹肉が甘いです。
蕎麦もおかわりしちゃったので、お腹いっぱいで白ご飯も甘味も入らなくて、今宵はパス。
苺ゼリーも入らないなあと思ったら、苺のコアントローカクテルを作ってくださいました。
こういうお心使い嬉しいです。
「松川」
東京都港区赤坂1−11−6 赤坂テラスハウス1階
03−6277−7371
December 14, 2016
紀尾井町 三谷@永田町
四谷にあった「三谷」が、8月に分店を開きました。
もともと1年半から2年待ちという困難な予約状況の中で、少しでも席数を増やして予約を緩和しながら、お弟子さんを育てるためにもと新しく開いたそうですが、8月いっぱいで閉店にするはずだった四谷のお店もお客様の要望があって、夜だけ営業することにしたそうです。
前回の8月は三谷さんがいらっしゃいましたが、今回は、お弟子さんの席でとお願いされました。
David Couvreur Blanc de Blancs 2007
いぶしたゴールドラベルがカッコいい。前に飲んだ2005年ビンテージは素晴らしくて、家にも数本買っちゃったけど、こちらは意外にすっきりとした味わい。
雲丹
昆布森の雲丹をお出汁の餡で。
Launois Rose
ローノワのロゼ。
白子
鱈の一番白子(心臓部から遠い部分)を、穴子の煮汁で炊いて裏漉ししたもの。
クリーミーな白子です。後から塩を足すとアクセント。
奈良萬 おりがらみ
単体では美味しいお酒です。
蟹
香住のずわい蟹は蟹味噌と合わせて。
蟹に奈良萬を合わせましたというのですが、全く合わない。
大概の日本酒は合うはずなのに、臭みも出るし後味も残る。最初のシャンパンの方がよっぽど合うな。
Lynch Moussas 2000 Casteia
カシスの香りと滑らかなタンニン。
鯖
宮城の金華鯖を酢でコーティングするとように軽くマリネしてから焼いて。
脂もたっぷりのっていますが、その脂を赤ワインのタンニンが消すようにねらったそうです。
これはさほど悪くない。
Launois Special Club 2006
きりりとした辛口のシャルドネの酸とほのかなイーストの香り。
太刀魚とからすみ
竹岡の太刀魚は、200℃の米油で数秒揚げて。
台湾のからすみ。ここにもマリアージュは生まれず。
Chateau Coutet 2004
わりとリッチな感じのソーテルヌ。
あん肝
鮟肝は蒸してから、甘い醤油だしで炊き余分な脂を出したそうです。
しかし、ソーテルヌと合わせると鰹出汁の臭みが強調されて全然合わない。
そこに鮟肝の臭さも増し、これは日本酒でそれらの臭みを消したくなりました。
鮟肝自体は悪くないのに、わざわざ臭みを増長させるのはマリアージュではないよね。
三谷さんがいないとここまでひどくなるのかとちょっと残念。
満寿泉 貴醸酒
オーク樽で熟成した貴醸酒。蜂蜜のような香りと甘さがあります。
金目鯛と雲丹飯
根室の雲丹を金目鯛の脂と合わせて混ぜた酢飯に金目鯛をのせて。
こってりだけど、満寿泉の貴醸酒が強い脂や雲丹の香りを切ってくれました。
美田
炙ったばちこ
ばちこは、ぬる燗にした美田にひたして食べてくださいと。
ガリがでてきて、ここからやっと握りに入ります。
今宵のネタ。今回お相手してくださった3番手の加藤さん。鮨業界から肉業界にいらして、引き抜かれたそうです。年齢は45歳ですが、ここに入ってまだ数か月だそうです。
握りにはジャクソン#739。
平目
青森の平目の昆布締め。
昆布に平目の水分を吸わせる程度に締めましたとおっしゃっていましたが、平目が昆布の香りをだいぶ吸ってました。
すみいか
天草のすみいか。
3番手さんの握りはシャリの握り方が柔い感じ。手の上に乗せた時に崩れてしまうので、ネタを噛み締める前に米がバラバラになってしまう。空気を含ませるように優しく握っている感じはあるのですが、ネタを噛み締めた時に、ほろっと全体が崩れていくほぐれ感がほしいかな。特にすみいかみたいにぱきっとした食感を味わうネタはより感じてしまう。って食べ手は簡単に言ってますが、これはなかなか難しいです。
ぶり
佐渡の鰤は、3圓両振りのもの。漬けにして。
Chassagne Montrachet Premier Cru les Vergers 2012 Genot Boulangee
樽香とバタリーな風味のシャサーニュ・モンラッシェ。これには鮪を合わせます。
鮪赤身
大間の鮪は180埃紂赤身はまだ酸味があり冬の鮪の域までいかないので、バタリーな風味を合わせたそうです。
大トロ炙り
大トロ炙りは塩で。塩があることにより、ワインのバタリーさや樽香がきりっと引き締まる感じ。
若駒
ほんのりバナナの香りと酸。
こはだ
こはだは締め具合もよくしっとりと美味しい。
尾瀬の雪どけ
中トロ
赤酢で締めた中トロは、脂も酢も強すぎずに噛んだ時に旨みがしみ出る感じで感心しました。
よく鮪には赤酢の強いシャリを合わせる方が多いですが、鮪自体に赤酢の旨みをつけることによって、抑制のきいた鮪の美味しさを引き出しています。
鉄火巻
鉄火巻の一つには雲丹をのせました。
穴子
身が表を向いた尾っぽの部分は塩で。皮目の部分はたれで。
助六とかんぴょう巻
甘く煮た揚げをかぶせたかんぴょう巻。
玉子焼き
秩父軍鶏と掛け合わせの鶏卵のだし巻玉子。ミルクレープのように層が重なっています。
冷し梅
三谷さんがいないのは承知していて、今回は弟子が握りますというのも事前にわかっていましたが、正直ワインやお酒のマリアージュは不完全でした。三谷さんがいなくても、そのシナリオはできていてその通りに合わせたと思うのですが、これにこれを合わせる必要はないんじゃないのというものばかりでがっかり。
同じネタでもその日の仕込み具合や仕事によって変化しますからね。
3番手の加藤さんの鮨も悪くはないですが、トークも弱いしまだ粗削りな部分があります。
それでいて、最後のお会計は前回より大したワイン飲んでいないし追加もしていないのに、一人4万強も取られたので、次はないな〜と思いました。お隣さんも鮨は美味しかったですと言って、次回予約いれてなかったし同じことを思ったでしょう。
う〜ん、やはり三谷さんが振舞うからこそその魅力に払う価値があるので、お弟子さんならもう少し安くしてほしかったかも。鮨もお酒も含めて大枚はたいて食べる鮨ではないかな。辛口ですみません。
「紀尾井町 三谷」
東京都千代田区紀尾井町1−2 紀尾井テラス3F
03−6256−9566
December 13, 2016
車力門ちゃわんぶ@四谷三丁目
一年振りの訪問です。
鯖寿司
宮城の鯖を押し寿司にして。
このわたの飯蒸し
岡山のこのわたの飯蒸し。赤酢のシャリにとろんとしたこのわた。
