銀座いし井@五反田あま野 @大阪

February 27, 2016

オテル・ド・ヨシノ@和歌山

「オテル・ド・ヨシノ」に行きました。
エスキスの成田一世シェフパティシエと手島シェフとの2日間限定のコラボレーションイベントです。
メニューは今まで頂いたことがあるものでしたが、それを成田氏監修のもとに細かなディテールを加えながらアレンジし、松岡ソムリエがワインをセレクトしたそうです。吉野御大も勿論いらっしゃいました。

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位置皿はいつもとは違う雰囲気を醸し出しています。

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これは友人の位置皿ですが、黒トリュフ柄をプリントしたものがのせてありました。ビーチクにも(笑)

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Ruinard Blanc de blanc

シャンパンはルイナールのブランドブランです。

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パンも成田氏監修のもとに焼き上げています。シャンパンを飲む前に、まずはパンを食べてくださいと。
そこで、小麦や酵母の香りを感じながらゆっくりと咀嚼し、口内に唾液を分泌することから始まります。
普段はパンから先に食べることはないですが、香ばしく焼き上げた表皮の中に、きめ細かな生地の食感と小麦の香りを感じ、唾液が出ることによりその甘さとほのかな酸味を感じます。
そして、パンを食べた後にシャンパンを飲むと、口内に残るトースト香が見事にシャンパンの酸味を消してすーっとなじんでいきます。

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バターはフロマージュブランを加えた発酵バター。ピンクソルトの岩塩をサイドにのせて。ムース状の柔らかなバターは、クリーミーな中に発酵の旨味を感じます。今回は発酵も一つのテーマにしているそうです。

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Warre's Vintage Port 1977

甘口のヴィンテージポルトワイン。基本的に料理を食べた後に、お酒を合わせてくださいと。

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ウフ アラ コック トリュフのクーリ

ゆめたまごの黄身にマッシュルームとトリュフのクーリ。塩水につけてから炒ったマレーシアの黒胡椒をアクセントに。

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とろりと半熟な黄身と濃厚なトリュフのクーリが合わさり、前回はホワイトペッパーでしたが、今回は塩を纏わせた黒胡椒で、塩を利かせた上で、熟成したポルトの甘みを合わせることで、卵の黄身の旨味を出しています。

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びっくりトリュフ

フォアグラのテリーヌを丸め、周囲に細かく刻んだトリュフを纏わせ、ソーテルヌのジュレを添えて。
マーシュとオニオンピュレと黒トリュフのサラダ。ブリオッシュは口溶けのよいあっさりとしたサクサク感。卵やバターがたっぷりもっちりというブリオッシュの固定観念をあえて真逆にし、そのシンプルさがフォアグラの旨味とトリュフの香りを引きだしてくれます。

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なめらかなフォアグラに強めの塩と黒トリュフ。昔吉野シェフとやっていた時と今の自分は若干違うけれど、今だったら吉野シェフに寄り添って作ったという成田さんのブリオッシュによって、その美味しさがさらに活きるわけです。

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Ch.Montus XL 1996 Alain Brumont

熟したベリーの香りと共に濃厚で力強いタンニン。その強さの中にもまろやかさと上品なスパイシーさがあり、フォアグラとトリュフ、ブリオッシュの三重奏によく合いました。

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自家製サーモンのフュメ

ノルウェーサーモンのミキュイを網焼きにして、ジロール茸やハーブやケッパーをのせて。オゼイユのソースと白ワインとクリームのソース。ジャガイモのチップスとジャガイモと白葱のエクラゼは白トリュフオイル風味。

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トリュフのパンケーキが添えてあります。パンケーキも美味しいです。

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ハーブなどの香りを利かせ、火入れもしっかりとしたソモンは、いつもより華やかな印象です。それは、吉野シェフや手島シェフの料理を食べているお客様にとって、美味しいのは当たり前なのですが、味は受け継がれ理解されているその美味しさを違った変化球で着地していくことを狙ったそう。なるほど〜。

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Sancerre Blanc "Les Romains” 2012 Domaine Vacheron

燻製香やハーブのニュアンスに合わせて。

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大田養鶏場 紀州鴨のコンソメ

鴨のコンソメは、いつもよりも軽く仕上げながらも血のニュアンス。透明感がある分、そのクリアな旨味と後にくる繊細な鴨の血のニュアンス感じることができます。スプーンには、押麦やキヌアなどの穀類とトリュフを和えたもの。

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半分くらい飲んだところで、スプーンの雑穀を入れます。トリュフの香りと押し麦の甘みがストレートなコンソメに奥行きを持たせてくれます。

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Morey-Saint-Denis 2001 Jean Raphet

ジャン・ラフェは2002年から息子が受け継いでいるので、2001年は彼の最終ビンテージ。艶やかな果実味と自然なピノノワールの香りが上品なコンソメの旨味を引きだします。

