October 21, 2018
中華 杉本@福岡
「中華 杉本」に行きました。
博多から西区の野方方面にバスで移動し、小1時間。生松台という住宅地の一軒家で1日1組の限定のお店です。看板はなく、一軒家の2階に上がるとダイニングテーブルがあります。2年ぶりに訪問しました。
お酒はブーブクリコのシャンパンを頂きました。
琥珀芝麻合桃肉
胡桃の麦芽糖煮込み揚げ 白胡麻かけ。
麦芽糖のすっきりとした甘さと白胡麻を香ばしくまぶした胡桃は、最初のおつまみとして出てきました。
椒鹽脆皮鮮魫
玄海産活けヤリイカの香港風揚げ物。
奥のキッチンからポンポンと油の中で跳ねる音が聞こえていたのですが、ヤリイカを揚げている音でした。切れ目を入れてさくっと揚げたヤリイカとニンニクと赤ピーマン。ニンニクの香りとイカの甘みが食欲をそそり、泡がすすむ一品です。
高湯魚肚鮮雲丹羹
芥屋雲丹と魚の乾燥浮袋の上湯スープ。
魚の浮袋は低温の油で揚げながら戻すそうで、そうすると気泡ができて煮込んだ時に味が入りやすいのだそうです。芥屋の雲丹は初めて食べましたが、糸島の西側で獲れる雲丹だそうです。それらを生姜酒を加え、上湯で煮込んだスープ。
とろっと柔らかくなった浮袋が雲丹色した上湯スープの中に沢山入っていて、浮かべた雲丹と共に濃厚な旨味が広がります。
魚肚の原物を見せてもらいましたが、手のひらくらいある大きさで肉厚なのに驚きました。これだけ大きいと相当高価だと思われます。
油泡鮮甘鯛球
鐘崎漁港新鮮甘鯛のニンニク風味炒め。
甘鯛は厚めにそいで油通しし、ニンニクと青葱の風味で。かなり大きな甘鯛だと思いますが、ふんわりぶりっとした食感で、ニンニクと青葱のシンプルな仕立てが甘鯛の身の旨味を引き立てます。
鮮蟹肉扖冬瓜甫
糸島産活け渡り蟹剥き身の冬瓜あんかけ。
朝獲れの渡り蟹は、2杯分の剥き身を卵白や生姜を加えたあんかけにし、炊いた冬瓜にかけてあります。
炊いた冬瓜と渡り蟹の身がたっぷり入った餡の美味しいこと。新鮮でくさみは全くなく、ふんわりした蟹身の優しい旨味が冬瓜と共に口内で溶けていくように広がります。
濃魚湯浸葉菠草
ほうれん草の甘鯛アラ濃厚スープ浸し。
先程出てきた甘鯛のアラは、生姜と葱を焼きつけながら、焼酎と水を加え、高温で煮出していくそうです。そうすると骨などから出た旨味が溶け、このように白濁したスープになるのだそうです。
さっと炒めたほうれん草と共に、このスープを頂くと、そこには新鮮な甘鯛だからこそ出る極上の旨味が。コラーゲン質も含んでいて、滋味深い味わいです。
南乳炆竹笙野菌煲
天然衣笠茸と数種乾燥茸の南乳煮込み。
天然衣笠茸、黄耳(黄色のキクラゲ)、銀耳(白キクラゲ)、猫耳(小さな黒キクラゲ)、羊肝菌(モリーユ茸)、対馬のどんこ椎茸などを紅腐乳で煮込んで。
きめ細かく上質な衣笠茸、どんこ椎茸は一晩水で戻して上湯で蒸したり、白木耳は、圧力鍋で柔らかくしたり、いろんな茸をいろんな調理方で戻し、茄子も入れて紅腐乳で煮込んであります。黄色い木耳は初めて食べましたが、他のキクラゲとは違う少しざらつきがありながらとろっとした独特の食感が印象的でした。そして、それらを煮込んだまろやかな紅腐乳の旨味がたまらない美味しさでした。
客家沙薑蒸雞
客家風 佐賀麓赤鶏の乾燥生姜粉蒸し 漢方香辛料ソース。