日本酒がすすみます。
日本酒は、花陽浴(はなあび)すっきりとした味わい。
香箱蟹
香住の香箱蟹。身や内子の下に外子と蟹酢を合わせてありますが、蟹酢がちょっと味が濃いというか塩っぱくてもう少し塩梅がいいのになと思いました。せっかくの新鮮な蟹がもったいない。
お造り
明石の鯛、ヨコワ、北海道のバフンウニ。
貴も好きです。
筍と若布の椀
福岡の姫筍と鳴門の若布、蕪と菜の花の椀。
炊事が綺麗になりました。以前はどの椀も旨みが強い感じでしたが、筍や若布の香りを引き立てるように上品に
仕上げています。
先程の香箱蟹の甲羅は焼いて甲羅酒にしてもらいました。
鰆・のどぐろ・からすみ
大分の鰆の焼き物に大根おろしを添えて。若松ののどぐろはあられをまぶして香煎揚げに。
紀州の自家製からすみ。武澤さんのお魚料理好きなんです。おせちのお魚も絶品だったもんな。
口万 虹色ラベルで美味しいお酒です。
海老と海老芋の揚げ浸し
車海老と海老芋、タラの芽をさくっと揚げて、天つゆだしで揚げ浸し。菊菜を添えて。
牛肉の橙みぞれ
群馬の黒毛和牛のヒレとネクタイの部分を湯洗いして、大根おろしとだいだい酢を合わせたものをのせて。
たっぷりのせた橙みぞれと葱でさっぱりと。いつもの牛カツも好きですが、これもっと食べたい。
白魚ご飯
茨城の白魚と新ごぼうの炊き込みご飯。
ぽたぽた揚げの味噌汁と香物で。
わらび餅
「車力門ちゃわんぶ」
東京都新宿区荒木町3−22 島ビル1F
03−3356−1680
December 12, 2016
四川@白金
ランチでたまに行きます。週替わりのランチセットで。
ワカサギの山椒風味甘酢漬け
揚げたワカサギを葱と甘酢漬けしたもの。
蟹肉と海苔のスープ
上湯が美味しいので、セットにつくスープもいつも楽しみだったり。
蟹肉にあおさを入れてさっぱりと。
干し貝柱と鶏肉、白菜の塩味煮込み
鶏肉がしっとりやわらかく、貝柱の旨みをふくんだ白菜の芯の甘くて美味しいこと。
これまたメニューに出てるときに食べたいな。
青菜と豚肉の回鍋肉
ター菜と人参、葱などを豚肉と一緒に甜麺醤で炒めて。
ご飯がすすむ一品です。
麻婆豆腐
定番の麻婆豆腐。
大量に作り置きはしていないんだろうけど、開店直後に行く方が実は美味しい麻婆豆腐。
白ご飯はおかわり必須です。
追加で雪菜肉麺
麺の上には豚肉と雪菜の漬物と唐辛子をたっぷりのもやしや茸と一緒に炒めたものがのっています。
漬物の酸味と唐辛子の辛味が効いたスープ。これ好きでよく頼みます。
「四川」
港区白金1−1−50 シェラトン都ホテル東京1F
0120−95−6652
December 11, 2016
ビストロ シンバ@銀座
前から気になっていた人気ビストロ。直近ではなかなか予約取れなかったんですよね。
黒板メニューとにらめっこ。初めて訪問なので、コースかアラカルトか迷う。
ジビエ系もいろいろあったけど、初めてだし、この価格だとポーション的にも大人数の方が良さそうかな。
おすすめコースの6000円でお願いしました。
Les Brulees 2014 Saint Pieree
少し微発泡で、パイナップルやバニラの風味、かすかなガス感。
自然派の微発泡系好きなんです。
セイコ蟹の茶わん蒸し
フレンチなのに、アミューズが茶わん蒸し!?と、最初の一皿の驚き。
赤大根とセロリのピュレに蟹味噌風味のロワイヤル。でも茶わん蒸し。
中には、内子や外子も入っていて、美味しい一品でした。
大分かわはぎのマリネ ノワゼットの香り
マッシュルームのスライスに隠れているのは、かわはぎを肝と赤玉葱でマリネして。
ヘーゼルナッツを砕いたものとパウダー。
対馬穴子の炙り焼き カルダモンの香り
ローストした蕪に、穴子と椎茸。
ピュレのカルダモンの香りがアクセントです。
魚介のブイヤーベース風
海老、真鯛、鰆。
ここに、スープ・ド・ポワソンをかけます。どろっとした魚介のスープはいろんな魚の旨みが凝縮されていて美味しいです。バケットも出してくださったので、ひたしながら食べました。
鍋には、まだたくさんスープが余っていたので、残さずしっかり頂きました。
ワインは、色々グラスで頂きました。
ブータン・ノアール
ブータン・ノアールのソテーに紅玉のピュレとビーツ。
濃厚だけど優しい風味で食べやすいブータン。
豚肉のロースト
骨髄の上にのっているのは、ローズマリーの香りをつけた福島あさの豚のロースト。
里芋や椎茸、カリフラワーなどを添えて。
ソースなどもありましたが、肉自体に旨みがあるのでそのままで。
モンブラン
デセールは、栗や金柑をのせたモンブランとラム酒のアイスクリーム。
コーヒー。
リーズナブルで、美味しい。人気なのもわかるなあ。
グラスワインも自然派のものがいろいろ置いてありました。
また行きたいです。
「ビストロ シンバ」
東京都中央区銀座1−27−8
03−6264−4218
December 10, 2016
鳥源@新宿
創業60年3代続く鳥料理と水炊きのお店です。
新宿東口の雑居ビルが立ち並ぶ繁華街の中に、2階建て1軒家の佇まいで、歴史を感じます。
新宿でこういう建物はほとんどないですからね。
「ただいま満席です」と張り紙がある引き戸を開けると、右手に炭火の焼き場があり、カウンターとテーブル席にわいわいとお客さんがひしめきあっています。うんうん、レトロないい感じ。
お品書きを見ると、名物メニューが並んでいます。この時期は野鴨もあるんですね。
金ぷらって何だろうと聞いたら、鶏肉に卵の黄身だけをつけて揚げた天ぷらだそうです。
メニューはほかにもたくさんありますが、おまかせの水炊きコースを頂きました。
まずは、ビール。
お通しに鳥皮ポン酢が出てきました。七味と炒ったように和えてあり、ビールのおつまみに最高です。
とりわさ
さっと湯引きした鶏のささみを山葵醤油で和え、三つ葉と海苔を散らして。
新鮮で柔らかいささみのしっとりと美味しいこと。
つくね
つくねもこの店の名物。
大きなつくねはきめ細かく練り上げて焼き、甘辛の特製だれにつけてあります。
そして卵の黄身がぷっくり大きい。とろりとした黄身にくぐらせながら食べると最高です。
箸休めに胡瓜とエシャロット。もろみ味噌が良く合います。
焼き鳥
手前が若鶏胸肉、奥が相鴨と葱。合鴨でなく相鴨と書くのが情緒があります。
備長炭で焼かれたジューシーなお肉は、そのままでも肉の旨みがしっかりあります。
七味をつけてもいいかもね。ちなみに焼き場は2代目の御主人。70代かな?高齢な方ですが、端整な顔立ちで背が高くてかっこいい。焼き場をしっかり見張っていらっしゃいました。3代目は、40代後半?
