晴山@三田セララバアド@代々木八幡

August 13, 2018

てんぷら 近藤@銀座

「てんぷら 近藤」に行きました。

こちらに伺うのは十五年ぶりですが、2回目。初めて行った時は、常連様のお誘いで月一回だけ開催されるオリーブオイルで揚げる天ぷらと日本酒の会ということでした。その頃、「深町」や今は無き「楽亭」ばかり通っていた私にはちょっと斬新過ぎて、オリーブオイルで揚げる天ぷらの意味が理解できずに、年月が経ってしまいました。その前に近藤さんの通常の胡麻油で揚げる天ぷらを食べていたら、またその違いがわかってよかったのかもしれませんが・・・

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そんなわけで、かなり久しぶりです。
まずは、ビール。
天ぷらに集中したいので、刺身や一品料理のない天ぷらだけのコースでお願いしました。

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車海老頭

活海老は、頭を香ばしく揚げます。カリっと揚がっているので、サクサクとビールに合う食感。
これが、もしゃもしゃと口に残る食感だとげんなりしてしまうのです。(そういう所が多い。)

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天つゆは鰹だしがほんのり利きながら、さっぱりとした味醂の甘さ。大根おろしにはおろし生姜が添えてあります。レモンと塩も用意されています。
ただ他のお店よりは、天つゆもおろしも少なめに提供されていました。せっかく丹念に揚げた天ぷらも天つゆにどっぷりとつけてしまっては、素材ごとの衣の感触や味わいも半減してしまいますからね。

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カウンター席の奥に座ったので、近藤さんが粉と卵液を混ぜる様子や、二つの鍋の油を変えるタイミング、野菜をどう揚げるかなど、素人ながらもその工程を見れるのが、とても勉強になりました。

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車海老

一尾目は、衣を多めにつけて花を立たせ、海老はしっとりと弾力のある甘み。

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二尾目は、薄衣で揚げ、身は逆に弾力のあるぷりっとした食感。最近身は半生に揚げるところが多いですが、余熱でしっかりと熱が入るように揚げ、海老の甘みを感じる方が美味しいです。レモンを絞って、塩で食べるとより甘みが増します。

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グリーンアスパラガス

北海道のグリーンアスパラガスは、揚げる前にポキッと根元を折り、衣をくぐらせてから二つの鍋で二度揚げしてあります。二度揚げすることで、アスパラガスの瑞々しさを閉じ込めながら、衣がさらに軽くなります。
ここで、近藤さんの野菜天ぷらの王道をまず感じました。

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茄子

新潟の丸茄子。丸茄子は身が甘いのに皮が硬いので、漬物にするとわりとやんわりするのですが、天ぷらにすると、しっかり水分を閉じ込めながら、茄子の皮も身もしっとりと甘い。さすがです。

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きす

江戸前のきすは、背開きにし、わりと濃いめの衣をつけて揚げてあります。
しっとりふんわりとしたきすが好きな私にとっては衣多すぎる印象ですが、大将の魚天ぷらはから揚げと聞くとなるほどなのかな。

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ピーマン

北海道の契約農家からのピーマンは、丸ごと揚げてあります。高温の油で衣をぱりっと固め、そのしっとりと蒸されるように調理されたピーマンは、切ると鮮やかなグリーン色。身の甘みと香りがあり、種も柔らかく一緒に食べることができます。これはちょっと驚いた一品。

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めごち

わりと小ぶりのめごち。ただ最近めごちを食べれるお店が少なくなったので嬉しいです。
めごちはきすほど衣はつけずに、中までしっかり揚がっています。

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玉ねぎ

北海道の小玉ねぎは、玉ねぎとペコロスを掛け合わせたのものを丸ごと揚げて。衣は2度づけして、しっとりと蒸し焼き状態に。しっとりと柔らかい甘みから中心部分はしゃくしゃくとした食感と生の辛味を残し、まわりの玉ねぎの甘みを感じるグラデーション。これも絶妙の火入れです。

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穴子

こんがりと揚げた穴子。高めの温度でカリッと揚がった衣。何度か裏返しながら揚げ、身も水分が抜け、ほくっとした感じに揚がっていました。

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コースの他に何品か追加しました。

名物のさつまいもは夏の間はお休み。夏に収穫したさつまいもは3か月寝かせるそうなので、出すのは秋からだそうです。なので、じゃがいもをお願いしようとしたら、米をはさみながら30分くらいかけて揚げるそうなので、残念ながら次回に事前に頼むことにします。

椎茸

岩手の原木椎茸は、高温でさくっと揚げて。

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鱧は、四万十川の青海苔を巻いて、皮目が丸まるように揚げ、鱧の柔らかな食感を損ねないように、衣もカリカリにせず、柔らかく揚げてありました。

