中華そば すずらん@恵比寿太月@青山

May 01, 2018

三輪亭@豪徳寺

「クッチーナ・チロレーゼ・三輪亭」に行きました。

豪徳寺の住宅街にある北イタリア南チロル地方料理の専門店です。南チロル地方はイタリアの最北端、トレンティーノ=アルト・アディジェ州の北部にあり、イタリアに5つある特別自治州の一つで、南チロルという名称は、Sudutirolの和訳。チロルというとスイスをイメージしがちですが、実際には、北チロルと東チロルはオーストリアの州で、スイスには存在しません。オーストリアがハプスブルグ家の全盛を誇った時代に、チロル州は、南北の交通要所であり、金鉱等で繁栄した1つの州でしたが、帝国が崩壊した1918年以降、南チロルはイタリア、北と東チロルはオーストリアとなりました。私は、10年前にオーストリアの北チロル地方に行ったことがありますが、南チロルにも同じようなオーストリア、ドイツ系の食の文化があります。
こちらの三輪学シェフは、南チロルのレストランで修業し、そこで伝統的に作られるハム作りの技術や地方料理などを学び、11年前に世田谷の豪徳寺にチロル料理のお店をオープンしました。お店のロゴは、南チロルの県章の赤鷲をイメージし、Per Famigileは家族のために。いつまでも変わらない家族で楽しんで頂きたいお店をつくりたかったそうです。

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お店の外観や中もアットホームな木造の雰囲気で、木製の冷蔵庫やセラーには、チロル地方のビールやワインなどが各種並んでいます。

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そしてセラーには、白カビをつけているハムの熟成庫も。

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まずは、自家製のサングリア。11周年記念ということでサービスで出してくださいました。

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お料理はおすすめのコースからパスタやメインディッシュをプリフィックスで選べるスタイルでオーダーしました。

人参のスープ

温かい人参のクリーミーなポタージュスープです。

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マレンデ

ハムやサラミ、チーズやピクルスなどの盛り合わせをmarende(マレンデ)といいます。私は、10年前にハンガリー、オーストリアの北や東チロル地方に行ったことがあり、こういう盛り合わせがよく出てきましたが、南チロルにもオーストリア、ドイツ・ハンガリー系の食の文化が合わさりながら、鹿や猪などのハムも食べるそうです。

ここでは、それらのハムを自家製で作っているのが素晴らしいのです。モルタデッラ、ビアシンケン、猪のハム、コッパ、フライシュケーゼは、鶏肉とキャベツ、いろんな肉とカレー風味の2種。猪のサラミ、肩ロース熟成コッパ、ブレザオラ(牛肉生ハム)、牛豚のサラミなど。添加物を加えていない塩分も優しい味わいがとても美味しくて感動します。

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付け合せの新鮮なお野菜のサラダやパンと共に頂きました。

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パン

パンももちろん自家製。白胡麻と練りこんだグリッシーニから、ライ麦やハーブを使ったいろんな種類のパンをスライスがあります。どれも美味しいですし、残ったものはお持ち帰りができます。
中でもシュテインブロットという乾パンのような平べったい硬いパンが下にあったのですが、その昔、オスマントルコ軍の戦時中の携帯食で、ウィーンを包囲した際の置き土産と言われているパンだそう。クミンが練り込んでありました。その時は硬くて食べなかったのですが、持ち帰ってから食べると柔らかくなっていたので、チーズと一緒に食べたり、残りのパンも一緒に家で常備している野菜やスープと合わせてチロルの伝統的なカネーデルリ(パン団子)を作って食べたらとても美味しかったです。

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パンにつけるのは、シュマルツという豚背脂のパテに玉葱を練りこんだものと、オーバツタという、ドイツバイエルン地方のバターとクリームチーズのスプレッドチーズにパプリカを練りこんだもの。