水炊き
そして、水炊きです。ぶつ切りの鶏が入った白濁したスープの土鍋と、具材が運ばれてきました。
カウンターは狭いので、横でお店の方が作ってくださいます。
白菜、えのき、椎茸などを入れ、煮込みます。
まずは、鶏スープから飲んでくださいと。
このスープが、綺麗に鶏の旨みを凝縮させ、まろやかですーっと胃になじむような優しい味。
思わず美味い!美味い!と連呼しちゃった。
揚げ湯葉、葛切りなども入れ、さらに煮込みます。
鶏のぷるぷるコラーゲン。骨と身がびっくりするくらいほろっと外れ、弾力のある肉質も噛むほどに味が出てきます。鶏スープで加熱された白菜の芯の甘いこと。ポン酢も用意されていますが、まずはこのまま素材の美味しさを味わいます。
ポン酢には、別添えでもみじおろしと葱とおろし生姜の薬味が用意されているのでお好みで。
スープがしっかりと美味しいので、野菜などはポン酢につけなくてもいいですが、鶏肉にはたまにつけると生姜の風味が鶏の旨みを引き立ててくれます。
こんなに美味しい水炊きは、博多の某店で食べた以来だなあ。
スープを飲み干してしまいそうなくらいでしたが、雑炊用にも残しておかないとね。
最後に残ったスープで、雑炊。お餅もあったのに入れ忘れていたので、お餅を加熱した後にご飯を入れ、溶き卵と葱を入れて。
〆の雑炊の美味しいこと。たっぷり3杯おかわりしちゃいました。
体も温まって、ほっこり幸せな気分。
デザート
リンゴ、柿、苺。
寒い冬には、おすすめの水炊きです。
「鳥源」
東京都新宿区新宿3−17−11
03−3354−7868
December 09, 2016
暴れん坊@大塚
手打ちラーメンのお店です。ピンクと紫のネオン看板がラーメン屋らしからぬ、やらしいけど。
なんかお店の人に見られてしまったので、入ってみよっと。
メニューは、ラーメン、味噌ラーメン、坦々麺もおすすめみたい。
手打ち餃子も気になるな。
手打ち餃子
まずは気になった手打ち餃子。
こんがり焼き色が付き、もちもちした厚めの皮。
断面はちょっと見苦しいですが、肉汁が溢れてぴちゃっとやっちゃいましたw
キャベツやニラ、豚肉などの発酵餡で肉汁がたっぷり溢れます。
にんにくも入っているけど、もちもちした生地が美味しい。
そしてドタンバタンと音が聞こえてきたと思ったら、店主が麺を打ち始めます。
こねて、伸ばし、こねて、粉をまぶし伸ばし・・・
麺ってこんなに伸びるもんなんだ。
餃子をかぶりつきながら、暴れん坊の店主の見事な麺打ちを見せてもらい、そこから茹でます。
どんな麺ができるのかな。
雲呑麺
ラーメンはおすすめの味噌坦々麺と迷いましたが、手打ち生地ならワンタンも美味しいだろうと、醤油ベースのワンタン麺に。びろびろっとした雲呑生地に挽肉餡。たっぷり若布にシンプルな鶏がら煮干し醤油のスープがクリアで旨い。
麺は、細打ちでつるつるとした食感の中にコシがあります。
中華麺というよりは、ちょっと太めの半田素麺みたいなつるつるもちもちとした感じ。
さっぱりとした醤油味のスープに喉ごしのいい麺の食感でした。
次回は濃厚系の坦々麺もいってみるかな。
「暴れん坊」
東京都豊島区北大塚2-12-2
03-3918-5725
December 07, 2016
aeg エッグ@白金
秋に白金にOpenした「aeg(エッグ)」に行きました。
女性シェフの辻村さんは、以前六本木でデンマーク料理のお店をやっていた方で数年前にデンマークへ。
オーデンセのパン屋やコペンハーゲンの三ツ星レストラン「Geranium」にいらして、2年前にはgeraniumの厨房でお会いした事があります。そこでお話した時には、いずれ日本に戻ってお店を開きたいと思っていますと言っていたので、今回の訪問は楽しみにしていました。お店のロゴも卵みたいで可愛い。
地下へ向かう階段の踊り場には、アンデルセンの人魚姫の像のレプリカが置かれています。
扉を開けると、隠れ家的なバーのような雰囲気で、カウンター席があります。
カウンター席の後ろには、大人数用のテーブル席もあります。
壁には毛皮が飾られています。
Michel Arnould Grand Cru
まずは、シャンパンを頂きました。ブランドノワールと表記していませんが、ヴェルズネイはピノノワール産地ですからねピノノワール100%。果実味のボリューム感と優しい酸です。
ふとテーブルを見ると、ココット鍋が置かれていました。
蓋を開けると焼く前のパン種が入っています。
辻村さんは、デンマークのオーデンセのパン屋でも修業されていたので、これから焼きますというパンも楽しみ。
料理のコンセプトは、ノルディック&ジャパニーズ・キュイジーヌだそうで、日本に帰ってきてから各地の生産者を回り、日本の食材や器を使った料理を自分なりにアレンジしていきたいとのこと。
カウンターの棚には、とっくりやぐい飲み、土鍋、竹かごなどが置いてあり、これからどんどん和食器を増やしていきたいそうです。
菊芋 モルト
木くずの上にのせてあるのは、落ち葉の形をした2色の菊芋のチュイル。
その下には、枝のような形をしたモルトのクラッカー。
私が秋にデンマークに行った時は紅葉の時期でしたから、そこから少し寒くなり、枯れ葉が落ちる光景を表現しています。
和牛のクロケット
黄色いイチョウの葉が敷かれた木のお皿には、楊枝に刺した一口サイズのクロケット。
和牛挽肉の赤ワイン煮込みを、イカ墨を練りこんだパン粉で揚げて、吉田牧場のラクレットをのせて。
白菜
芯のまま焼いた白菜。その上には、麹で発酵させた卵の黄身とへしこのパウダーをのせて。
中央には、鶏のコンソメとほうれん草のピュレ。ニンニクを利かせて、このピュレに付けながら白菜を頂きます。
デンマークでは、秋から冬にかけて乳酸発酵のソースやビネガーを使うことが多いですが、日本では麹という発酵食材がありますからね、へしこのパウダーというのも面白いです。
Gruner Veltliner Liebedich 2014 Veyder Marberg
オーストリアの白ワイン。かすかな甘口とすっきりした酸で、白菜の芯の甘みを感じさせてくれます。
牡蠣・さざえ・マテ貝
