March 02, 2017

リストランテ・エッフェ@銀座

「リストランテ・エッフェ」に行きました。
1年振りくらいの訪問です。

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アラカルトで頂くことが多かったので、久しぶりのコース料理です。
イタリア語で書かれたメニューを解読するのも食前の楽しみなんです。
解読しても出てくる料理は想像以上に奥深く、その工程も細かいのですが。

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食前酒は、マダガスカル産のバニラビーンズを煮詰めたものが入ったレモンチェッロをスプマンテのカデルボスコで割ったカクテル。
レモンチェッロの甘みの後に優しいバニラの香りがふんわりと。アルコール度数は強いのですが、それぞれ単体で飲むよりもすっきりとした飲み口でスポーツドリンクのようにごくごく飲めちゃうのが危険です(笑)

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2種の茸と3種の豆のラグーのクロスタータ  

生地はイタリアの薄力粉と強力粉を半々に使い、オリーブオイルを含ませて薄く伸ばして焼いたパイ包み。
上には、カステルマーニョという山羊と牛のミルクのチーズをすりおろしてバーナーで焼いてあります。

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中には、プーリアのカルドンチェッロという茸とシャンピニオンパリというフランスのマッシュルームをパンチェッタとニンニクとチーズで炒めたものをクロッカンテ。ひよこ豆、トスカーナの小粒の白インゲン豆は生ハムフォアグラと一緒に茹でて、緑レンズ豆はパンチェッタとトマトで炒めたものを煮込んで。これらを生地に詰めてオーブン焼きに。
ソースは茹でこぼしたにんにくとエシャロットの薄切りとイタリアンパセリ、トウモロコシの粉を合わせたサルサベルデ。茸と豆を煮詰めた香りがしっとりとしたパイ生地となじみ、カクテルのほんのりバニラの香りがここでより芳醇になります。

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Dolcetto D'Alba 2010 Rivella Serafino

優しい酸味と甘みのドルチェット、タンニンもなめらかです。

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ほろほろ鳥の内臓のローストと牛肉のタルタル

ほろほろ鳥の心臓と砂肝、レバーは、玉葱やケイパーと一緒にそれぞれ火入れを変えてあります。
砂肝は蓋を開けて焼きながら火を入れていきます。心臓やレバーは、蒸さずにトマトを散らして、オーブンでローストしながら煮込んでいく感じ。ほろほろ鳥の砂肝はジューシーで、ハツやレバーはトマトの旨みを含みしっとりと。驚く火入れです。
北海道の牛背肉は、根セロリとニンニクと赤粒胡椒で焼いて角切りのタルタルに。
添えてあるパンは、片面バーナーで炙り、裏は蒸す感じでしっとりと。
パンにのせて頂くとピスタチオのナッティな香りと脂身が牛肉の旨みと共に浸透する感じ。

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パーネ・カラザウ

サルディーニャの伝統的な薄焼きパン。
塩とオリーブオイルにローズマリーの香りの香ばしいパリパリ感。
そのままでもワインのおつまみになりますし、この後出てくるスープ料理に浸しても美味しいんです。

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Betulle Ribolla Gialla 2014 Friuli Collli Oriental

しっかりとしたミネラル感と心地よい酸味。ハーブや蜂蜜のニュアンスもあります。

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ジャガイモと魚介のズッパ

テリニア海の赤海老は片面焼いて、フランスのアンコウはマルミット(筒切り)にして焼いて。
茹でこぼしたニンニクやエシャロットと香味野菜のスープに薄切りにしたジャガイモやサフランを加えて煮込みミキサーで漉して。サフランがしっかり効いたズッパ。しっかり塩を打ったアンコウの焼き加減や片面焼いた赤海老からも旨みがスープに浸み出し、サフランとオリーブオイルの香りが、その魚介の匂いにベールをかける。
これも小林シェフの技ですね。

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Banino Giovane 2012 San Colmbano

深い赤紫色のワインは、少し微発泡しています。ロンバルディアのバルベーラ、クロアティーノ、コロンバーノなどの黒ブドウ主体。微発泡の酸と甘みの中に、煙草のようなスモーキーさ。コーヒーやカカオのようなタンニン。
焦がし小麦のパスタのニュアンスで。

