ラ・クレリエール@白金蓮香@白金

May 31, 2018

フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ@軽井沢

「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」に行きました。

もともと一日一組だったお店をさらに常連の限定した客のみで不定休営業しているので、一般の予約は取ることができません。ブログは個人の備忘録的な記事なので、申し訳ないですがこれを見たと言っても予約はできないのでご了承ください。

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最初に、20年物のマルサラにシチリアのタロッコオレンジの皮を漬けて煮出したリキュールをカデルボスコで割ったスプマンテカクテル。爽やかなオレンジの香りとマルサラの甘みがスプマンテにすっきりとなじみ、初夏にふさわしい一杯。

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その日に食材と向かい合い組み立てるメニューのコンセプトは、乾いた梅雨だそうです。
この日は軽井沢は朝雨が降っていたようですが、窓から見える露に濡れた新緑が綺麗でした。

カエルとスコルツォーネ

フランス産の蛙は腿肉を骨付きのままチューリップ状にしたものと、ウンブリアのスコルツォーネという夏トリュフの厚切りをパン粉とくるみの衣で揚げて。36ヵ月パルミジャーノと新じゃが、ニンニク、エシャロットなどを茹でこぼして、ビワの花の蜂蜜と共にミキサーにかけたソースで。カリカリ感のある衣の中には、ふわっと柔らかな蛙の腿肉。豆のように可愛いふくらはぎの部分もあり、厚切りにして揚げたスコルツォーネの食感と共に。

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Blanc de Morgex et de la Salle 2014 Vallee d 'aostte

何度か頂いていますが、切れのよいプティブランの酸味とすっきりとした甘みです。

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アカエイとエスカルゴ  

長崎の赤エイは、小麦粉をつけて塩を振りながら焼き、フランスのエスカルゴは、黒オリーブとスープでオーブン煮して。エシャロットとアーモンドのスライスのサラダをのせて。エイよりは、黒オリーブの香りをまとったエスカルゴのころころとした食感がメインな感じで、エシャロットの酸味とアーモンドの食感。

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フィノッキオとストラッキーノのズッパ 仔牛の胸腺と雲丹

薄切りにしたニンニクとエシャロット、ウイキョウを炒めて、野菜のスープと一緒に煮込み、ストラッキーノという牛乳のクリームチーズを加えてミキサーで漉したスープ。
野生の月桂樹で香りをつけた後、ムニエルにしたリードヴォーと北海道の生雲丹をのせて。かけたオリーブオイルの香りやウニの塩気、チーズの酸味、ウイキョウの香りが合わさり、複雑なスープの中にリードヴォーのぷにっとした食感と甘みがとろけます。

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パンは胡桃を粗く刻んで練り込んであります。

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Barbera d'Alba 2015 Cardelli

チェリーの風味と熟した黒葡萄の果実味。穏やかなタンニンとふっくらした甘み。

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仔羊とフォアグラ

仏シストロン産の仔羊の腰に近い背肉は薄切りにして、じゃがいもの澱粉をつけて湯通しして。下には表面だけかりっと焼いたフォアグラを室温に戻して。その下には肉の骨でとったスープで茹でたポレンタをいったん冷やしてから片面だけ網で炙って。予熱で溶かした36ヵ月パルミジャーノ。
肉に粉をまぶして茹でるという調理法は珍しいけれども、年に2回くらいしかやらないそうです。
それぞれ重ねた素材をわざと室温に感じるようにコントロールし、フォアグラが自然に溶けていく脂を羊肉やポレンタが抱きこむようしにて、なじんでいきながらも、あえて粉をつけて茹でた仔羊のざらっとした食感が、フォアグラのつるんとした食感を強調する。全てが計算された一皿には感動します。

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仔牛の横隔膜とアスペルジュソバージュと新玉葱のタリオリーニ

ヴェネト・キオッチャの白玉葱は、皮ごとオーブンで焼いて中を取りだし、ホロホロ鳥の全卵と焼いて砕いた岩塩で練ったタリオリーニを包み込むようにのせてオーブンで加熱し、サフランとニンニクのソース。

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タリオリーニの中には、網焼きしたアスペルジュソパージュとイタリアの仔牛の横隔膜は塊のまま焼いてから細切りにして。これらを混ぜ合わせながら食べていくと、アスペルジュソバージュのしゃきしゃきした食感、噛み応えのあるハラミ肉や玉葱の甘くぬめりけのある食感とふわっと空気感のあるパスタが絡み合い、サフランの香りが初夏を連想させてくれます。

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Barbaresco Montestefano 2007 Rivella Serafino

ブラックベリーや黒オリーブ、ぬめし皮の香りなど、奥深い香りをグラスを回しながら飲んでくださいと。

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小鳩のインパデッラ カルチョフィとウブリアッコのストゥファート

鳩胸肉は塩とオリーブオイルでフライパンで強火で焼き、中の脂が溶けたところで火を止めて、休ませず薄切りにしてたそうですが、火入れのグラデーションが素晴らしい。腿肉はチューリップ状に裏返して筋に近い部分をしっかりと焼いて中はぷりっとした柔らかな食感。内臓は砂肝、心臓、レバーなどを塩を振りながらオリーブオイルでカリカリに炒めて、ムースロンという茸と麦のサラダ仕立てに。カルチョフィ・スピノーリとウブリアッコというアマローネの酒粕に漬けたチーズのストゥファートを添えて。プチドライトマトとピンクペッパーに野菜のスープを加えたソース。ソースにサラダ仕立ての内臓を混ぜて、胸肉にのせて食べてくださいと。

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パンはギリシャの小粒のレーズンをマルサラ酒に漬けたものを入れて。

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クラバンジーナとチポロットとキャビアのインサラータ

ロンバルディアのクラバンジーナという羊と牛の生乳に白カビをつけて作った円盤型の柔らかなチーズに、葉玉葱のローストとロンバルディアのオシェトラキャビアをのせて。薄塩のキャビアの旨みと香ばしい葉玉葱の香りがクリーミーなチーズの甘みやコクを引き出します。

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Bukkuram Passito di Pantelleria 2003

パンテレリア島のパッシート。かなり色濃い熟成感のある甘みです。

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メロンとミントのズッパ

メロンとミントのスープにピスタチオのジェラートとレモンの花の蜂蜜。

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小菓子

松の実のプラリネとけしの実のチョコレート。

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エスプレッソで。

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今回は、「乾いた梅雨」というのがテーマで、湿気を感じたり、晴れたりの繰り返しで、まだ夏には到達していない春と夏の狭間の時期に、カエルやエスカルゴなど梅雨の代名詞な食材から、リードヴォーやアスペルソバージュなど初夏の食材、メインは鳩へと。
食感のメリハリだったり、わざと温度を統一しながらも異なった質感からその融合感を感じたり、香りの出し方など細かなデティールが非常に繊細で、ワインとのマリアージュも素晴らしかったです。


「Fogliolina della Porta Fortuna」

野県北佐久郡軽井沢町長倉2147−689



ranmarun at 18:00│Comments(0) イタリアン 

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