貝は3種でてきました。
厚岸の牡蠣は、ヨーグルトの上澄み液とエルダーベリー、ローズヒップのオイルビネガー。
ミルキーな牡蠣にヨーグルトの酸味とフルーティーなビネガーの酸味。ゼラニウムでは季節によってハーブやお花が変わる定番の一皿でしたね。
姫さざえは、赤ワインとダシとスパイスで煮込んだそうです。
マテ貝は、ゼラニウムでも記憶のあるマテ貝もどき。
これをキッチン見学の時に辻村さんが出してくださったのを覚えています。
精巧にできたマテ貝の殻に見立てたものは、マンニトールで作っているんだったかな。
帆立のタルタルとディルと国産レモンの皮を合わせたものをはさんで、殻もそのまま食べれます。
卵
卵のように丸い石の器が出てきました。
蓋を開けると、香茸のムースの上に、仔牛と若鶏のコンソメのゼリー寄せに温泉卵をのせて。
上には、香茸のパウダーをかけて。ぷるんと半熟の卵にコンソメや茸のフラン仕立てのムースが美味しい。
そういえば、aeg(エッグ)という店の名前はどうしてつけたのですか?と聞いたら、aegは、デンマークでも卵を意味し、この“aeg”という名前にこれからもいろんな料理が『生まれる』という想いを込め、店の名前としましたと。
なるほど、そんな想いをこめたこの一皿の中からもシェフのこだわりが伝わってきますし、卵を使った料理はいろんな形で出していきたいとのこと。
Domaine Gauby Cotes Catalanes 2013
ゴビーは赤が優秀だけど、白もふくよかな果実味です。
森
森をイメージしたというお皿は、日本料理でいうと八寸をイメージしているのかな。
木の板の上に、白苔やトナカイの角などをあしらった演出です。鹿、馬、熊、フォアグラなど森沢山。
トナカイの角の上には巣篭り卵に見立てた、フォアグラのムースとフランボワーズのゼリー。
ホワイトチョコでコーティングし、ローズヒップのパウダーをのせて。
最初に出てきたパンがふっくらと焼きあがっています。
ライ麦や酵母の香るパンは熱々、皮生地ももちもちと柔らかいので、食べやすいのがいいです。
これにパテをつけたりしながら・・・
長野伊奈鹿のレバーパテはかなりくせがありますが、パンにつけたり、ちびちびなめながら赤ワインと合いそうな。
モルトとカカオパウダーのパイ生地には、月の輪熊のリエットと自然蜂蜜をはさんで、ハーブのパウダー。後で聞くと徳山鮓に通っているそうで、月の輪熊のローストも食べたいなあ。
熊本馬肉のタルタルのカナッペは、赤身のタルタルとカルバドスで漬けた雲丹、マスタードのスプラウトをのせて。これが旨かった。カルバドスで漬けた雲丹はミョウバン臭さが気にならなくていいです。
そういえば、雲丹もデンマーク近海では獲れるみたいですが、地元ではあんまり食べてないそうです。新鮮ならきっと美味しいだろうに。
Marsannay Blanc 2014 Philippe Naddef
甘鯛
朴葉の蓋を開けると・・・
山口の甘鯛の鱗焼きは、春菊や葱、百合根を添えて。シャルドネワインを使って甘鯛のフォンをとったそうです。
この辺から少しづつ和のテイストになってきました。
Savigny les Beaune 2012 Seguin Manuel
旨みがある優しいピノ、タンニンや酸味も優しいです。
鹿
伊奈の仔鹿のロースト。焼き茄子のピュレと牛蒡のフリットをのせて。
椎茸、むかご、里芋、、枝豆、ロマネスコに、香茸と山椒の実を煮込んだ赤ワインソース。
山椒の実は春に徳山さんと山で採ったものを冷凍保存しておいたそうです。
香茸や山椒の香りが、鹿のジュと合わさり美味しいソースです。
ちらし寿司
わっぱの蓋を開けると琵琶ますを使ったちらし寿司。
まだオーダーした器が出来上がっていないので簡易的なものですがとおっしゃっていましたが、この中には、赤酢のシャリを敷き、琵琶鱒(これも徳山さん経由で仕入れたそうです)、宮崎の穴子、いくらをのせて。
白いソースは昆布出汁と山葵と乳清のソース。お花やハーブを散らして。
赤酢のシャリも通っているお鮨屋さんに教えてもらったそうですが、勉強中とのこと。正直この具材に合うにはまだまだかもしれません。シャリって一番難しいですからね。
合わせて出てきたのは、茸のスープ。
シェフが長野で採ってきた天然茸がいろいろ入っています。
茸の旨みたっぷりの温かいスープにほっとします。
デザート
チーズのタルトにルバーブのジャム、酒粕のフォナンシェ。
桜の枯葉の下には、紅玉のアイスクリームに沖縄黒糖のかりんとう。
赤すぐりとレモンバームのジャムを添えて。
地下の隠れ家的なバーのようなカウンターで出てくるお料理は、前半はデンマークのガストロ的スナックから始まり、ゼラニウムを思い出す料理もありながら、後半は和食をイメージするようなノルディックとジャポネのキュイジーヌ。
日本に帰国してからいろんな生産者を回りながら、自ら茸を採りに行ったり、日本の食材やジビエと体面し、北欧と日本のそれぞれの自然を表現する料理を作りたかったのだとか。たまたま徳山鮓のお話をしたら意気投合。 熊や鹿、琵琶鱒、山椒など、貴重な食材もその道筋から仕入れているのだそうです。
北欧モダンなフレンチテイストのお店が話題に上っている中、デンマークでの経験をもとに、日本の食材と発酵食品などを組み入れたシェフのお料理は、まだ粗削りな部分が多いですが、温かみがあり、また違った路線で面白いです。自然派ワインのペアリングと共に修業時代のお話や料理談義を聞かせて頂き楽しい時間でした。
デンマークで感動したニシンのマリネのお話をした時に、うちでも自家製のニシンのマリネを作りますって言ってたので、次回はそれも楽しみに、また伺ってみたいです。
「aeg(エッグ)」
東京都港区白金台5−3−2 ジェンティール白金台B1F
03−6277−1399
December 06, 2016
趙楊@新橋
数か月おきの趙楊会。今回は6名で伺いました。
前菜盛り合わせ
左から海老の葱油和え、ブロッコリーの四川トリュフ和え、牛スネ肉とチシャ菜、ゴールド皮蛋とマコモ茸の山椒ソース、鶏モモ煮込みと苦瓜、クラゲの生春巻きとズッキーニ。
小平が愛した脛肉煮込み