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和歌山県産 猪とフォアグラのトゥルト

猪肉とフォアグラとトリュフを重ね、周りは猪肉のミンチや黒トリュフ、ピスタチオなどを混ぜたファルスを詰めたパイ包み焼き。菊芋のムースとハーブのサラダを添えて。
丸々1個ですが、いつもよりも小さなポーションで焼き上げています。パイ生地は香ばしくサクサクですが、下の生地はタルトのようにしっかりと支えています。
猪肉もロゼではなくしっかりと火が入り、ファルスもナイフを入れても崩れないようにパイ生地との密着感があります。そこに合わさるソースは、酸味を利かせたそうですが、これが絶妙な美味しさ。
何回か食べた中でも鹿だったり、山鳩だったり、肉によってもソースは変わりますが、昨年は甘みを感じ、今年は塩気を感じたものの、今回はデミグラスソースのようにまろやかな酸味とフォンの旨味がパイ生地の香ばしさやしっかり火入れした肉質と合わさると、それぞれの旨味が過不足なく調和しています。溶けるように消えていくパイ生地は、全く重さを感ずることなく、中身と一緒に包み一緒に食べる意味があるトゥルト。

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もちろん基本は吉野シェフの料理であり、手島シェフが作っているわけですが、どういうイメージやコンセプトでこの料理を組み立てたかと成田さんに伺うと、手島シェフの否定で吉野シェフの肯定だと(笑)吉野シェフの美味しさと手島シェフの違う引きだし方の美味しさを、それぞれの味を配慮した中で成田さんのパートで繋ぐことにより、一体感のある味に完成させる。それぞれのシェフの思いが詰まりながらも、素晴らしい完成度のトゥルトでした。

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Chateau Haut-Marbuzet 1997

ボルドーのしっかりとしたタンニンとスパイシーでエキゾチックな果実味。猪肉やフォアグラのどっしりとした旨味に合います。

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Chateauneaf-du-pape 1990 Clos Saint Andre

アニスやナツメグなどのスパイスやドライフルーツのニュアンスがありながらも、なめらかなチョコレートのようなしなやかさ。これは好みです。ソースにピタッと合いました。

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ガラス窓から、デセールを作る成田さん。
普段はこういう調理シーンを拝見することができないだけに・・・かっこいいなあ
クラシカルなフレンチは、デセールもいかにシェフの料理に違和感なく繋げるか・・・若いパティシェールも頑張ってほしいです。

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トリュフの持つ 香りのニュアンス

ミルクのスフレとミルクのアイスクリーム。トリュフはミルクや卵との相性がいいですが、プリンのように表面香ばしく焼いたスフレと厚切りのトリュフの存在感。

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Macvin du Jura rose le finot

甘さの中にプルーンのようなニュアンスがあるので、後のデセールに合わせてくださいと。

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そのマリアージュのヴァリエ 甘さの世界で

真珠のように美しい飴細工の球体のシュープリーズ。赤ワインソースとクレーム・ブリュレのソースと黒トリュフ。
フルール・ド・ビエールというアルザスのビールのジュレにピスタチオ、竹炭のブリュレ、黒胡椒と砂糖。

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薄い飴細工の中には、コニャックのソルベとマスカルポーネのムースに包んだプルーン。飴細工は薄いことに意味があると思ったのは、10年前に食べた成田さんのデセール。それ以来彼以外の飴細工では感心したことはなかったですが、記憶が甦りました。(もちろんエスキスでも違ったアレンジで頂いていますが)
割った繊細な食感の中にプルーンの酸味と渋み、コニャックの苦味や緻密な香り、包んだマスカルポーネがそれを緩和してくれて、黒胡椒のスパイスがアクセントになり、甘みがそこからほんのり出てきます。いろんな素材が合わさっても、それらは主張し過ぎず見事に融合しています。

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ミニャルデーズ

山椒のオランジェット、コーヒー風味のマカロン、カヌレ。
マカロンの口どけの良い軽やかさ、逆にカヌレのしっとり感、山椒のオランジェットも美味しかったです。

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いつもの料理に違うエスプリを振りかけると、例えばパンが一つ変わっても、その料理全体の印象が変わるのですね。食後小一時間貴重なお話を聞かせていただきました。
移動時間が迫っていたため、デセールに関しても聞きたいことがあったのですが、時間切れ。それはまたエスキスに伺った時に聞いてみたいと思います。
普段とはまた違った視点で食べ手の心を揺さぶる、内容の濃い素晴らしいフェアでした。


「オテル・ド・ヨシノ」

和歌山県和歌山市手平2−1−2 ビッグ愛12F

073‐422‐0001




食後にお話して頂いた貴重なトーク。

長くなるので後で書きます。



ranmarun at 12:30│Comments(2)TrackBack(0) フレンチ 

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この記事へのコメント

1. Posted by けんた   March 11, 2016 13:20
良くイベントに参加されてますが、常にいろんなお店をチェックしてイベントごとを見つけてくるんですか。そんなに人生を食事ばかりに力費やして、凄いですね。
2. Posted by ロン   March 13, 2016 21:30
>けんたさん
イベントはお店の方から案内されたり、お友達に誘われたりと自分からチェックしているわけではありません。お友達に常に全国駆け回って食べ歩いているすごい食通がいるので。。。
食事ばかりに人生を費やしているわけではありませんが、食べることや飲むことも人生の楽しみの一つだと思っています。人によって価値観は違うと思いますけどね。

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