September 18, 2016
蓮香@白金
「蓮香」に行きました。
2日前まで仕入れのために湖南省に行っていたというシェフ。
帰ってきたばかりだからこそ頂ける食材を楽しみにしていました。
お決まりのカウンター席に座ると、塩漬けの干し魚がぶらさがっています。
これも仕入れてきた魚なのでしょうね。今回のお料理には出てこないそうです。
メニューは奥様が書いてくれたそうで、マニアックな料理がいろいろ並んでいます。
蜂の子なんかもあり、わくわくしてきました。
ワインは、アルザスのピノブラン。チェイサーにビールやレモンサワーも飲みました。
前菜盛り合わせ
前菜は4種でてきました。
醤油漬けパパイヤと細切り豆腐
醤油と唐辛子で漬けたパパイヤは、細切りの押豆腐と葱で和えて。
こりっとした食感と共にじわっと辛さと塩気が出てきます。押豆腐と合わせるとちょうどいい塩梅です。
苗族(ミャオ族)式大根の漬物
甘酸っぱく辛い大根の漬物は、カクテキのようですがもっと甘酸っぱさが際立っています。
苦瓜の手作りみそ和え
苦瓜(ゴーヤ)に和えてある味噌は露店で買ってきたものだそうですが、甘みとコクがあり、ひまわりの種や白胡麻と合わせて苦瓜のクセをやわらげています。
湖南式腸詰
湖南省の腸詰は脂身が多いので、酸っぱく安い辛子マスタードが合うそうです。
黄色すぎるくらいのマスタードですが、確かに辛みよりも酸味が強く、腸詰の脂やクセを切ってくれます。
現地の味わいを再現してくれました。
沱江小魚(沱江小魚と香味野菜のスパイス炒め)
小魚は小さなイシモチのような魚だそうです。現地では揚げてから干すそうですが、こちらでは塩漬けしてオーブンで焼いて。ニラと香菜と唐辛子で炒めてあります。
小魚は塩気は強いですが、噛み締めるごとに特有の旨みがでてきます。ニラや香菜との相性も抜群で、ビールが欲しくなりますね。
沱江小蝦(沱江小エビとレタスの香り炒め)
沱江の小海老は塩漬けにしてあります。
小エビは揚げて、レタスと生姜と唐辛子でさっと炒めて。
さっぱりとしながらも、小海老の旨みと塩気がいいです。
蜂蛹(ハチの子と生唐辛子炒め 土家族風)
日本ではなかなか食べれない高級珍味食材。もちろん中国でも内陸部で重要なたんぱく源として食べられる
貴重な食材です。クロスズメバチが主流ですがこれもそうかな?
成虫、蛹、幼虫を青唐辛子と赤唐辛子で炒めて。
成虫は見た目でびっくりする人が多いかもしれませんが、香ばしくぷちっと弾ける中に甘みがあります。
蛹は、柔らかい小海老のように中がぷりっとしていて、幼虫は揚げ米のようにサクサク。
唐辛子が多すぎなくらい入っていますが、現地で調達した唐辛子は辛いだけでなく旨みがあります。
土家族式 回鍋肉(発酵もろこし風味)
豚肉は、ニンニク、セロリ、発芽大豆と発酵トウモロコシを甜麺醤でさっと炒めて。
白ご飯が欲しくなるくらい食欲をそそります。
その旨さの秘密は発酵とうもろこし。
砕いたとうもろこしと唐辛子と塩を発酵させたものをペットボトルに入れて販売しているそうですが、気をつけて開けないと蓋を開けた瞬間爆発して飛び散るそうです。発酵の力って凄いな。
大頭菜・きくらげ・エビ 田舎風
大頭菜の漬物、木耳、海老を、生姜と葱と唐辛子で炒めて。
大頭菜とは、コールラビのことだそうです。細かく刻んで塩漬け発酵させた、しゃきしゃきした食感と高菜のような香りにほのかな酸味がアクセントになります。
この大頭菜は、孔明菜とも言われ、その昔、諸葛孔明が山で見つけた大きく丸い大根のような野菜が美味しいので畑に植えたことから始まるそうです。生のまま食べても苦くも渋くもなくクセがないけれど、干してから塩で漬けて発酵させるとその爽やかな香りと味わいが良い保存食になり、育ち安さを兼ねているので、近所の百姓などにその植え方や漬け方を教えて、襄陽南部一帯に広がっていったそうです。
諸葛孔明が後漢の末期劉備軍に加わった時にも、兵士たちの味気ない食事に野菜が足りないことを案じて、この漬物を、軍中の食事のおかずにしたところ、兵士たちにも広く好まれたそうです。
そうした歴史の後、今でも家庭でポピュラーな漬物として食されているのだそうです。