客家の昔の伝統料理を再現してくださいました。沙薑は、中国南部地方の呼び方で、生姜に似た辛味のある香辛料で山奈やバンウコンとも呼ばれます。こちらでは乾燥させた山奈粉とピーナッツオイルを赤鶏のお腹にしみ込ませて、蒸してあります。まずは胸肉から食べましたが、きめ細かでシルキーな食感、皮の脂も甘みがありますがさっぱりとした旨味です。腿や手羽など食べすすむにつれ、鶏肉の旨味が増していきます。
そのままでも十分味がしみていて美味しいのですが、別添えの葱生姜は胸肉にのせて食べると、淡泊な味に深みを持たせてくれます。
そして、蒸した煮汁と漢方香辛料のソースは、独特の風味がありますが、これがアクセントになり、さらに奥深い味わいに導いてくれます。
香港の店で食べた古典料理を再現してくださったのですが、その店はこの11月に閉店するそうで、ここで頂けたことに感謝します。
紹興酒も合い美味でした。
鹹魚鮮蝦粒炒飯
香港製鹹魚と天然活け赤足海老の炒飯。
ぷりっとした海老と鹹魚の香りと旨味に卵が合わさったパラリとした炒飯。鹹魚も仕入れてから自家製にくさみが出ないように処理してあるので、ほんと美味しい。
生磨芝麻糊
ローストした黒胡麻裏漉しの暖かいスープデザート。
黒胡麻の香ばしい香りと甘く温かなスープが優しい味わい。
今回は素材をシンプルに食べさせるようにアレンジしながらも、下仕事の細かさにはいつも脱帽。
香港で食べ歩いた料理を基に、福岡近郊の魚や肉などの食材を使い、独自の調理法で綺麗に昇華させたお料理の数々に感動しました。
「中華 杉本」
福岡県福岡市西区生松台3-5-2
092-812-0268
博多から西区の野方方面にバスで移動し、小1時間。生松台という住宅地の一軒家で1日1組の限定のお店です。看板はなく、一軒家の2階に上がるとダイニングテーブルがあります。2年ぶりに訪問しました。
お酒はブーブクリコのシャンパンを頂きました。
琥珀芝麻合桃肉
胡桃の麦芽糖煮込み揚げ 白胡麻かけ。
麦芽糖のすっきりとした甘さと白胡麻を香ばしくまぶした胡桃は、最初のおつまみとして出てきました。
椒鹽脆皮鮮魫
玄海産活けヤリイカの香港風揚げ物。
奥のキッチンからポンポンと油の中で跳ねる音が聞こえていたのですが、ヤリイカを揚げている音でした。切れ目を入れてさくっと揚げたヤリイカとニンニクと赤ピーマン。ニンニクの香りとイカの甘みが食欲をそそり、泡がすすむ一品です。
高湯魚肚鮮雲丹羹
芥屋雲丹と魚の乾燥浮袋の上湯スープ。
魚の浮袋は低温の油で揚げながら戻すそうで、そうすると気泡ができて煮込んだ時に味が入りやすいのだそうです。芥屋の雲丹は初めて食べましたが、糸島の西側で獲れる雲丹だそうです。それらを生姜酒を加え、上湯で煮込んだスープ。
とろっと柔らかくなった浮袋が雲丹色した上湯スープの中に沢山入っていて、浮かべた雲丹と共に濃厚な旨味が広がります。
魚肚の原物を見せてもらいましたが、手のひらくらいある大きさで肉厚なのに驚きました。これだけ大きいと相当高価だと思われます。
油泡鮮甘鯛球
鐘崎漁港新鮮甘鯛のニンニク風味炒め。
甘鯛は厚めにそいで油通しし、ニンニクと青葱の風味で。かなり大きな甘鯛だと思いますが、ふんわりぶりっとした食感で、ニンニクと青葱のシンプルな仕立てが甘鯛の身の旨味を引き立てます。
鮮蟹肉扖冬瓜甫
糸島産活け渡り蟹剥き身の冬瓜あんかけ。