豚のすね肉は分厚い皮がとろとろになるまでじっくり煮込み、葱や発酵唐辛子の効いた酸味のあるソースで。
画像だと大きさはわかりにくいですが、ラグビーボールくらいはあるどか〜んと迫力のある大きさ。
まわりの青梗菜が小さく見えるのは、肉塊が相当大きいからです。
切り分ける部位によっても食感は異なりますが、私が食べた部分は豚皮のもっとも厚いところ。
コラーゲン質がぷるぷるとろとろ、その旨みと酸辣なソースがからんで、めっちゃ美味しい。
小平が愛してやまなかったのもわかります。
海老蒸し餃子
鹿アキレス腱 トリュフと蟹味噌煮込み
鹿アキレス腱は、上海蟹の蟹味噌で煮込んで四川トリュフをのせて。
正宗四川三色火鍋
前回秋の会で、次の会は趙楊さんの鍋が食べたい。できるならば火鍋が食べたいとお願いしていたのを覚えてくださっていたのかな。今回のメインは火鍋です。
実は数日前に、「火鍋趙楊」で食べたばかりだったのでと思っていたけど、限定の三色鍋。しかも具材も野菜や肉魚介も種類豊富で異なり、もちろんスープも配合が異なりました。
三色鍋は、鶏白湯ベースの白湯、麻辣湯の火湯、干茸を使った菌湯。
通称ベンツ鍋と言われるそうです。仕切りがベンツのロゴに似ているからか^^;
そんなことはどうでもいいですが、白湯は私が好きなミルクで割らない鶏白湯。火湯も真っ赤な唐辛子や花椒が浮いているオイリーな麻辣湯。菌湯は、アガリクスや虎の手茸という希少なキノコを煮込んだ滋味あるスープ。
火鍋の具材は大人数なのでたっぷりです。種類も豊富。
お野菜は白菜、ヤングコーン、スティックセニョール、平茸。
ター菜としめじ。
蓮根。
魚介は海老といか。
牡蠣。
鯛はそのまま刺身で食べたいくらいですが、しゃぶしゃぶ程度に火入れしてくださいと。
鶏肉は、大山鶏。
豚肉は、アグー豚ロース。
牛肉は、和牛ロース。
最初に白湯に野菜を入れ、菌湯に牡蠣やイカ、海老などを入れました。
とりあえず待ちきれずに白湯をスープとして飲むとめっちゃ美味い。
ヤングコーンが入っちゃったけど、コンソメ的に飲むならば最初の一口が決め手。
後は野菜やいろんな具材が合わさってしまうので、美味しいけどクリアな味にはならないから。
茸のスープで煮た牡蠣や海老いかなどもプリプリの時に食べないと。
大人数の鍋だと鍋奉行の方がいないと、せっかくの新鮮な魚介も出汁になって硬くなるので、底に沈まっている具材もちゃんと引き上げないと。
肉は豚と牛を麻辣湯で。
基本的に、肉は麻辣湯でしゃぶしゃぶに。辛いのが苦手という方もいたので、その方には白湯で。
その他野菜は白湯で。後ででてきたつみれは、茸湯で。
さっと麻辣湯でしゃぶしゃぶのように火入れしたお肉が美味しい。
炊いておいてねとお願いした白ご飯。
ご飯と一緒に食べると肉の辛さが旨みに変わります。
具材をどんどん入れていきます。
スープが煮詰まってくると、ざばっと上湯を足しながら煮込んでいきます。
お腹いっぱいになりますが、野菜もたっぷりなので、ヘルシーです。
体もとっても温まります。
水餃子入れるの忘れてました。
水餃子は麻辣湯を白湯で割りました。
汁なし坦々麺
いつも定番の汁なし坦々麺も、半分食べてから白湯で割ると、マイルドな辛さに。
幻の麻婆豆腐
やっぱり〆は、こちらの元祖麻婆豆腐です。
緑豆腐の点心
デザートは、空豆豆腐に朝鮮人参、くこの実、麹などが入ったほんのり甘い薬膳ソースをかけて。
お腹いっぱいでも、食べると胃がすっきりとします。
系列店の「火鍋趙楊」も素晴らしかったけど、やはり、「趙楊」で食べる特選火鍋は素晴らしい。
スープにより奥深い味わいがあり、さらに大人数で大量の具から出る旨みが加わり、最高でした。
寒い時期にはまた食べたいですね。
「趙楊」
東京都港区新橋1−5−5 グランベル銀座ビル7F
03−3289−2006
December 05, 2016
ミュージアム1999 ロアラブッシュ@青山
青山の住宅街にひっそりと佇む洋館。大好きなグランメゾンのレストランです。
シャンパンはマルゲ。
最初ドンペリロゴグラスが用意してあったので2006年を勧めたかったみたいですが、マルゲの芳醇な感じが好きなのでごめんなさい。
アミューズ
スプーンの上にはカリフラワーのヴァバロワにパプリカとチーズのパウダーをまぶして。
定番の玉葱とベーコンのタルト。
Corton-Charlemagne Grand cru 2007 Bonneau du Martray
最初もうちょっと古いビンテージを頼もうとしたのですが、これがおすすめですと言われて。
最初はリンゴや柑橘系の酸味がありますが、後にジャスミンなどの花の香りとバターキャラメルのような風味とふくよかさがでてきます。
以前よくついてくださったサービスの方はとても好印象だったのですが、銀座のティエリー・マルクスに行ってしまったそうでちょっと残念でした。
甘海老のテリーヌ ミモザ風
底辺に薄くスライスしてマリネした蕪と胡瓜の千切り、その上に甘海老と砕いた茹で卵と甘海老のクリームをのせて。洋梨や赤スグリを添えて。
お料理の前のアペリティフ的な一品ですが、メニューにも書いていないこの一皿が実は楽しみだったりします。
山口県とらふぐのカルパッチョ キャビアソース
とらふぐは、バターとクリームで温製に仕上げ、キャビアと共に。
細かく刻んだ皮やシプレット、芽キャベツをのせて、柚子の香り。
フレンチでふぐの料理を頂いたのは初めてですが、柚子や葱など和の要素もありながら、加熱されたふぐの弾力感がとてもいいし、キャビアの旨みとバターでしっかりとフレンチに仕上げてあります。美味しいし、ワインに合います。さすが中嶋シェフだなあ。
そして、次の料理に出てくる蕪を岩塩包み焼きにしたもの。
蕪の岩塩包みも初めてですが、甘みが増し、さっくりとした歯ごたえなんだろうなと勝手に想像しました。
蝦夷鮑のソテー 肝とえごまのソース 青森産蕪の岩塩包み焼き添え
蝦夷鮑のソテーと先程岩塩包みで見せてくれた蕪、イベリコ豚の生ハム、蕪の葉、えごまをのせたチップスを添えて。
