ビストロ パルタジェ@渋谷くろ崎@渋谷

October 26, 2018

茶禅華@南麻布

「茶禅華」に行きました。
昨年2月に南麻布の住宅街にオープンしたお店です。
料理長の川田智也さんは、「麻布長江」で10年修業した後、「龍吟」でさらなる修業を積み、’和魂漢才’をモットーに独自のスタイルでお店を開きました。

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大使の元邸宅を改装した一軒家。階段を上がると、エントランスから静寂な雰囲気が漂っています。
中に入ると、1階がテーブル席、2階が個室になっていて、今回は2階の個室へ案内されました。

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2階へ上がる階段の踊り場の壁には、龍を描いた皿が。個室にもいろいろありましたが、龍吟をリスペクトしているのでしょうね。テーブルクロスの質感などもそれを感じました。

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2階の個室の円卓に案内されました。今宵は6人での会食です。

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今月の菜譜は、上海蟹を中心に仕立てたコース。それぞれ四字で構成されていますが、中国語とは少し異なり、独自のメニューを漢字にあてて記載しているようです。

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Shaman 13 Marguet

まずは、マルゲのシャンパンで乾杯しました。
そのあとは、お茶とお酒のペアリングをお願いしました。

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岩茶奇蘭

最初に出てきたのは茶器。

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蓋を開けると三輪素麺の極細麺と福建省の武夷山の奇蘭という岩茶と鶏の上湯を合わせたスープに一枚茶葉が浮かんでいます。つるっと極細の素麺と上品な蘭のような茶香の上湯。初めて伺ったのですが、この一口を飲み、シェフが好む綺麗な味の方向性を感じました。

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蟹黄春捲

上海蟹の身や蟹味噌、ふかひれの餡を紫蘇と春巻きの皮で包み、サクッと揚げて。

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半分食べた後で、黒酢をかけて。

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酔大閘蟹

上海蟹の紹興酒漬け。酔っ払い蟹の雌です。

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甲羅の裏には、とろんとした卵が。小振りの上海蟹の半身で、食べれる部分は少ないですが、かぶりつきながら食べたレアな蟹身の部分も甘く、漬けた紹興酒が美味しい。

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合わせたお茶は、宮廷金亳熟茶。

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何年の物かは聞かなかったけれど、お茶の芽の先端部分を多く含んだプーアル茶は、ふくよかな香りと円熟した甘みがあります。

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蟹の爪の部分も出てきました。

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酢橘海蜇

酢橘の中には、刻んだくらげ。頭のこりこりした部分も細かく刻んで葱油で和えてあります。一口でたべちゃうくらいの上品サイズだけど、酢橘を搾りながら食べました。

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Costa D'amalfi Fioduva 2016 Marisa Cuomo

リッポリ、フェニーレ、ジネストラなどのアマルフィ土着品種のワイン。柑橘の香りやミモザ、ジャスミンのような少し中国茶のニュアンスもあります。前者のクラゲに合わせたかったようですが、食べ終えた後で出てきたので、もう少し早く出して欲しかったなあ。

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雉雲呑湯

定番メニューという雉の上湯にワンタンと白木耳を浮かべて。杏仁の香りがアクセント。
お酒やお茶は合わせないそうです。

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ワンタンには、上海蟹の身や蟹味噌が入っていました。杏仁の香りは、上海蟹のくさみ消しにすっきりとした風味に。

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ここで、次の料理に使う4種類の唐辛子と山椒。唐辛子は、四川の長唐辛子や丸い朝天唐辛子、愛知や大分国東の唐辛子。青山椒をちょこっと噛んで味見したら、青々しい新鮮な香りと痺れる辛味がくせになります。花椒も上質ないい香り。山椒好きなので。

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四川鶏翅

前述で見せてくださった唐辛子と山椒、クミン、葱や香菜などで香り付け調理した中には手羽先が。

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スパイスの香るぷりっとした手羽先。

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ぱりっと香ばしい手羽先の中にはスッポンの身が入っていました。

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紹興酒が飲みたくなるお料理でしたが、お茶は野生紅という紅茶。香りも味わいもいいのですが、この一口だけだとスパイシーな脂を切るには物足りないかなあ。もうちょっと注いでほしい。

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お口直しに手前がほおずきと八角のコンポート。奥が柿と酸梅。

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鴛鴦蒸蟹

蒸し上海蟹です。

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甲羅の中には上海蟹の身と雌の卵、雄の白子をのせ、生姜黒酢を添えて。雄雌合わさると、贅沢な美味しさが広がります。黒酢をかけるとさらに蟹の旨味が引き立ちます。