朝獲れの渡り蟹は、2杯分の剥き身を卵白や生姜を加えたあんかけにし、炊いた冬瓜にかけてあります。
炊いた冬瓜と渡り蟹の身がたっぷり入った餡の美味しいこと。新鮮でくさみは全くなく、ふんわりした蟹身の優しい旨味が冬瓜と共に口内で溶けていくように広がります。
濃魚湯浸葉菠草
ほうれん草の甘鯛アラ濃厚スープ浸し。
先程出てきた甘鯛のアラは、生姜と葱を焼きつけながら、焼酎と水を加え、高温で煮出していくそうです。そうすると骨などから出た旨味が溶け、このように白濁したスープになるのだそうです。
さっと炒めたほうれん草と共に、このスープを頂くと、そこには新鮮な甘鯛だからこそ出る極上の旨味が。コラーゲン質も含んでいて、滋味深い味わいです。
南乳炆竹笙野菌煲
天然衣笠茸と数種乾燥茸の南乳煮込み。
天然衣笠茸、黄耳(黄色のキクラゲ)、銀耳(白キクラゲ)、猫耳(小さな黒キクラゲ)、羊肝菌(モリーユ茸)、対馬のどんこ椎茸などを紅腐乳で煮込んで。
きめ細かく上質な衣笠茸、どんこ椎茸は一晩水で戻して上湯で蒸したり、白木耳は、圧力鍋で柔らかくしたり、いろんな茸をいろんな調理方で戻し、茄子も入れて紅腐乳で煮込んであります。黄色い木耳は初めて食べましたが、他のキクラゲとは違う少しざらつきがありながらとろっとした独特の食感が印象的でした。そして、それらを煮込んだまろやかな紅腐乳の旨味がたまらない美味しさでした。
客家沙薑蒸雞
客家風 佐賀麓赤鶏の乾燥生姜粉蒸し 漢方香辛料ソース。
客家の昔の伝統料理を再現してくださいました。沙薑は、中国南部地方の呼び方で、生姜に似た辛味のある香辛料で山奈やバンウコンとも呼ばれます。こちらでは乾燥させた山奈粉とピーナッツオイルを赤鶏のお腹にしみ込ませて、蒸してあります。まずは胸肉から食べましたが、きめ細かでシルキーな食感、皮の脂も甘みがありますがさっぱりとした旨味です。腿や手羽など食べすすむにつれ、鶏肉の旨味が増していきます。
そのままでも十分味がしみていて美味しいのですが、別添えの葱生姜は胸肉にのせて食べると、淡泊な味に深みを持たせてくれます。
そして、蒸した煮汁と漢方香辛料のソースは、独特の風味がありますが、これがアクセントになり、さらに奥深い味わいに導いてくれます。
香港の店で食べた古典料理を再現してくださったのですが、その店はこの11月に閉店するそうで、ここで頂けたことに感謝します。
紹興酒も合い美味でした。
鹹魚鮮蝦粒炒飯
香港製鹹魚と天然活け赤足海老の炒飯。
ぷりっとした海老と鹹魚の香りと旨味に卵が合わさったパラリとした炒飯。鹹魚も仕入れてから自家製にくさみが出ないように処理してあるので、ほんと美味しい。
生磨芝麻糊
ローストした黒胡麻裏漉しの暖かいスープデザート。
黒胡麻の香ばしい香りと甘く温かなスープが優しい味わい。
今回は素材をシンプルに食べさせるようにアレンジしながらも、下仕事の細かさにはいつも脱帽。
香港で食べ歩いた料理を基に、福岡近郊の魚や肉などの食材を使い、独自の調理法で綺麗に昇華させたお料理の数々に感動しました。
「中華 杉本」
福岡県福岡市西区生松台3-5-2
092-812-0268
ranmarun at 16:30│Comments(0)│
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