肝のソースとえごまのソースにつけながら食べます。肝のソースだけだと苦味が強いのですが、えごまの独特の香りとクリーミーな甘みがマイルドにしてくれます。斬新的な一皿でした。
長崎産平鱸のポワレ カラスミ風味 山形原木椎茸添え
長崎のヒラスズキは平たくカットしてポワレし、原木椎茸を添えて。
ソースは、ベアルネーズソースのよう味ですが、卵黄のかわりにカラスミを入れてコクを出し、ノイリープラットで香りづけして。サラダにも焼いたカラスミがのせてあります。
山鳩のロティ トリュフの香るソースと共に
メインは、ロティした山鶉をストウブで野菜や茸と共に煮込んだお料理。
鍋から美味しそうな香りがたちこめます。この香りでワイン飲めるわ〜。
ペルドロー・グリは、里芋やちりめんキャベツ、葱、蕪、人参、栗、平茸などと煮込んでトリュフをのせて。
冬はこういう煮込み料理もいいですね。いろんな野菜の甘みとペルドローが美味しい。そして、それらの旨みが詰まったスープが美味しい。冬だと濃厚なジビエを食べさせるお店が多いですが、こういう優しい料理の方が実は好きだったりします。
シャトー・ヌフ・ド・パフも頂きました。
ワインが少しあったので、フロマージュも少し。
ブリアサバラン、コンテ24か月、イタリアのトリュフ入りのゴーダチーズ。
ドライフルーツは、漂白剤や酸化防止剤を使用しない天然のもので、マンゴーとアプリコット。
タルトタタンと紅玉のムース シナモン香るアイスを添えて
紅玉を重ねた小さく丸いタルトタタン。シナモン風味のアイスクリームと紅玉のスライスやムース。
最後は、山梨のほおずきにトリュフのマカロン、コリアンダー風味のショコラ。
コーヒーで。
「ミュージアム1999 ロアラブッシュ」
東京都渋谷区4−2−9
03−3499−1999
December 04, 2016
火鍋 趙楊@三田
新橋にある四川料理の「趙楊」の正宗四川火鍋の専門店です。
今年9月にオープンしました。
四川料理の有名店「趙楊」の火鍋は、昔銀座時代に一度だけ食べたことがありました。(当時要予約)
新橋に移転してからはメニューからはなくなり、作ってくださいとお願いしたら、スープを取るのが大変なのと、もし食べたいならレシピはその店が受け継いでいるのでと紹介された店に行ったこともあったっけ。そちらの火鍋も本格的で美味しかったけど、趙楊さんが作るスープほどは洗練されてなく、激辛過ぎなので辛さが上級者向け。その後、青山のグランピングの店で火鍋をやる企画もあったのですが、いろんないきさつでこちらにオープンしました。あの趙楊さんの火鍋がこちらではいつでも頂けるんだあ。
正宗四川二色火鍋は、一人5500円(火鍋食材25品+デザート)と一人7500円(前菜3種+火鍋特選食材30品+デザート)の2種類。
1週間前の要予約で、三色火鍋コースや、高級食材を使ったコースもあるようです。
前日予約だったので、7500円のコースをお願いしました。
まずはハートランドの生ビール。
前菜3種
海老の青山椒ソース、叉焼き、皮蛋の葱花椒和え。
火鍋に合わせてか、少し山椒を利かせた味付けになっています。
正宗四川二色火鍋
白赤二色のスープが入った鍋が運ばれてきました。
以前の趙楊のスープは鶏湯が半透明だったけど、こちらでは豆乳やミルクなどを入れているそう。
逆に真っ赤だった麻辣湯は、茶色めで脂もおさえてある感じ。
火鍋を初めて食べる方のためにも幾分マイルドに仕上げてあるのかな。
干貝柱、干海老、高麗人参は、白いスープの方に入れて、火をかけます。
乾物は直前に火を入れて香りを出すのでしょうね。
火鍋は食材はもちろん、スープが大事ですから。
毎日新橋の店で作ったスープと前菜をタクシーで運んでいるそうです。
ぐつぐつしてきたところで、具材も運ばれてきました。
北海道産の海老、いか、帆立、鱈は、白湯に入れます。
豚レバー、豚ガツ、ハチノスは、白湯と麻辣湯に半分づつ入れました。
そして、ぐつぐつと沸騰させると、スパイシーな香りが漂ってきます。
最初の1杯目は、白湯の方から店員さんがお皿に入れてくれます。
その後は、自分達のペースと好みの火入れで。
一杯目の白湯はクリーミーで優しいスープ。
その後に出てくる野菜や具材で味も変化してきますが、麻辣湯に入れた具材をこのスープと一緒に食べたり、
だんだん辛さに慣れてきたら麻辣スープを加えたりするのがいいと思います。
四川火鍋では、唐辛子の辛さというより花椒の痺れ感が後に出てきますから。
野菜は、タアサイ、白菜、ほうれん草、チンゲン菜、ニンジン、カボチャ、サツマイモ、レンコン、オクラなど。
茸は、エリンギ、椎茸、舞茸、シメジ、タモギタケ、エノキなど。絹豆腐と春雨も。
お肉は、牛ロース、アグー豚のバラ肉とロース、ラム、大山鶏。
7500円のコースにすると豚肉や鶏肉のグレードが上がり種類も増えます。
白身魚のすり身と海老団子。
野菜や茸を投入します。
お肉は最初の一枚は白湯でしゃぶしゃぶしましたが、私は麻辣湯の方が好みだったので、その後は麻辣湯で。特に豚やラムは麻辣湯の方が肉の脂も切れて旨みが増します。葉野菜は白湯で根野菜は麻辣湯がいいかも。まあ後は個人の好みです。
牛ロース旨い。後でちょっと辛いスープをかけました。
麻辣湯のスープは痺れる辛さですが、その中に旨みがありくせになります。
人参がモミの木みたいな形してました^^
アグー豚美味しい。(以下省略)
そして全ての具材を入れて、火鍋を堪能。途中経過の画像はないですが、無我夢中で食べました。
紹興酒やビールも追加。麻辣湯で煮た肉を食べるときに白ご飯欲しかったなあ。豆腐や春雨も麻辣湯で煮込んだので、これらも白ご飯が合いそうです。
最後に中華麺が出てきます。
もうだいぶ煮詰まった麻辣湯に麺を入れます。
下茹でしてある麺なので、さっと加熱して。
スープと共に。スープは2種類を割りました。
魚介や肉、野菜を煮込んだ両方のスープが合わさるとこれまた絶妙な美味しさ。
花椒のシビレ具合も快感になってきて、麺追加したいくらいでしたが、お腹の方はもう満腹。
デザートはココナッツミルク風味の杏仁豆腐。
プーアール茶で。
次回は3色火鍋を食べたいなあ。
(と思っていたら、後日食べることになるので、また次回に)