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豚肉のラグーと焦がし小麦のタリアテッレ プッタネスカ風

イタリアの仔豚の角煮のラグーに加熱しないプッタネスカのソースと焦がし小麦のタリアテッレ。
そこに熟成チーズをのせてバーナーで焼き、チーズの香りと共に。
その昔、プーリアなど南イタリアでは小麦を刈った後、翌年の稲作の為に畑を焼き切っていました。畑焼きの後に残された灰だらけの小麦は、殻の部分は焼けてしまいながらも、中身は燻されて、その一粒一粒を拾い集めて挽き小麦にするとパンやパスタにしても白い小麦より風味があって味わい深かった。また、税金対策の為に、わざと納屋を家事にして、後から焦げた小麦を拾って食べたなどの説。(プーリアではこれを使ったパスタはジェノベーゼで食べられるのが一般的。)
そんな背景があり、昔は貧しい人々の食べ物が今はわざわざ小麦を燻して提供される高級食材になったのです。
プッタネスカも娼婦風と言われ、「昼も多忙な娼婦がトマトやオリーブなど安く入手できる食材で手早く作っていたから」という説や「忙しい娼婦が精をつけるために食べていたから」など諸説あるようですが、もともとの語源は、「得体のしれないもの、主体性のないもの」だそうです。黒オリーブやケイパー、アンチョビなどそれだけでは主素材にならないものを混ぜ合わせたもの。それらをたいして加熱もしないでぱぱっと作ったもの。それが、後付けで娼婦風のストーリーができたようです。
まあ、小林シェフのパスタは、一般的にでてくるものとは見た目も味もアレンジも違います。
イタリアの仔豚の皮付き骨付きの足肉をストゥファートし、骨から外して角切りに。ケイパー、アンチョビ、黒オリーブ、にんにく、トマトのプッタネスカソースは、火を加えずに茹でたパスタと和え、この上に豚の角切りと熟成した羊のチーズをのせて、バーナーで焼き溶かしたものを混ぜながら食べると、酸味や旨み、脂のコク、スモーキーな香りなどが合わさりながら、得体のしれない想像以上に美味しいパスタが出来上がるわけです。

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Valpolicella Speriore Ripasso  2011 La Traversagna  Monte Fastino

フルーティで甘みのあるベネトの赤ワイン。
肉の脂の香りと一緒に頂くと甘さの後に渋みが脂をすっきりと切ってくれます。

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豚バラ肉のローストと煮込み

左の焼いてある肉は、スペイン豚のセグレタ(秘密)という名のバラ先の部分。豚バラの中でも一頭の中で少量しか取れない部分だそうです。それを塩とオリーブオイルをすりこんでから焼かずにオープンに入れ、ミルト酒(蜂蜜酒)をかけながら、加熱していくそうです。
右は、沖縄のロイヤルポークの煮込み。柵状に切ったバラ肉を野菜のスープ、オリーブオイル、塩漬けケイパー、アンチョビ、ミルト酒を加えながら、だんだん鍋を小さくしていって煮込んでいくそうです。
野生のルッコラには、シェリービネガーとトスカーナのオリーブオイルと洗った岩塩で仕上げたサラダ。
それぞれのお肉の間に交互に食べると、ルコラの甘苦さが肉の旨みや脂をリセットさせてくれます。こういう付け合せの野菜一つにも意味があるんです。

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断面を見ると、ばら肉と言っても、重力にしたがって脂と赤身が分かれ脂が沈んでいくのですが、このセグレタの部分は赤身肉の繊維の中に脂肪細胞が混ざりあって全体的に脂を含んだ密質でしゃきっと弾力がある歯ごたえ。その中にしっとりとした繊維とジューシーな旨み。脂はしっかりあるのですが、肉汁的にじゅわっと出てきて甘いエキス。こんな美味しいバラの部分は初めて食べました。そして、ワインとのマリアージュ。

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Bassano del  Grappa  Riserva Nardini  

ナルディーニ社のバッサーノ・デル・グラッパとモナスティエにある二つの蒸留所で出来上がったものをブレンドしたグラッパ。きりっと冷やしてあるので、グラッパ特有のピリリとしたアルコール感がなく、ソフトな甘さとまろやかなオーク樽の熟成香。ここでなぜグラッパが作られるようになったかという由来やそこで作られるホワイトアスパラガスが美味しいというお話も面白かったです。

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パイナップルのカルパッチョ

パイナップルを薄切りにして、ペルノーとういきょうの種でマリネしたものにほろほろ鳥の卵で作ったココナッツ風味のアイスクリーム。後半はグラッパを少しかけて、その香りも合わせて楽しみました。

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カプチーノ

クリーミーな泡立ちのカプチーノ。
これにもグラッパ入れて飲んじゃいました。

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その後に聞かせて頂いた豚とサルシッチャ、生ハムのお話。
貴重なお話は大変勉強になりました。小林幸司シェフありがとうございました。


「リストランテ・エッフェ」

東京都中央区銀座2−4−6 銀座Velvia館 8F

03−6228−6206



ranmarun at 19:30│Comments(0)TrackBack(0) イタリアン 

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