April 09, 2015
初音鮨〜Vol．１〜＠蒲田
「初音鮨」に行きました。
蒲田にいい鮨屋があるんですと札幌の五十嵐シェフに勧められて、予約を取って頂き、いざ訪問。
ミシュラン2つ星なのに今までノーマークでした。
蒲田駅から徒歩10分くらいの白い建物。
外観は鮨屋とは思えないお洒落なロゴで「Hatsune」と書いてあります。
灯篭にもローマ字のロゴが。外国人のお客様にもわかるようにローマ字で住所も表記しているんですね。
看板には漢字で初音と書かれています。
中に入ると和のしつらえで、小上がりの席は以前客席でも使っていたようです。
ここは、17時半と20時の二回転制です。
早めに着いてしまったので、前のお客様が帰るのと、次のお客様が揃うまでしばし待ちます。
そして、カウンター席に座ります。ここでは、大将のトークが重要。
ひとつひとつの素材や鮨に対するこだわりを丁寧に説明してくださります。
この日は外国人のお客様もいらしていましたが、大将は英語も堪能で、
細かいディテールまで説明していました。
まずは、切りたてのシャリがでてきました。
これが生まれたての産声をあげた赤子のようなシャリです、これをスプーンですくって一口どうぞと。
赤酢の香りと水分を含んだ熱々のシャリは柔らかで赤酢の香りが立っています。
一旦風通しして落ち着かせるそうですが、温度を生かしたネタと、
そのシャリから最初はさっぱりとしｔネタを、冷えてアルデンテになる頃に鮪を握り、
最後老いの頃には海苔のパリパリ感と熟成感のある鮪を味わって頂きますと。
それぞれどう変化するのが楽しみです。
そんな2時間の大将のステージが始まります。
お酒は、新政 生成２０１４でスタートです。
どかんとでてきた鮪は和歌山那智勝浦の２４８�圓里呂�縄の鮪。
仕入れてから1週間熟成させたそうです。
この時期200�埖紊梁臺�は希少です。食運ありますねと言われましたが、
それを仕入れることができる大将が素晴らしいです。
ハラカミ、赤身、中トロ、大トロに切り分けます。
それぞれスライスした身は、箱に入れて室温でしばし寝かせます。
残りの部分は漬けにするそうです。って大トロとかも漬けにしちゃうのですか!?
サクのまま83度の湯にくぐらせてから瞬間殺菌し、醤油で漬けにするそうです。
アオリイカ
大分のアオリイカは、３，７�圈Ｂ腓�なイカです
2日間ドライエイジングしてから、80℃のお湯でさっと湯通しして瞬間殺菌しています。
浅めに縦横に切れ目を入れていきます。
それをあらかじめ温めてあるお皿にのせて温度管理をしています。
イカの温度は30度に、シャリの温度は33度の頃で握ります。
ここでの鮨の食べ方のスタイルは、大将が握った鮨を、親指、人指し指、中指の三本指の上にのせて、
ネタが舌と触れるように、手首を返して口に運びます。
人間が感じる心地よい温度は、母乳の温度の30度くらいだそうで、
それに合わせてミルクのようなイカを食べて頂きたいと、
着地点で最初に舌に触れる温度を30度に合わせたそうです。
口の中でゆっくり噛んでいくと、弾力のあるイカがミルキーに甘く感じます。
コハダ
大分のコハダは塩と酢で締めて寝かせてから5日目。
酸によって皮下脂肪と骨のエキスが溶け込んだ頃が食べごろだそうです。
切リ開いてから、60度に温めた皿の上にのせます。
コハダの脂が溶けてきて、柔らかくなってから握ります。
人肌に温めることによって、溶けた脂がシャリと合わさり、別格の凝縮された旨味です。
この時期卵を持って旨味の少ないコハダでも、これは、今まで食べたことのない画期的な味わいです。
大将の技が光る逸品でした。
赤貝
愛知の赤貝は塩で磨き、60度の塩湯で洗ってから、水で引締め、ヒモや貝柱と一緒に一晩寝かせます。
これは常温です。
赤貝は生しか食べたことがありませんが、一晩置くと歯切れと甘み、香りがまた違います。
ヒモと柱を合わせてあります。
熊本の無農薬の新生姜を漬けたもの。
辛めの味つけですが、これが口直しのアクセントになります。
鯵
三重の釣り鯵を塩漬けして水を抜き、昆布して1週間寝かせたものをさっと炙ります。
スモークしたハムのようになっています。
まさに鯵ジャーキーですね、旨味も変化しています。
さて、切り身にした鮪は汗をかいていい色になってきました。
鮪赤身
鮪の体温は28度くらいだそうで、皿の上で少し温めます。
しっとりと柔らかく赤身の旨さが広がります。
赤身の柵は30度に温めた醤油で20分漬けたものです。
切り分けると低温調理されて、表面は赤黒く、中は濃厚な紅色です。
見事に美味しい漬けです。