「火鍋 趙楊」
東京都港区三田5−4−6 トリニティハウス三田101
03−6453−9219
December 03, 2016
クラフタル@中目黒
窓際のロールスクリーンには、桜の木のシルエット。
もう数枚しかない葉が冬の景色をモノクロに映し出しています。
シャンパンは、ドンペリニョンの2006。
12月に入ってこれを打ち出している店が多いですが、ラベルがクリスマスっぽいね。
帆立
セブローブという木目のはっきりとした木の器にのせてあるのは、それと同じように木目に見立てた帆立のチップス。木の皿から削ぎ取られたように作られた精巧な木質感のあるチップスは、スモークした帆立の香り。その上には、帆立をのせ、ローストした胡桃を削っておが屑に見立てて。これは昨年の秋の開店当初から春にかけて出されていたものです。
そして、同じ器でもう一度でてきたこちらは今年の冬バージョンで、玉葱と竹炭で作ったチップス。
フォアグラのテリーヌとマデラ酒で煮た玉葱のコンフィをのせ、イタリアのトリュフを削って。
Dom Bott Geyl Pinot Gris Les Elements 2013
華やかな香りの少し甘口のピノグリ。
勢子蟹のビスク
兵庫の勢子蟹のビスクは、内子などと共にパプリカなど野菜をたっぷり使って、ベジポタージュ風に粘度を出して。鮟肝の上に蟹肉とスプラウトをのせて。パプリカのパウダーが内子をイメージしてますね。
Charconay Dutton Ranch 2014 Dutton Goldfield
すっきりとした酸の中にオレンジやアプリコットのような果実味。
ブリ大根
厚切りの鰤に黒大根のマリネをのせ、大根おろしと柚子のソルベ。
ブラックオリーブのタプナードを添えて。ブリ大根というと煮込んだものをイメージしますが、ここでは大根おろしや柚子の香りと共に、タプナードが醤油代わりのようで繊細なブリしゃぶかブリ刺しのような感じ。
甘酒の蒸しパンには、ラディッシュが。
見た目を意識したパンペアリングもクラフタルでは面白いんです。
次は鳩の料理だそうですが、プロバンスの赤ワインとバニュルス。
鳩
フランスの鳩は胸肉をローストにして、腿肉のアメリカンドックとブータンガナッシュ。
四角いブータンガナッシュは、チョコレートやマデラ酒、カカオニブなどで作ったもので、紅芋きんとんとトレビスのチップスをのせて。山葡萄と鳩のジュのソース。なるほど、ブータンガナッシュにはバニュルスが合います。
鳩の腿肉のコンフィはマスタードと合わせて、竹炭の生地で焼いてあります。
この生地が硬かったので、ふんわりしてたらよかったんだけど。
Meursault Clos du Murger 2013 Albert Grivault
白桃や洋梨っぽい香り。樽感も上品です。
鱈
鱈はちりめんキャベツで包んでヴァプールし、ドフィノワをのせたグラタン仕立てに。
白子のフリット、芽キャベツにケールのオイル、ルコラと白ワインのソース、グリーンマスタードと半熟卵のソース。ナスタチウムを添えて。
シュー生地の中には、鱈のブランダードとジャガイモのピュレを合わせたものが入っています。
Gigondas 2006 Santa Duc
しっかりとしたグルナッシュやシラー、ムールヴェドール、サンソーなどジゴンダス特有のスパイス感といろんなベリーのニュアンス。
仔羊には強い感じがしましたが、ドメーヌ・サンタをクリスマスにかけて出すんだろうな。
そういうこじつけストーリーも大事だと思います。
仔羊
ニュージーランドの仔羊は、皮目に韃靼そばの実をつけてロースト。
百合根や羊のベーコンとクリーム、トリュフに羊のジュのソース。
焼き葱と藁のように乾燥させた葱のチップ。
蕎麦粉のガレットには、茸や菊芋、ニンニクの香り。
ジンのグラニテ
アバンデセールは、ジントニックをイメージしたそうで、ジンのグラニテにグレープフルーツと果肉。
ライムとミントのアイスクリームにタピオカが隠れています。
器の中にも綿を入れて、白一色。画像は青黒くなってしまいましたが、ほんと白一色の雪景色のようでしたよ。
和栗のラム酒
モンブラン
見事に白いモンブラン。
塩気を利かせたメレンゲに、マスカルポーネのメレンゲアイスクリーム。
中には、エスプレッソを浸みこませたスポンジクランチやホワイトカラント、コーヒーアイス。
あれ、じゃあ栗はどこ?っと思った時に、栗のリキュールを飲むもしくは香りを嗅いで完結するんですね。
東京のモダンフレンチでは、コスパも含めて今年一番の新星でした。
大土橋シェフは、まだまだ未知なる可能性を持っていて、これからのCRAFTTAL、技(Craft)と物語(Tale)が楽しみです。
「CRAFTAL」
東京都目黒区青葉台1−16−11 2F
03−6277−5813
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December 02, 2016
初音鮨〜Vol.2〜@蒲田
鮪中トロ
赤身は漬けで頂きましたが、中トロはそのままで温度を上げていきます。
きめ細かなサシが入った中トロは塩のみで。
冬の鮨というと鮪がメインになるところが多いですが、それ以外の濃厚なネタが多いので、鮪はあえてさっぱりと食べさせてくれる。その流れがまたいいんです。
日本酒は隆で。
いくら
出ました。ハートのいくら。
女将と大将の愛を感じます。
ほろりとのせたいくらは玉子かけご飯のように。
白子と白トリュフ
白子と白トリュフは初音鮨の冬の名物ネタとなってしまいました。
大将の白エプロンも可愛い。お腹が以前より膨らんだ気がするけど、美味しいものいっぱい食べているんだろうな〜(笑)
ふんわりと蒸された白子に白トリュフ。
白トリュフも香りに個体差があり、前回は包丁で厚切りだったけど、今回はブレンダー細かく削って香りを引き立たせます。魅惑の香りと白子〜❤
松葉蟹
先程の蟹が蒸されて来ました。
雄の甲羅はトロトロの蟹味噌がたっぷり入っています。
足や爪もふっくら。
これから身をほぐします。
雌蟹の内子と外子は少し炒ってからシャリを混ぜ合わせます。
できました!