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Gravner 2009

濃厚な上海蟹にグラブナーが合います。

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蟹黄魚翅

青鮫のふかひれに、上海蟹と蟹味噌に毛蟹を合わせた煮込み。青梗菜を添えて。
上海蟹は川の食材ですが、ふかひれは海の食材で香りの方向性が違うため、旨味や香りを合わせるように毛蟹も入れたのだそうです。青鮫のふかひれは繊維も固めでしっかりとしているので、毛蟹の食感ともよく合いました。

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お茶は高山金萱烏龍茶。ココナッツミルクやバニラのような甘い香りが特徴です。

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上海蟹味噌のリゾットもでてきました。

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そして、今日届いたばかりというアルバ産の大きな白トリュフ。

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白トリュフは厚めに削ってくださり、そのうっとりする香りと蟹味噌の旨味が詰まったリゾットを楽しみました。

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腐乳白菜

千葉の八千代で作っている広東白菜。パクチョイと呼ばれる軸が白いター菜です。ニンニクと腐乳でさっと炒めて。故宮博物館の翆玉白菜みたいな一口サイズです。

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乾焼鬼魚

ミシマオコゼの乾焼。ミシマフグとも呼ばれる魚で、オコゼに似た形相とフグのような斑点模様が特徴です。大分でのダイニングアウトのイベントでこの魚を使ったそうで、2,3回使った油でカリッと揚げてあります。

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そして、上から干し椎茸やセロリ、挽肉などを使ったピリ辛の餡をかけて。一人一尾提供されたのですが、前菜はかなりミニマムで、これもうちょっと食べたいという品ばかりでしたが、メインはしっかりと食べ応えがあり、大満足です

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皮は香ばしく身はぷりっとしていて、花椒の香る餡が、食欲をそそります。頭の周りの頬肉などの部分も美味しくて綺麗に食べました。

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白ご飯と搾菜が用意され、残った挽肉餡と共に頂きました。もうちょっとご飯が欲しいなと思い、お願いしておかわり。

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Etna Rosso Guardiola 2015 Tenuta delle Terre Nere

シチリアエトナのワインで、ネレロマスカレーゼ98%、ネレロカプッチョ2%。濃いルビー色で、赤い果実の香りとミネラル感、魚のスパイシーなソースに合いました。

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清湯麺

シンプルに透明感ある上品な清湯と細麺。今まで食べたものをすっきりとリセットさせてくれるような、優しく綺麗な味わいでした。

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上海蟹の自家製XO醤も添えてあります。

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半分くらい食べた後で、器には入れずにレンゲの上で麺と絡ませると、またアクセントになります。

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そして、デザート。
お誕生日の方がいたので、大きな桃饅頭。これは蓋なので食べられません。

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その蓋を開けると、熱々の小さな桃饅頭が。中には桃風味のバター餡が入っています。

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葡萄に金木犀のゼリー。

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杏仁豆腐は、右が冷製で、左が温製。右から食べてくださいとのことでした。温製の杏仁豆腐は葛でとめてあり、香りの立ち方や食感の違いを。

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安徽省の菊茶。菊茶は肝にこもった熱を沈め、目にいいそうです。

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最後に蒸し栗。

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ココナッツ団子に蒸し栗を削って。

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20時から始まり、終わったのは0時半とかなり長丁場でした。味は大満足でしたが、もうちょっと早い時間に終わらせたいので、スタート時間を早めた方がいいのかな。
お値段もびっくりでしたが、中華というジャンルで、一品ごとの演出と料理の精度、クオリティを保ちながら、流れのある多皿構成で仕立て、お茶やワインのペアリングまでこなすお店はなかなかないだけに、いい経験でした。


「茶禅華」

東京都港区南麻布4-7-5




ranmarun at 20:00│Comments(4) 中華 

この記事へのコメント

1. Posted by Hi!   November 12, 2018 08:19
あれっ!?
このブログで茶禅華初めてでしたっけ?^^
馴染みのある料理もいくつか・・・。
最近行っていませんが、かなり時間かかっていますね。
2. Posted by ロン   November 12, 2018 19:48
茶禅華は初めてです。時間はかかりますが、お料理は、素晴らしいですね。
3. Posted by Hi!   November 13, 2018 01:15
気になるお料理もあったので、また行きたくなりました ^ ^
このブログの魅力ですね〜♪
4. Posted by ロン   November 14, 2018 06:08
ありがとうございます。とても嬉しいお言葉です。(^-^)

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