湖南式腊八豆入り玉子焼き
湖南省の発酵大豆と唐辛子が入った玉子焼きです。香菜をのせて。
納豆になる手前くらいのほくほくした大豆の甘みと香りがいいですね。
鴨血巴(カモの血もち米豆腐煮込み)
鴨の血ともち米を固めたものと豆腐をラッキョウと唐辛子の漬物などと煮込んだものに、唐辛子と葱をのせて。
豚の血ともち米を固めたものは食べたことがありましたが、鴨の血のものは初めて食べました。豚よりクセが無く美味しいです。これも白ご飯が欲しくなる一品。
らっきょうと唐辛子の漬物はこれだけ食べてもご飯のおかずになりそうです。
拌麺
発酵唐辛子と青葱、白葱、搾菜も入っていたかな?シンプルな和えそばです。
茹で汁と香味だれと胡麻油と共に器の中で混ぜ合わせて。
角太麺にそれぞれが合わさった麺は、しこしことした食感と共に、唐辛子の辛さと旨みの融合。
いやぁウマイの一言。後で、残っていた鴨血豆腐のスープの残りをかけ混ぜたら、これまた美味でした。
水果(生なつめ苗族のハチミツ風味)
なつめは日本では干したものしか食べたことがなかったので、生は初めて。そして、今が旬だそうです。
アカシアのハチミツが添えられています。
あらかじめ硬い皮は取ってあるのでそのままかじります。
偶然にもネイルとカラーがリンクしちゃいました。
がりっとかじると中はリンゴのようなさくさくした食感。蜂蜜がいらないくらい完熟で甘くて、フランスで食べたミラベルを思い出しました。
古くから漢方食材でも重要視されるなつめは「一日食三棗、終生不顕老(なつめを一日3個食べると老いない)」と言われるくらいミネラルやビタミンなどが豊富な果実です。これが毎日食べれたらいいですね。
あとで、ぐぐったら、無農薬、無肥料で完熟栽培している日本の農園を見つけたので、お取り寄せしてみようかなっと。
またまた、珍しい食材で刺激的なお料理を堪能しました。
「蓮香」
東京都港区白金4−1−7
03−5422−7373
2日前まで仕入れのために湖南省に行っていたというシェフ。
帰ってきたばかりだからこそ頂ける食材を楽しみにしていました。
お決まりのカウンター席に座ると、塩漬けの干し魚がぶらさがっています。
これも仕入れてきた魚なのでしょうね。今回のお料理には出てこないそうです。
メニューは奥様が書いてくれたそうで、マニアックな料理がいろいろ並んでいます。
蜂の子なんかもあり、わくわくしてきました。
ワインは、アルザスのピノブラン。チェイサーにビールやレモンサワーも飲みました。
前菜盛り合わせ
前菜は4種でてきました。
醤油漬けパパイヤと細切り豆腐
醤油と唐辛子で漬けたパパイヤは、細切りの押豆腐と葱で和えて。
こりっとした食感と共にじわっと辛さと塩気が出てきます。押豆腐と合わせるとちょうどいい塩梅です。
苗族(ミャオ族)式大根の漬物
甘酸っぱく辛い大根の漬物は、カクテキのようですがもっと甘酸っぱさが際立っています。
苦瓜の手作りみそ和え
苦瓜(ゴーヤ)に和えてある味噌は露店で買ってきたものだそうですが、甘みとコクがあり、ひまわりの種や白胡麻と合わせて苦瓜のクセをやわらげています。
湖南式腸詰
湖南省の腸詰は脂身が多いので、酸っぱく安い辛子マスタードが合うそうです。
黄色すぎるくらいのマスタードですが、確かに辛みよりも酸味が強く、腸詰の脂やクセを切ってくれます。
現地の味わいを再現してくれました。
沱江小魚(沱江小魚と香味野菜のスパイス炒め)
小魚は小さなイシモチのような魚だそうです。現地では揚げてから干すそうですが、こちらでは塩漬けしてオーブンで焼いて。ニラと香菜と唐辛子で炒めてあります。
小魚は塩気は強いですが、噛み締めるごとに特有の旨みがでてきます。ニラや香菜との相性も抜群で、ビールが欲しくなりますね。
沱江小蝦(沱江小エビとレタスの香り炒め)
沱江の小海老は塩漬けにしてあります。
小エビは揚げて、レタスと生姜と唐辛子でさっと炒めて。
さっぱりとしながらも、小海老の旨みと塩気がいいです。
蜂蛹(ハチの子と生唐辛子炒め 土家族風)
日本ではなかなか食べれない高級珍味食材。もちろん中国でも内陸部で重要なたんぱく源として食べられる
貴重な食材です。クロスズメバチが主流ですがこれもそうかな?