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人参

これは食べたかった一品。桂向きしてから千切りにした人参は、さっと粉をはたき、さらっと薄くのばした衣につけ、鍋一面に散った人参が、大将の素晴らしい箸さばきで立体感を出しながらこんもりとまとまり、あっという間にかき揚げのようになって出てきました。塩も何もつけずに食べてくださいと。ふんわりさくさくの人参は、口の中ではらりとくずれながら溶けるようにほぐれ、その軽快な食感と人参の甘みを感じます。何よりも一番感動した逸品でした。

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ご飯物は天茶、天丼、天ばらから選べます。天丼をお願いしました。

小海老と小柱のかき揚げ天丼

衣は少なめに、小海老のぷりぷり感や小柱のしゃきしゃきした食感を味わう天丼です。
さらっと品のいい丼つゆをかけて。

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天丼には、しじみの赤出汁と香物がついてきます。しじみも大粒で美味しい赤出汁。

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デザート

デザートはスイカ。中央の甘い部分だけをくり抜いて。

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ちゃんと近藤さんの天ぷらを味わったのは、今回初めてとかなり遅めのデビューでしたが、野菜天ぷらは、想像以上に素晴らしく感動しました。まだまだ素人の私は多くを語ることはできませんが、また違った季節の食材を食べに伺いたいです。


「てんぷら 近藤」

東京都中央区銀座5−5−13 坂口ビル9F

03−5568−0923




ranmarun at 19:30│Comments(10) 天ぷら・串揚げ 

この記事へのコメント

1. Posted by Hi!   September 01, 2018 08:22
私もかなり久しぶりに近藤さんの天ぷらを見ました。
同じく以前は深町に行く事が多かったので。
2. Posted by たろう   September 01, 2018 09:42
つい最近…
嫁と子供と行って来ました

東京には素晴らしい天ぷら屋さん
沢山ありますが…
ボクは近藤さんしか
行きません

父親がホテル時代からの
付き合いだったらしく

ボクも初めて行ったのは
銀座の店からで
高校生の時w

以来
親子3代でお伺いしてます

近藤さんといえば
やはり
野菜の天ぷら
ですね〜
3. Posted by ロン   September 01, 2018 20:03
>Hi!さん
Hi!さんも深町行かれてたのですね。深町や楽亭は20年前から伺っていましたが、今更ながら近藤さんの天ぷらを頂くと、野菜の天ぷらのすばらしさに改めて気づき、次回はお好みで野菜中心で揚げてもらおうかと思いました。
最近は地方から高額なお店が東京に進出していますが、どうなんでしょうね。
4. Posted by ロン   September 01, 2018 20:11
>たろうさん
親子3代で高校生の頃からとはすごいですね。でも天ぷらも寿司も同じ店に通いつめないとその良さがわからないと思うので、私もしばらく通ってみようと思います。
野菜はほんと感動したので、他の季節の食材もいろいろ食べてみたいです。
勉強しようと思い、近藤さんの本まで買ってしまいました。
5. Posted by Hi!   September 01, 2018 22:03
ここだけの話…にはなりませんが、その高額の筆頭のお店が『このお店が日本一の天ぷらと言われているのが腹立たしい』という理由で東京に出したそうですよ。単純に東京だと金額が取れるからじゃないのかな〜、と私は思ってしまうのですが。
最近、東京に出てくるお店が多いですよね〜。京都には、カノイヤ、ひさ田、さえ喜が出てきます。
6. Posted by ロン   September 01, 2018 23:20
>Hi!さん
そうそこは、東京に出てきて天ぷらで5万以上取っていると聞きましたが、お金出せば日本一と言われるのがおかしいなと思います。そもそも天ぷらって、高額なお金払って高級食材を食べるものじゃないし。まあ私は行かないけれど、そういう客層が行く店が、東京で成功するのも事実なんですね。

>京都には、カイノヤ、ひさ田、さえ喜ですか。京都の鮨屋は少ないので、鮨文化をもうちょっとあげる意味ではいいと思います。東京のすし泉からの忠保が評判いいと聞きます。東京には木もとやみつ川が来るそうです。
7. Posted by たろう   September 01, 2018 23:26
お店も商売ですから
田舎と都会じゃ違いますからね…

しかし
なんでもかんでも
東京にあると
値がないですね…

ちなみに
地元の寿司屋も
ヒルズで
出店オファーが来て
やるそうですw



8. Posted by Hi!   September 02, 2018 01:20
そうですよね。
高額なだけで、私もその店は好きではありません。地方でもたけうちとか楽しめるお店はたくさんありますし。

忠保は悪くないですよ。
でも、都内で普通にあるお店です。
9. Posted by ロン   September 02, 2018 10:35
>たろうさん
料理人によってはやはり都会というか東京で成功する憧れなどもあるでしょうしね。
私は逆に地産地消のお店が好きで地方ばかり行っています。
10. Posted by ロン   September 02, 2018 10:36
>Hi!さん
たけうちは、いいですね。個性的で面白いし、また行きたくなりました^ ^

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