甘海老
甘海老も美味しく食べさせてくれます。
甘海老の味噌を乾煎りしたものです。小さな甘海老からこれだけの味噌を取るのに
５００尾くらいですしょうか。３�圓阿蕕いい辰擇鵑忘遒襪修Δ任垢�、
プランクトンが入っている胃袋生臭くなるので除外して、
肝臓と眼球の周りの筋肉だけを集めるので細かな作業です。
その甘海老味噌のフレークをまぶした甘海老です。
甘海老味噌は塩辛にしたものを札幌でも食べたことがあるけれど、フレークにすると臭くないし、
うま味の増強効果がありますね。
お酒は黒龍 垂れ口
後半に続きます・・・
「初音鮨」
東京都大田区西蒲田5−20−2
03−3731−2403
蒲田にいい鮨屋があるんですと札幌の五十嵐シェフに勧められて、予約を取って頂き、いざ訪問。
ミシュラン2つ星なのに今までノーマークでした。
蒲田駅から徒歩10分くらいの白い建物。
外観は鮨屋とは思えないお洒落なロゴで「Hatsune」と書いてあります。
灯篭にもローマ字のロゴが。外国人のお客様にもわかるようにローマ字で住所も表記しているんですね。
看板には漢字で初音と書かれています。
中に入ると和のしつらえで、小上がりの席は以前客席でも使っていたようです。
ここは、17時半と20時の二回転制です。
早めに着いてしまったので、前のお客様が帰るのと、次のお客様が揃うまでしばし待ちます。
そして、カウンター席に座ります。ここでは、大将のトークが重要。
ひとつひとつの素材や鮨に対するこだわりを丁寧に説明してくださります。
この日は外国人のお客様もいらしていましたが、大将は英語も堪能で、
細かいディテールまで説明していました。
まずは、切りたてのシャリがでてきました。
これが生まれたての産声をあげた赤子のようなシャリです、これをスプーンですくって一口どうぞと。
赤酢の香りと水分を含んだ熱々のシャリは柔らかで赤酢の香りが立っています。
一旦風通しして落ち着かせるそうですが、温度を生かしたネタと、
そのシャリから最初はさっぱりとしｔネタを、冷えてアルデンテになる頃に鮪を握り、
最後老いの頃には海苔のパリパリ感と熟成感のある鮪を味わって頂きますと。
それぞれどう変化するのが楽しみです。
そんな2時間の大将のステージが始まります。
お酒は、新政 生成２０１４でスタートです。
どかんとでてきた鮪は和歌山那智勝浦の２４８�圓里呂�縄の鮪。
仕入れてから1週間熟成させたそうです。
この時期200�埖紊梁臺�は希少です。食運ありますねと言われましたが、
それを仕入れることができる大将が素晴らしいです。
ハラカミ、赤身、中トロ、大トロに切り分けます。
それぞれスライスした身は、箱に入れて室温でしばし寝かせます。
残りの部分は漬けにするそうです。って大トロとかも漬けにしちゃうのですか!?
サクのまま83度の湯にくぐらせてから瞬間殺菌し、醤油で漬けにするそうです。
アオリイカ
大分のアオリイカは、３，７�圈Ｂ腓�なイカです
2日間ドライエイジングしてから、80℃のお湯でさっと湯通しして瞬間殺菌しています。
浅めに縦横に切れ目を入れていきます。
それをあらかじめ温めてあるお皿にのせて温度管理をしています。
イカの温度は30度に、シャリの温度は33度の頃で握ります。
ここでの鮨の食べ方のスタイルは、大将が握った鮨を、親指、人指し指、中指の三本指の上にのせて、
ネタが舌と触れるように、手首を返して口に運びます。
人間が感じる心地よい温度は、母乳の温度の30度くらいだそうで、
それに合わせてミルクのようなイカを食べて頂きたいと、
着地点で最初に舌に触れる温度を30度に合わせたそうです。
口の中でゆっくり噛んでいくと、弾力のあるイカがミルキーに甘く感じます。
コハダ
大分のコハダは塩と酢で締めて寝かせてから5日目。
酸によって皮下脂肪と骨のエキスが溶け込んだ頃が食べごろだそうです。
切リ開いてから、60度に温めた皿の上にのせます。
コハダの脂が溶けてきて、柔らかくなってから握ります。
人肌に温めることによって、溶けた脂がシャリと合わさり、別格の凝縮された旨味です。
この時期卵を持って旨味の少ないコハダでも、これは、今まで食べたことのない画期的な味わいです。
大将の技が光る逸品でした。
赤貝
愛知の赤貝は塩で磨き、60度の塩湯で洗ってから、水で引締め、ヒモや貝柱と一緒に一晩寝かせます。
これは常温です。
赤貝は生しか食べたことがありませんが、一晩置くと歯切れと甘み、香りがまた違います。
ヒモと柱を合わせてあります。
熊本の無農薬の新生姜を漬けたもの。
辛めの味つけですが、これが口直しのアクセントになります。
