February 04, 2015
The Ledbury@ロンドン
冬の食いバカンスは、ヨーロッパへ。
まずは、ロンドンの「The Ledbury」に行きました。
前回予約が取れなかったお店なので、今回楽しみにしていました。
ノッティングヒルの住宅街の落ち着いた雰囲気の中にあります。
まずはスナックが数種類出てきます。
ライスパフの上には、ヒマワリの種とレモンのコンフィ、
アーティチョークのクリームをのせて。
パイ生地の上にフォアグラのムースとハニーミード(蜂蜜酒)のゼリーをのせて。
白いパン生地の上にチーズクリームとカリフラワーのフライ。
パン粉をつけて揚げた豚リエットのフライに、ラベージというセリ科のハーブのゼリーをのせて。
Bereche&Fils Brut Reserve
シャンパンはベレッシュのブリュットレゼルブ。
ベレッシュは大好きな作り手でテロワールごとの味わいが全く違うのが楽しいですが、
一般的に出回っているものは、初めて飲みました。
ピノノワール、ピノムニエ、シャルドネをブレンドし、ヴァンドレゼルブも30%用います。
NVですが、黄金色で果実味や赤果実の芳醇な香りもあり、バランスが良いです。
ワインデギュスタシオンのコースもあったのですが、私は旅の疲れかあまり体調が優れなかったので、
お酒はこの1杯でやめておきました。
最初のアミューズがとても美味しくて、少し元気になってきたかな。
これからの期待度が高まります。
Chantily of Oyster Tartare of Seabream and Frozen English Wasabi
牡蠣のシャンティクリームと鯛のタルタル、フリーズドライにしたホースラディシュのパウダーをかけて。
セロリやオリーブオイルと和えた鯛のタルタルに、アブルーガ(鰊の卵のキャビア)、
牡蠣を濃厚なクリームにしたものと溶け出すホースラディッシュのパウダーが混ぜ合わさると、
絶品に旨い。ホースラディッシュをわざわざメニューにイングリッシュワサビなんて表記してあるのが、
日本を意識しているんでしょうか。日本では牡蠣に山葵は合わせないし、
欧米でも牡蠣にホースラディッシュは合わせないけれど、面白い組み合わせ。
ここに来る直前にもオイスターバーで色んな牡蠣を半ダースくらい食べて来たのですが、
ロンドンで食べる牡蠣は本当美味しいと思う。
海苔のクリスピーとライ麦のクリスピーですくいながら食べてくださいとのことでした。
天然酵母もパンも美味しいです。
バターは山羊のフレッシュバターで、滑らかでクリーミー。
表面にかかっているのはモルトのパウダーだそうです。岩塩ものせて。
Flame Grilled Mackerel Pickled Cucumber ,Celtic Mustard and Shiso
鯖のグリルは和食でいう鯖の塩焼きのような味わいです^^火入れも完璧。
胡瓜のピクルスに白胡麻をまぶしたものと、パースニップのムースと揚げたエシャロットを添えて。
胡瓜の搾り汁とハーブのゼリーシートの中には、
鯖と胡瓜のタルタルを粒マスタードのソースで和えたものが
入っています。コリアンダーの新芽と赤紫蘇を添えて。
鯖が皮付きで出てきたのにびっくり。日本で食べる鯖の塩焼きより脂がのっているのに、
数倍美味しく、臭みが全くない。その鮮度と火入れにちょっと驚きました。
Hampshire Buffaro Milk Curd and Broth of Wild Mushrooms
薄く敷いたコンソメフランの上に野生エノキと玉葱をソテーしたもの、
ハンプシャーのバッファローのチーズをのせてロワイヤル。
上からエノキや椎茸、チキンとオニオンのコンソメを注ぎ、茶碗蒸し風に仕立ててあります。
バッファローのチーズはかなり攻撃的な野生臭さがありますが、
濃厚な茸のコンソメを注ぐと、一瞬にして緩和します。
余談ですが一昔別の店でバッファローの肉を食べた時は3m域まで鼻が曲がりそうな臭さで、
絶対無理と思ったのですが、ソースがかけられた瞬間に臭さがぴたっと止まった。
今回は、チーズだけなので、それほど強い野生臭ではないですが、これが料理の不思議。
Truffe Toast
カリカリに焼いたパンの上には、山羊のチーズをのせ、トリュフを削り、トリュフマヨネーズ。
これも美味しかったです。
Filllet of Sea Bass Pumpkin,Mandarin and Ginger
スズキのロースト。皮を取ってしっかりと焼きあげた火入れも完璧。
上には揚げた生姜をのせて、カボチャのピュレと半円にした人参のソテー。
ミカンとジンジャーの泡、トランペット茸と共に。
