味 らく山@京都晴山@三田

July 23, 2017

ティルプス@白金

「ティルプス」に行きました。
2年振りの訪問。今年の1月にシェフに就任した田村浩二さんになってからは、初訪問です。
田村さんは、六本木の「レストラン フウ」から「エディション・コウジ シモムラ」の立ち上げに。その後イタリアンの「メログラーノ」、表参道の「L'AS」を経て渡仏。南仏の「Mirazur」、パリの「Restaurant ES」で修業した後に帰国。2016年の夏から「ティルプス」のスーシェフ、今年1月からシェフに就任しました。

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エントランスには変わらず大きな白狼のオブジェがお出迎え。

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アミューズ

最初の一口は、自家製のリコッタチーズと高知のベルガモットのコンフィチュール、フィンガーライムと刻んだ三つ葉をのせたパフ。国産のベルガモットは栽培が難しいそうで、シェフが実際に高知のはるのTerraceという生産者まで訪ねて仕入れることができるようになったそうです。
爽やかなベルガモットの香りと共に、シャンパンを頂き、その甘苦い柑橘の広がる香りとフィンガーライムのほのかな酸味で味覚を覚醒させてくれます。

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続いて、玉葱のチュイルにアンチョビとコーヒー風味のクリーム、ブラックオリーブのパウダー。
ここで、さらにコーヒーやアンチョビの強い香りで嗅覚にも刺激を与えてくれる感じ。

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スイカ・ハイビスカス・ヤギのフロマージュ

山羊のフロマージュ・ブランには、スイカのダイスにラズベリーとハイビスカスのアイスクリーム。
クリーミーな酸のある山羊のフロマージュブランは、少しだけカンテサンスを思いだしますが、ラズベリーとハイビスカスのアイスクリームの酸味が加わり、スイカのみずみずしい甘みが夏らしいすっきりとした味わい。

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帆立・枝豆

帆立のポワレに、枝豆と豆苗。帆立のジュとパセリオイル。
表面を香ばしく焼目をつけた帆立に、豆の青味と食感がほくっと残る枝豆とパセリオイルの苦みでくっきりと。

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いか・百合根・蘇

細かく切れ目をいれてさっと火入れしたいかと百合根にいかすみとトマトのリゾット。いかすみのチュイル、いかすみとチーズのパウダー。
このパウダーは、牛乳をゆっくりと煮詰めていき、最後に残る液体をいかすみと一緒に1か月寝かせて作ったチーズ。日本古代のチーズの蘇の製法を参考にいかすみを練りこんでアレンジしたそうです。

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Novello  2015  Shobbrook Wines

これに合わせて赤ワインは南オーストラリアの自然派のワイン。
イタリア品種のネッビオーロ主体で、サンジョヴェーゼ・ピノノワールなどいろんな葡萄を使っています。
夜の糖度が高い時に摘んで作ったワインの上澄みだけを詰めるそう。

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すずき

すずきのポワレ。ズッキーニとトマトのソース。
小さな白瓜のローストやズッキーニを軽くピクルスにしたもの。おかひじきや海藻のチュイル。
ズッキーニとトマトのソースがあっさりと夏らしさを。

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Puy Redon Chardonnay 2015

ほんのりシェリーの香りですっきりとした酸。梨っぽいニュアンスもあります。

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松坂ポーク

松坂ポークのグリエは、ツルムラサキを添えて。
ヘーゼルナッツのパウダーにイタリア生サラミのソース。
きめ細かな肉質の松坂ポークの旨みをシンプルに食べさせてくれます。

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アバンデセール

シェリー酒のパンナコッタに、発酵させたキウイ、シャインマスカット、オゼイユのアイスクリームのパウダーをのせて。重なったグリーン色、オゼイユの酸味と苦みをアクセントにするのがいいですね。

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デセール

チョコレートのアイスクリームに、ガナッシュのパウダーと砕いたナッツ。

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プティフール

富士山カヌレは、巷で話題になっているティルプスの名物的な焼き菓子。
表面かりっと中はもちっとした食感のカヌレは、松本酒蔵の酒粕と黒木本店の焼酎を使い、優しい甘さと濃厚な旨味。頂はホワイトチョコレートで雪のようにコーティングし、酒粕のパウダーをかけて。あ、でも、黄色いパウダーがかかっているのでチーズパウダーのかかった富士山チーズカヌレだったのかな。蘇のパウダー?何も説明してくれなかったので、もう少し詳しく聞けばよかったな。
その横はラズベリーのシュークリーム。カプチーノと共に頂きました。

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田村シェフには、昨年のフロリレージュとESのコラボの時にお会いしましたが、彼の料理を食べたのは初めて。
まだ31歳とお若いのに鋭い感性で香りを大事にした、シンプルな構成のお料理に感動しました。
若いシェフは、たいていお皿の上の食材が多すぎたり、塩が強すぎたり、余分なものがのっていたりするのですが(若くなくてもそういうシェフは沢山いるけど)、一皿の食材をどういう風に食べさせたいかが明確で食べていてもストレスがない。添えた食材や香りもすーっとなじむように入っていきます。
つかんとやいろんなシェフとのコラボなど活動も様々で気になっていますが、それは遊びの部分でもあるので、また純粋に彼の料理を食べてみたいと思いました。


「ティルプス」

東京都港区白金台5−4−7 BARBIZON251F

03−5791−3101



ranmarun at 12:00│Comments(4) フレンチ 

この記事へのコメント

1. Posted by イップス   August 19, 2017 02:10
素人目線でよく書けています。
店側も参考になるでしょう。
2. Posted by ロン   August 19, 2017 19:02
ありがとうございます。
気ままに書き綴っているだけの、ど素人なのでご教授頂ければ幸いです。
3. Posted by ケロケロ   August 21, 2017 13:09
時々ですが拝見させていただいております。どんなコメントにもいつも丁寧に“サラッ’と返すロン様って、本当に素敵なオトナだと感心してしまいます。
4. Posted by ロン   August 22, 2017 01:24
いえいえ、恐縮です。
コメントを頂けるのは、私のブログをちゃんと読んでくださっているということですから、とてもありがたいですし励みになります。これからも日々精進していきたいと思います。

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