April 30, 2017

Takumi@西麻布

「Takumi」に行きました。
今年2月1日にオープンしたフレンチレストランです。
シェフの大槻卓伺さんは大阪出身28歳とお若いですが、小さい頃から料理が好きで料理人になる事をめざしていたそうです。神戸大学を卒業してから渡仏。フランスでは、パリ、リヨン、マルセイユのレストランで3年間修業し、日本では料理人でなくサービスの仕事を少し経てから、開業しました。

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白とグレーを基調とした店内は、テーブル18席、個室4席。

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まずは、シャンパンで、ブルーノ・パイヤールを頂きました。
ソムリエの方は、大阪の北新地のワインバーにいたそうです。長身でイケメン。落ち着いた雰囲気の方です。

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お料理は、ランチのコース 6500円。
前菜3皿、魚料理1皿、肉料理1皿、チーズ料理1皿、デザート11皿、食後の飲み物。
デザート11皿に驚きましたが、後の楽しみにしておきましょう。

Takumiのコンセプトは「組み合わせの妙を正確に理解し、楽しめるレストラン」
なんとなく美味しそう、おしゃれっぽい・・・そんな曖昧な印象だけで料理を捉え、コース料理を食べ終えた時には、すでにコース序盤の料理の印象が薄れている。
そのような事のないよう、Takumiでは料理の内容やシェフの意図を出来るだけ正確にお客様に伝えていこうと考えているそうです。

なので、料理が出てくる前にまず、その料理に使うスパイスやハーブ、リキュール、食材などが出てきます。
左から、.薀でパン▲譽侫ールディル

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共に、料理の内容が書かれたカードが一皿ごとにでてきます。
これを読みながら、瓶に入っているスパイスやハーブの香りを楽しんだりして、イメージを膨らませます。
そして、テーブルに料理が出されても口頭での説明はありません。
このカードを再び読みながら、素材や調理法、シェフが伝えたかったメッセージを自分の中で消化しながら味わっていく。新しいスタイルのプレゼンテーションですね。

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前菜1皿目は、
長ねぎのポタージュ、ライ麦パンのフレンチトースト、うるめいわしのオイル漬け、レフォールとクリームチーズ、ポテトチップス、フライドオニオン、フライドニンニクの粉、ディル

北欧料理のイメージから派生したのだそうです。北欧ではオープンサンドが名物で、ニシンの酢漬けとオニオン、ケッパーに黒パンは鉄板の組み合わせですね。丸ごと茹でたじゃがいもも必ず出てきます。
ライ麦パンはドイツ産の酸味や風味豊かなものを選び、これを日本人の口に合うようフレンチトーストにして、マイルドな形にしようと思ったそうですが、密でしっかりとした食感だったので、パンと卵液を一緒にミキサーで回し、蒸した後こんがり焼き上げてあります。
日本では生のニシンは手に入りにくいですから、イワシを使います。イワシも一本釣りのものを生のままオリーブオイルに漬けてねっとりとした食感に仕上げて、ディルをのせて。
長葱の甘くクリーミーなポタージュには、ポテトチップス、フライドオニオン、フライドガーリックをクルトンのようにまわりに添えてあります。あえて言うとケッパーなどの酸味もピュレにして添えたりすると、よりイワシやポタージュが引き締まり北欧っぽさがでたかもしれません。でも、Takumi風のガストロオープンサンドの再構築に最初からノックアウトでした。

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次のお皿への、.船腑螢宗辞▲離錺ぁ室鬮トマトの粉
ノワイー酒は白ワインにハーブやスパイスの香りを移した混成酒。いわゆるベルモットですね。

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カードを読みながら待ちますが、シェフの料理は文脈からでは想像できないほど洗練されていました。

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帆立のポワレ、ノワイー酒風味のホタテのソース、春菊とチョリソー、黒オリーブとトマトのパイ