味見程度に飲ませて頂いたギリシャのワインとの相性が良かった。
Rabbit Shoulder Chestnut Cream and Chanterelles
イギリスのノーフォク産のウサギは4、5才のもの。
軽く煮込んだ肩肉は、生の栗とスライスして揚げた栗チップスとそのクリーム。
シャントレルという茸と洋梨のダイスを合わせて。
シェフは熟成の香りを好まないので、兎は仕留めてから2.3日、鹿でも一週間以内だそうです
ナイフには鳥の絵の刻印が描かれています。
Berkshire Muntjac Dried Blackcurrant ,Red Leaves and Vegetables
バークシャーの鹿肉は、胸肉(左)腿肉(右)をローストし、
腿肉の上にはスモークした牛の骨髄がのせてあります。
右上は鹿肉のソーセージにローズマリーを刺して。
野菜はビーツ、チコリー、赤キャベツ、ビーツで色付けしたエシャロット。
黒スグリと鹿肉のジュのソースとビーツのピュレを添えて。
血抜きもしっかりと処理した仔鹿は、仕留めてから1週間以内でフレッシュな肉質です。
アバンデセールは、カスタードクリームの上にローズマリーと青林檎のシャーベット、
砕いたメレンゲをのせて。
Caramelised Banana Peanuts and Passionfruit
キャラメリゼしたバナナのタルトにパッションフルーツをのせ、ピーナッツクリームキャラメル、
ピーナッツのアイスクリーム。
プティフールもいくつか出てきます。
コーンフレークを砕いてまぶした中は柚子のアイスクリームです。
ウルトラマカデミアナッツのサブレにタイムのゼリー。
キャラメルハッチは、コーヒーキャラメルの懐かしい味わい。
フレッシュミントティーで胃もすっきり。
最後にサービスで出てきたデザート。嬉しいです♪
ブラウンシュガーのタルトにはモルトソースのゼリーをのせて、下にはクッキークランチ。
フレッシュジンジャーのアイスクリームを添えて。
最初のアミューズから好印象で期待度が高まっていたわけですが、
結果的に全て美味しくて文句の付け所がないお皿の数々。
モダンフレンチというと見た目ばかりで味がついていかないお店が多いのですが、
こちらは全てのお皿の完成度が高く感動しました。
スタッフのサービスもフレンドリーでとても良いです。
実は1月に入ってからNOMAの繰り上げ当選があったのですが、
丁度昨年取ったここの予約があったので、見送ってロンドンまで来た甲斐がありました。
「The Redbury」
127 Ledbury Road Notting Hill,London W11 2AQ
+44 20 7792 9090
Restroomのオブジエは鹿の角を研磨したものをアレンジして。
こういうところまでお洒落な気遣いです。
食後は、地下のキッチンをマダムの案内で見学させてもらいました。
凛々しい顔立ちの鹿の剥製がお出迎え。ここから階段を降ります。
階段の途中には、シェフとそのチームの写真が飾ってあります。
ブレてしまいましたが、左上がシェフのブレッド・グラハム氏。
オーストラリアのニューキャッスル出身で、15歳からフィッシュレストランで働き始めたそうです。
その後、シドニーのレストランで働きながら3年目に賞を取り、
シェフ・パトロンのナイジェル・プラッツ・マーティン氏と共にイギリスに来て2005年にオープンしました。
近年はスーシェフのグレッグ・オースティン氏や元ファットダックのジョッキー・ペトリー氏と共に、
フランス料理をベースにしながら、イギリスの食材を生かしたモダンフレンチを作りあげています。
これはナイフにも刻まれていたサギの剥製。
キッチンに入ります。
全て片付いて、綺麗なキッチン。シェフはもういなかったけれど、若いチームが残っていました。
黒板メニュー
ワインセラーにも案内してもらいました。
フランスワインだけでなく、スペイン、オーストリア、ギリシャ、アメリカ、南アフリカなど、
世界各国のワインが収納されています。
帰り際にフロントにいたムッシュとお話をして、これからベルギーに行くんだとお話したら、
勧めのお店を教えてくれて、ああ、そこのシェフとうちのシェフは交流があり、お互いよく食べに行くんですよと。
他にもオランダのお店も紹介してくださいました。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、もう深夜を過ぎてしまいました。
でも、ロンドンはバスが24時間走っているので、便利だわ。
あとは、明日からの長い食道楽の旅の為に充電スリープ。おやすみなさい。。。