鯵
三重の釣り鯵を塩漬けして水を抜き、昆布して1週間寝かせたものをさっと炙ります。
スモークしたハムのようになっています。
まさに鯵ジャーキーですね、旨味も変化しています。
さて、切り身にした鮪は汗をかいていい色になってきました。
鮪赤身
鮪の体温は28度くらいだそうで、皿の上で少し温めます。
しっとりと柔らかく赤身の旨さが広がります。
赤身の柵は30度に温めた醤油で20分漬けたものです。
切り分けると低温調理されて、表面は赤黒く、中は濃厚な紅色です。
見事に美味しい漬けです。
甘海老
甘海老も美味しく食べさせてくれます。
甘海老の味噌を乾煎りしたものです。小さな甘海老からこれだけの味噌を取るのに
５００尾くらいですしょうか。３�圓阿蕕いい辰擇鵑忘遒襪修Δ任垢�、
プランクトンが入っている胃袋生臭くなるので除外して、
肝臓と眼球の周りの筋肉だけを集めるので細かな作業です。
その甘海老味噌のフレークをまぶした甘海老です。
甘海老味噌は塩辛にしたものを札幌でも食べたことがあるけれど、フレークにすると臭くないし、
うま味の増強効果がありますね。
お酒は黒龍 垂れ口
後半に続きます・・・
「初音鮨」
東京都大田区西蒲田5−20−2
03−3731−2403
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by みな May 15, 2015 13:25
わぁ、懐かしい！こちら、数年前、確かミシュラン前に伺いました。わたくしは、店主劇場型のお店嫌いで好きにやりたい派なのですが、こちらのお店は、大人しく従おうと思ったほどです。久々に感動したお寿司でした。三度ほど伺ってこれからまだまだ伸びそう♪と楽しみにしていたのですが、上京の機会ごとに予約を試みても取れないことが続きました。今は落ち着いたのでしょうか。ならば再チャレンジしてみます、最近なかなか食に感動できないので、こちらにすがってみよう♪
2. Posted by Hi! May 15, 2015 23:57
ロン様
此方は以前から気になっていたお店♪
拝見していると、惹かれますね(^^)
私は、今は九州の鮨巡り中で、ロンさんのお好きなお店を食べ歩いてます(^^)
そのうち、東京、京都、金沢、福岡の何処かで偶然お会いできるかもしれませんね♪
此方は以前から気になっていたお店♪
拝見していると、惹かれますね(^^)
私は、今は九州の鮨巡り中で、ロンさんのお好きなお店を食べ歩いてます(^^)
そのうち、東京、京都、金沢、福岡の何処かで偶然お会いできるかもしれませんね♪
3. Posted by ロン May 16, 2015 06:19
＞みなさん
もう何度も行かれているのですね。さすがです。
私は初めて行ったので衝撃的でした。
ミシュランを取ってから外国人のお客様が多く、予約も先までいっぱいのようですが、この日は外国の方の予約が連絡なしでドタキャンでした。時間が遅れても来店されるかなと思いながらも、最後まで現れませんでした。少ない席数でせっかく仕込んだ最高のネタが勿体ないですし、何も連絡がないのはひどいですよね。今どこのお店でも抱えている問題の一つですが、大将も苦悩していました。
大将が主導権を握っているお店なので、接待などには向かないですが、私は魚オタクなこだわりのお店が好きです＾＾
もう何度も行かれているのですね。さすがです。
私は初めて行ったので衝撃的でした。
ミシュランを取ってから外国人のお客様が多く、予約も先までいっぱいのようですが、この日は外国の方の予約が連絡なしでドタキャンでした。時間が遅れても来店されるかなと思いながらも、最後まで現れませんでした。少ない席数でせっかく仕込んだ最高のネタが勿体ないですし、何も連絡がないのはひどいですよね。今どこのお店でも抱えている問題の一つですが、大将も苦悩していました。
大将が主導権を握っているお店なので、接待などには向かないですが、私は魚オタクなこだわりのお店が好きです＾＾
4. Posted by ロン May 16, 2015 06:22
＞Hi!様
初めて行ったのですが、大将の利にかなったお魚の扱いとお話を聞きながら、五感全てで味わうお鮨に感動しました。
九州の鮨巡り中なのですね。ほんと好きなお店が共通していますし、どこかでお会いできるかもしれませんね＾＾
初めて行ったのですが、大将の利にかなったお魚の扱いとお話を聞きながら、五感全てで味わうお鮨に感動しました。
九州の鮨巡り中なのですね。ほんと好きなお店が共通していますし、どこかでお会いできるかもしれませんね＾＾