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フランス産ホワイトアスパラガス ポルツァーノ風卵ソース

茹でたホワイトアスパラガスに、ゆで卵を細かく刻んだヴィネガーソースにトリュフオイルを合わせたソース。

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シュフヌーデン 兎のラグー

ジャガイモを練りこんだ生地を手のひらでくるりと丸めたSchupfnudeln(シュフヌーデルン)というパスタをフランス産のウサギとトマトやケイパー、香味野菜のラグーで煮詰めて。パスタは見た目はトロフィエにも似ていますが、もっちりと柔らかく茹でて、ラグーと煮込み合わせる感じで、旨味が浸透しています。

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エストラゴンのスペッツレ イタリア産アンズ茸のソース和え プステリア渓谷風

スペッツェレは、オーストリアやドイツでは、肉料理などの付け合せに食べられるパスタですが、こちらではイタリアのアンズ茸(ジロール茸)と香味野菜を煮込んだのソースのパスタ料理に。エストラゴンを練りこんだ生地は、とろろのように柔らかい状態のものを、丸い穴がたくさんあるすりおろし器具のようなもので、沸騰したお湯の中に茹で落としていく感じで、波打って縮れた独特の食感。エストラゴンの苦みやジロールの旨みが合わさり、美味しいです。

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Alto Adige Valle Isarco Reasling 2016 Eisacktaler Cantina valle Isarso

ワインも、南チロルのアルト・アディジェ州のイザルコ渓谷で作られているものを飲みました。シャルドネとリースリング。リースリングの香りがとても良く、すっきりとした甘みが料理によく合います。

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メイン料理の魚と肉です。

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長野宮田村産ヤマメのシュニッツエル

長野宮田村で獲れた山女魚を骨身のまま柔らかくコンフィにしたもののカツレツは、トマトや玉葱などを刻んだビネガーソースをのせて。群馬のコシアブラや長野のグリーンアスパラガス、筍、じゃがいもやニンジンのフリットを添えて。チロル地方は海から離れているので、海の魚や貝類は食べませんが、小さな湖や川があるので、川かますなどは食べたことがあります。

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ティロラー・グロステル

豚肉と玉葱、じゃがいもをじっくり柔らかく煮込んだ洋風肉じゃがのような料理。あらかじめ、塩漬けして煮こごりにした塊肉をスライスし、玉葱とじゃがいもと煮込んだ中には、ほのかなマジョラムの香り。上にのせたポーチドエッグ風目玉焼きと一緒に混ぜながら食べます。素朴で懐かしいような味わいです。

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ワインは同じワイナリーのゲベルツトラミネール。

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チーズ盛り合わせ

チーズは、アルト・アディジェ州の熟成士ハンシ(Hansi Baumgartner)の手作りチーズが4種類でてきました。
手前から時計回りに、ミワ(ドイツ産の生乳で作ったハードチーズに日本産のワカメで表面を覆って熟成させた、日本では三輪亭にしかないオリジナルなチーズ)。
フィエノーゾ(樽の中で高山で採れた花や草などの干草と一緒に浸されたもの)。
ローズィー(オーストリア産のヤギ乳のチーズをモスカート・ローザの搾りかすで覆い熟成させたもので、ウブリアーコとも呼ばれます)。
カプラ(ヤギ乳のチーズに南チロルの伝統パンシュッテルブロットの粉末とリンゴの粉末を施して熟成したもの)。青トマトとレモンと唐辛子のジャムがアクセントになり、レーズンのパンと一緒に食べました。

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ドルチェは無しで、カプチーノと小菓子。
シェフは自家製チーズもいろいろ作り始めているそうで、それはまた楽しみです。

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南チロル料理に重視し、自家製のハム作りから、パスタ、郷土料理を現地の味わいで再現し、現地のチーズやビール、ワインまで、ここまでこだわっているお店は日本ではここだけではないでしょうか。手造りのハムやサラミなどは、絶品です。しかもリーズナブルなお値段。キッズメニューもあるので、お子様連れにも嬉しい心使い。Per Famigile家族のために、という普段使いの料理を作りながら、一方でマニアックなものも作っていて、また他のメニューを食べに行きたいです。


「三輪亭」

東京都世田谷区豪徳寺1-13-15 ツノダ第1ビル1F

03-3428-0522


ranmarun at 19:00│Comments(0) イタリアン 

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