黒オリーブのピュレをうずまき状に練りこんで薄焼きにしたパイに、トマトのパウダー。そのコントラストが見事です。
そして、帆立は表面を焼き付けレアな食感ながらも、貝柱の繊維感をしっかりと感じる火入れが素晴らしいです。ヒモなどで煮詰めた帆立のダシとクリームにノイリー酒の香りを引き立たせたソース。チョリソーと春菊が添えてありますが、チョリソーのクセを春菊の苦みが消してくれて、天才的な塩梅。

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Puligny Montrachet 2013 Sylvain Loichet

柑橘の爽やかな香りと綺麗な透明感にミネラル。芯がしっかりとしていながらエレガントな果実味。

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パンは2種類。
ホイップバターにフランスゲラルド塩とスペイン塩が添えてありました。

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‐麦胚芽▲轡Д蝓室鬟咼優ー

小麦胚芽とは、小麦の粒を構成する一部で成長すると芽になる部分。
小麦粒の約2%しかなく、ミネラル・ビタミンを豊富に含む健康食品です。

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その小麦胚芽に牛乳を加えたもの。
オートミールのような香ばしく甘くて懐かしい味わい。シェフの家では小さい頃から朝食の定番だったそうです。

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前菜3皿目は、その小麦胚芽を使ったリゾットのようです。

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小麦胚芽とマッシュルームのリゾット、フォアグラのフランで和えた山菜、鴨肉のそぼろ仕立て シェリービネガー風味

セリや蕗など苦みのある山菜を胡麻和えして、フォアグラのフランと和えて。
フォアグラには鴨ということで、鴨の挽肉をそぼろ状に煮込み、濃縮した甘酸っぱいシェリー酒ビネガーをかけて。それらを小麦胚芽とマッシュルームのリゾットに混ぜ合わせながら食べると、鴨雑炊のように優しい美味しさです。

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_ワイン▲團鵐ペッパー

黄ワインは、ソーテルヌのような甘い香り。
大樽で熟成させ、ワインの表面に酵母の膜を張らせ6年以上熟成させます。
この酵母がワインにクルミやアーモンドのようなナッティな香りを与えます。

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次はお魚料理です。

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サゴシのクルミチーズ焼き、ほうれん草と生ハムのソース、ピンクペッパー

サゴシは若いサワラ。胡桃とチーズを混ぜて薄くのばした生地をのせて焼き上げてあります。
身の火入れも完璧で、ほうれん草と生ハムのクリームソースの美味いこと、しっかりとした味わいなのに後味はは軽く、ピンクペッパーもクリーミーなソースのアクセントになっています。

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々ニンニク▲蹇璽坤泪蝓辞ケッパーぅ僖廛螢

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次は肉料理です。

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仔羊のハンバーグ、黒ニンニクのピューレ、ローズマリーとケッパー、仔羊から取った出汁のソース、ローズマリーで燻製したジャガイモ、パプリカとヨーグルトのソース

仔羊は、うま味の強い肩肉の部位をミンチにして、ハンバーグ仕立てに。
上には黒ニンニクのピューレをのせて、カリカリに仕上げたローズマリーとケッパーがのっています。
弾力のある肉質のハンバーグから肉汁がじゅわりと溢れるように仔羊のジュを添え、黒ニンニクの熟成した風味やローズマリーなどが、仔羊の味わいをマイルドにしてくれます。
付け合せのジャガイモは、ローズマリーの燻香をつけてあり、パプリカとヨーグルトのソースを添えて。

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Nuits Saint Georges 2011 Vielles Vignes Domaine Robert Chevillon

古木のピノノワールがもたらす濃密さが緻密さがありながらも、すっきりとした品のいいタンニン。
仔羊やその後のフロマージュにも軽やかさを加えてくれます。

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.襯奪灰薛⇒咾離繊璽此淵ッソーイラティー)