昨年は蟹肉をシャリの上にのせて、内子、外子、蟹味噌を和えたものをのせていたのですが、今年は内子、外子、蟹味噌をシャリと混ぜ合わせて、蟹ライスボール。見てるだけで酒が飲めるな〜♪
この蟹ボールに蟹身をのせて。
雄雌の蟹の美味しさを一口に詰め込んだ、極み。
女将が甲羅酒も注いでくれました。
蟹味噌が溶けた甲羅酒。
2貫目。茹で立ての蟹を目の前で剥いて凝縮させた蟹の旨みは、鮨ではここでしか食べることのできない美味しさ。感無量です。
大トロ
漬けにしてから炙った大トロ。
山葵をたっぷりつけて、とろけるチャーシューのよう。
菊姫のひやおろし。
そして、赤身漬け、中トロ、大トロ炙りのオールスターズは巻物に。
鉄火巻オールスターズ
いろんな部位が合わさった鮪の太巻きです。
干瓢巻
玉子焼き
冬のオンステージは、どれもがメインの高級食材ばかりで、鮪が引き立て役!?
いえいえ、鮪も美味しいですけど、どれも印象に残るものばかりで一番は決められないな〜。
予約電話はひっきりなしで、営業も来年から少しづつ減らしていくそうですが、女将さんや大将の体調が一番大事なので、ゆっくりとやっていってほしいです。
「初音鮨」
東京都大田区西蒲田5−10−2
03−3731−2403
December 01, 2016
初音鮨〜Vol.1〜@蒲田
ここ一年で半年先までどんどん予約が取れなくなってきました。貴重な席です。
日本酒は天寶一。おりがらみで少しうすにごりのお酒です。
いつものごとく、まずは切りたてのシャリを一口。
まだ赤酢の酸味がふんわりした温かいシャリを少し風通ししてから、その温度に合わせて握っていきます。
いか
呼子の剣先いか。縦、横斜めに細かく切れ目を入れて、少し温度を上げます。
そして、フランスのキャビア。前回も頂きましたが、塩気が少なめで美味しいの。
塩と酢橘を絞ったいかに、キャビアをこぼれ落ちそうなくらいたっぷりのせて。
柔らかないかの甘みとキャビアの旨み、酢橘の酸味が融合して、贅沢な美味しさです。
次に出てきたのは、自家製のからすみ。
半生につけたオレンジ色のからすみは、こんなに太くて大きいのは初めて見たっていうくらい立派なもの。
からすみは厚めにスライスして。
げそは、炙ってたたいたもの。
これらをシャリと合わせて握ります。
でろ〜んと覆いつくされた半生のからすみと、げその風味がシャリとなじみ、何とも言えない旨さが口内に広がります。からすみを厚切りでしかも一口でほおばる事ってなかなかないですが、これも贅沢な旨さです。
そして、その余韻で飲む日本酒がたまりません。
会津 中将 ひやおろし。
鰹
対馬の迷い鰹は、サクのまま漬けにして。
温かい醤油でまわりに少し熱が入り、断面も脂がのっています。
ほんのり温かい身に醤油の香りが合わさり、鮪に負けない旨み(まだ鮪食べてないけど)、綺麗な酸味です。
ここでもすかさず日本酒を。白隠正宗 沼津のお酒です。
残った端の部分に山葵をのせて。
酒のアテになります。
ここでガリがでてきました。
鰻
小柴の天然鰻は、皮目をぱりっと焼いて熱々です。
山葵をのせて、パリパリの食感と共に。
赤貝
大分の赤貝。一貫サイズの大きさがいいですね。ひもも一緒に握ります。
少し温度が上った赤貝は香りが出てきます。
ヒモのしゃきっとした食感と共に。
今宵の鮪は戸井の116圈
少し小振りの鮪です。
赤身と大トロは漬けにして。
中トロは塩で頂く予定。
カウンターの後ろには、綿の実が飾ってありました。
あ、大将の輝く夕陽が映ってしまってすみません^^;
かわはぎ
千葉の天然かわはぎは、薄皮を残して、湯引きにして。
かわはぎは、生で食べることが多く、意外に湯引きにしたものは初めてかも。
かわはぎの肝と合わせます。
薄皮に旨みがあり、ほんのり温めた身に肝が合わさることで、トーストのバターが口の中で溶けていくような食感。かわはぎの身の旨みを引出し、今まで食べたかわはぎの握りの中では、抜群に美味しいです。
日本酒は五凛。ここに来ると日本酒のペースが上がるなあ。
鮟肝
余市の鮟肝は醤油で炊いて。
シャリが見えないくらい分厚い鮟肝。
日本酒をごくりして流します。
鰆
山形の神経締め鰆。軽く湯霜してから、塩して8〜10日寝かせたもの。
適度に水分を抜いて、熟成した鰆は前回の生ハム感よりもフレッシュな感じ。
生ハムっぽい鰆もいいけど、今回は鰆の香りもちゃんとあっていいですね。
鮪赤身漬け
赤身の漬けは温度高めに。
口に入れた時に、赤身の酸味が際立つ感じ。
温度を上げたのはこれがねらいかな。
そして、メインへと続く津居山の蟹。
雄は1.5圓搬臺で、雌蟹との3P。まだ蒸す前ですが喧嘩しないでね〜♪
雌の勢子蟹も大きいです。くぱ〜っとお腹を広げると外子がたっぷり。
後半に続く・・・
「初音鮨」
東京都大田区西蒲田5−20−2
03−3731−2403