成虫、蛹、幼虫を青唐辛子と赤唐辛子で炒めて。
成虫は見た目でびっくりする人が多いかもしれませんが、香ばしくぷちっと弾ける中に甘みがあります。
蛹は、柔らかい小海老のように中がぷりっとしていて、幼虫は揚げ米のようにサクサク。
唐辛子が多すぎなくらい入っていますが、現地で調達した唐辛子は辛いだけでなく旨みがあります。
土家族式 回鍋肉(発酵もろこし風味)
豚肉は、ニンニク、セロリ、発芽大豆と発酵トウモロコシを甜麺醤でさっと炒めて。
白ご飯が欲しくなるくらい食欲をそそります。
その旨さの秘密は発酵とうもろこし。
砕いたとうもろこしと唐辛子と塩を発酵させたものをペットボトルに入れて販売しているそうですが、気をつけて開けないと蓋を開けた瞬間爆発して飛び散るそうです。発酵の力って凄いな。
大頭菜・きくらげ・エビ 田舎風
大頭菜の漬物、木耳、海老を、生姜と葱と唐辛子で炒めて。
大頭菜とは、コールラビのことだそうです。細かく刻んで塩漬け発酵させた、しゃきしゃきした食感と高菜のような香りにほのかな酸味がアクセントになります。
この大頭菜は、孔明菜とも言われ、その昔、諸葛孔明が山で見つけた大きく丸い大根のような野菜が美味しいので畑に植えたことから始まるそうです。生のまま食べても苦くも渋くもなくクセがないけれど、干してから塩で漬けて発酵させるとその爽やかな香りと味わいが良い保存食になり、育ち安さを兼ねているので、近所の百姓などにその植え方や漬け方を教えて、襄陽南部一帯に広がっていったそうです。
諸葛孔明が後漢の末期劉備軍に加わった時にも、兵士たちの味気ない食事に野菜が足りないことを案じて、この漬物を、軍中の食事のおかずにしたところ、兵士たちにも広く好まれたそうです。
そうした歴史の後、今でも家庭でポピュラーな漬物として食されているのだそうです。
湖南式腊八豆入り玉子焼き
湖南省の発酵大豆と唐辛子が入った玉子焼きです。香菜をのせて。
納豆になる手前くらいのほくほくした大豆の甘みと香りがいいですね。
鴨血巴(カモの血もち米豆腐煮込み)
鴨の血ともち米を固めたものと豆腐をラッキョウと唐辛子の漬物などと煮込んだものに、唐辛子と葱をのせて。
豚の血ともち米を固めたものは食べたことがありましたが、鴨の血のものは初めて食べました。豚よりクセが無く美味しいです。これも白ご飯が欲しくなる一品。
らっきょうと唐辛子の漬物はこれだけ食べてもご飯のおかずになりそうです。
拌麺
発酵唐辛子と青葱、白葱、搾菜も入っていたかな?シンプルな和えそばです。
茹で汁と香味だれと胡麻油と共に器の中で混ぜ合わせて。
角太麺にそれぞれが合わさった麺は、しこしことした食感と共に、唐辛子の辛さと旨みの融合。
いやぁウマイの一言。後で、残っていた鴨血豆腐のスープの残りをかけ混ぜたら、これまた美味でした。
水果(生なつめ苗族のハチミツ風味)
なつめは日本では干したものしか食べたことがなかったので、生は初めて。そして、今が旬だそうです。
アカシアのハチミツが添えられています。
あらかじめ硬い皮は取ってあるのでそのままかじります。
偶然にもネイルとカラーがリンクしちゃいました。
がりっとかじると中はリンゴのようなさくさくした食感。蜂蜜がいらないくらい完熟で甘くて、フランスで食べたミラベルを思い出しました。
古くから漢方食材でも重要視されるなつめは「一日食三棗、終生不顕老(なつめを一日3個食べると老いない)」と言われるくらいミネラルやビタミンなどが豊富な果実です。これが毎日食べれたらいいですね。
あとで、ぐぐったら、無農薬、無肥料で完熟栽培している日本の農園を見つけたので、お取り寄せしてみようかなっと。
またまた、珍しい食材で刺激的なお料理を堪能しました。
「蓮香」
東京都港区白金4−1−7
03−5422−7373