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次は、チーズ料理です。

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ルッコラのソルベ、羊のチーズを使った軽いムース

オッソーイラティーは、フランスとスペインの国境付近のバスク地方で作られる羊のハードチーズ。
シェーヴル(山羊のチーズ)ほどくせがなく、ミルキーでナッティな香りが特徴です。
ムースは生クリームでなく、牛乳にゼラチンを加えて泡立てることでさっぱりと仕上げ、ルッコラのソルベと薄切りにしたチーズをのせて。ルッコラの青々とした苦味やゴマのような香りが、アバンデセールのようにムースにほんのり甘みを加えてくれます。

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そして、デセールへと。
ここには、8種類のハーブやスパイスなどの食材がでてきました。
.肇鵐豆▲凜Д襯凜А璽稔ルバーブぅモミール

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ゥ譽哀螢広ΕルダモンД丱薛┘淵張瓮筌靴亮
レグリスって何だろうと思ったら、カンゾウのことで、フランスではグミや飴だどに使用されるリコリスともいいますね。その他のハーブやスパイスも聞いたことがあっても実際の形は見たことがない、香りは嗅いだことがないという方にもわかりやすく実感できるのが嬉しいですね。

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そして、それらを使ったデセールが11品でてくるそうです。
「ようやく折り返し地点です。お腹の余裕はまだありますか?」と書かれていますが、今までの料理はとても軽いので私のお腹も大丈夫です^^

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そして、出てきました、11品。
ジグソーパズルのようなお皿に盛り付けた小さなデセール6種とグラスの5種。
コンセプトは、ケーキ屋さんで大人買いだそうです(笑)
定番のデザートに少しアレンジを加えたものを少しづつ楽しんでくださいと。
そして、これらの構想はシェフが考え、パテシエが作っているそうです。
甘いもの好きな方には、嬉しいラインナップですね。
どの皿をどの順番で食べるかは個人の好みですが、レイアウトの番号順に紹介します。
スパイスの番号はレイアウトの番号とは異なります。

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クロワッサンとメープルシロップのフレンチトースト、オレンジのソース、カルダモン風味の粉糖

本来のフレンチトーストは卵液をパンに浸みこませて焼きますが、今回はクロワッサンを使用するので、形を整えるために、卵液とクロワッサンを一緒にミキサーにかけ蒸し上げたものを表面香ばしく焼いた分解と再構築。
カルダモン風味の粉糖の甘い香りとオレンジマーマレードの酸味をアクセントに。

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ガトーショコラ、ドライアプリコットのコンポート、レグリスのアイスクリーム、カシューナッツのチュイル

レグリスはマメ科の植物の根を乾燥させた甘草。ほろ苦いガトーショコラとドライアプリコットの甘みと共に、レグリスのアイスクリームがじんわりと溶けていく優しい甘み。カシューナッツの香ばしさと共に。

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ブラウンシュガーの薄いクッキー、レモンクリーム、ホワイトラム酒のマシュマロ、レモンの皮のコンフィ

レモンタルトの再構築。クッキー生地にブラウンシュガーを加えた薄い生地をうずまき状に丸めて焼き、中にレモンクリームを詰め、ホワイトラム酒風味のギモーブとレモンのコンフィをのせて。ぱりっとした食感とレモンの香りをふんわりしたラムの香るギモーブと共に一口で楽しみます。

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イチゴのマリネ、カモミール風味のカスタードクリーム、キャラメリゼしたパイ生地

苺のミルフィーユです。イチゴはフレッシュのままマリネして、薄く焼いたパイ生地の間にカモミール風味のカスタードクリームをはさみ、一番上のパイ生地はキャラメルコーティングしてあります。

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モンブラン、ヴェルヴェーヌ風味のクリーム、ダコワーズ、ルバーブのコンフィ

栗のピュレをのせたモンブランの中は、白いメレンゲでなくアーモンドの粉を加えたメレンゲのダコワーズ。
ヴェルヴェーヌの香るクリームとルバーブの酸味が甘さをすっきりとさせてくれます。

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トンカ豆風味のミルクレープ、チョコレート

トンカ豆は瓶で粒を嗅いだ時には杏仁のような甘くエキゾチックな香り。
トンカ豆の木は3年に一度しか実を付けず、その実の中には一粒のトンカ豆しか入っていないので、貴重なスパイスだそうです。クレープ生地で包んだクリームにそのトンカ豆を練りこみ、砕いたものも振りかけ、相性のいいチョコレートを添えて。

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白ワインの炭酸ジュレ、ホワイトチョコレートのムース、ラズベリーのピューレ

ホワイトチョコレートのムースに、ラズベリーのピュレの酸味。上には白ワインに蜂蜜の甘さを加え炭酸ガスを注入したシャンパンジュレのような泡。

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スパイス風味のプリン、赤ワインと蜂蜜のソース、黒イチジクの赤ワイン煮

フランスではポピュラーなホットワインをイメージしているそうです。
クローブやシナモンを加えたフランに、赤ワインと蜂蜜の甘酸っぱいソース。
この辺は甘いものが苦手でも、お酒好きなら楽しめると思います。

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青りんごのジュース、キウイフルーツ、キルッシュの泡

青りんごキウイの爽やかさに、キルッシュ(チェリーのリキュール)のコク。
デセールの間のお口直しにどうぞと。

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ブラマンジェ、バラのソース、アーモンドクッキー

シェフが大学時代初めてオリジナル料理として作ったのが、この薔薇のソース。
シンプルなブラマンジェに華やかな香る薔薇のソースは、花の都パリを旅行して思いついたそうです。
アーモンドクッキーのナッツの香りとエレガントな薔薇の香り。
私もこの時期パリの郊外で咲き乱れていた薔薇の庭園の香りを思い出しました。
パリからは離れているけれど、ジヴェルニーの薔薇の庭も見事だったな・・・

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クルミのおしるこ、マンゴーのソルベ

クルミのおしるこには、クルミ・ナツメヤシの実、牛乳、砂糖で炊いたお米が入っています。
マンゴーのトロピカルな風味と共に。甘い物にはそんなに思い入れがないのですが、どれも一口サイズで、楽しむことができました。

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食後の飲み物は、コーヒー、紅茶、カモミールティー、ルイボスティーなどから選べます。
私は紅茶を頂きました。シンブリ茶園のダージリン、オータムナルです。

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シェフの料理は、とにかく一皿一皿が繊細でキレッキレ。モダンフレンチの中で遊び心もありながらも、そこでどういう素材を使い、どう味わってほしいか、口頭での説明はあえてせずにカードや目の前に置かれた食材を熟考しながら食べ進み、あれっと思ってその香りを確認したりしながらも、全ては計算された料理。
まだ一度しか訪問していないので、多くは語れないし自分にはそんな語彙もないけれど、再訪を決めシェフの料理に対する本質的なものをもっと知りたくなりました。また通わなければならないレストランが増えちゃた。
今年の新店では一押しです。


「Takumi」

東京都港区西麻布1−11−10 ビルマーサ1F

03−6804−6468






ranmarun at 12:00│Comments(6)TrackBack(0) フレンチ 

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この記事へのコメント

1. Posted by Hi   May 13, 2017 17:46
お待ちしておりました ^^
いつにもまして説明が丁寧なのでしっかり伝わりましたよ〜!!
2. Posted by ロン   May 13, 2017 21:53
ありがとうございます。
まだ20代なのに、実力派でこれからが楽しみなので、定期的に通おうと思っています。
3. Posted by Hi   May 14, 2017 01:18
良いな〜と思いながら、ロンさんもお好きな昔、広尾にあっかイタリアンで食事をしてました ^^
4. Posted by ロン   May 15, 2017 00:37
アッカ大好きです。
春も瀬戸内の魚介満載なんでしょうね。
いいな〜♪
5. Posted by Hi!   May 15, 2017 01:10
このこナーラもありましたよ〜♪ ^ ^
6. Posted by ロン   May 15, 2017 21:38
このこナーラいいなー。
まだこの時期あるんですね。私は来年です。

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