November 13, 2018
MIL〜Vol.3〜 アンデス大地の恵み@ペルー クスコ
ラボ見学の後は、向いのダイニングルームで食事です。ダイニングルームは2か所あります。
バースペースがある部屋に案内されました。ここで作っているリキュールなどを使い、ペアリングのドリンクを作っています。
壁には、自然染料で染めた繊維の縄のようなものを束ねたものが掛かっていました。この繊維は何から作られているのか聞き忘れましたが、おそらくここに来るまでに沢山生えていた高山植物のマゲイかな。
テーブルにはお皿にメニューとナプキン、石のスパチュラが用意されています。
メニューは8つのテイスティングメニューとそれに合わせたカクテルなどのドリンクペアリングがアルコール、ノンアルコールとあります。アルコールペアリングをお願いしました。
水はクスコで採取される水の炭酸水。
Tumbo,Maca negro
Tumboというパッションフルーツに似た果実とマカのカクテル。カモミールの花を浮かべて。
Preservation freeze dried potato chuno,corn,wild uchucata oca
最初に出てきたのは、ジャガイモのチップス。Chunoという凍結乾燥させる伝統製法で、ペルーやボリビア、アルゼンチン、チリなど南米諸国で知られています。これは、凍結抵抗性のあるジャガイモの品種を、夜間の低い温度の水にさらし、昼間は日の強い日差しで乾燥させることを繰り返す過程でフリーズドライのようになったジャガイモを数年間保存させる伝統的な技術製法です。
ここではさらしている水を変えないもので作ったものが黒いチップス(左)と、水を変えながら作ったものが白いチップス(右)で、風味が異なります。そのまま食べると、水を変えていない黒い方が香ばしい香りがして味もコクがありました。
添えてあるのはサチャイントマトとチーズやハーブのディップ。
逆に淡泊な白いチップスはサチャイントマトのデップをつけると酸味や風味が豊かになりました。
関係ないけど、ネイルカラーがディップソースとリンクしている(笑)
続いて、トウモロコシのパイとコカとオカのパン。エルダーベリーのバター。
トウモロコシのムースを焼いたものは、クレームブリュレのような甘く香ばしい香り。
oca(オカ)いう細長い芋とコカと小麦を練りこんだ生地のパンの断面。エルダーベリーのバターをつけて食べましたが、そのままでも美味しいです。オカは粘製のある食感で、セントラルではニョッキやチップスでも出てきました。
Cervesa Ayrampo
Ayrampo(アイランポ)は、サボテンの実の種で赤い色素があり、乾燥させたものはクスコでは一般的に売っているようです。解熱や止血にも効果があるらしく、煮出して飲んだりするそうです。それを加えたビール。
Plateau cabuya necuter,lamb, kanihua grain, white qinoa
仔羊のタルタルとチリモヤミルクとキヌアの粉のクリーム。仔羊のタルタルは生後6か月の若いもの。この地域で生えているcabuyaというリュウゼツランの一種のサボテンの蜜で和えてあります。cabuyaはここに来るまでの道のりでよく見た大きなアロエのような植物です。マゲイと一緒ですね。
カニワというキヌアに似た赤い穀物で作ったパン。セントラルにもあった穀物です。
サラダはハーブの下によく生えてくる雑草(名前忘れた)と玉ねぎのキャラメリゼ、ホワイトキヌアの花をのせて。
こんな感じで皿に盛り付けて。仔羊のタルタルは6か月くらいのもので、くせもなく美味しいです。クリームやサラダと合わせて頂きました。
Mata Cuy
12種類の芋で作った蒸留酒。
Andean Forest lupinas legume ,pork berry ,avocado ,rocoto pepper
1日低温真空調理した豚肉をほぐして固めたパテを再度焼いて。上にはマシュワという芋をすりおろして、レモンと塩を合わせて。これは先月フロリレージュの川手シェフがコラボした時に、マシュワをすって唐辛子と合わせ、もみじおろしのように使ったことからアイデアにしたそうです。
Tarwi(タルイ、英語名ではルピナス)という豆を発酵させた生地とその豆をのせて焼いたパン。
タルイの豆やアボカド、ロコト(辛くない唐辛子)、タマネギなどの野菜のセビーチェ。
豆のつるんとした食感の中にあるナッティな甘みと豆の香り、刻んだ唐辛子は辛くないのですが、ソースからほんのりくる辛味が豆類と合わさって美味しいです。下にはアボカドのムース。
Diversity of Corn piscoronto,chullpi ,whitecorn ,local cheese
3種のトウモロコシとチーズ。アンデスの人達が午前中の農作業の後に、食べる昼ご飯をオマージュしたものだそうです。そこではいろんな種類の茹でたトウモロコシやチーズ、先程食べた野菜のセビーチェなどを風呂敷に包んで持ってきて手でつまんで食べるのだそう。
ピスコロントという紫トウモロコシ、チュルピという赤いトウモロコシ、白いトウモロコシをチップスにしています。色は違いますが味はほとんど一緒です。
トウモロコシの皮の蓋の下には、トウモロコシの粉とチチバというコリアンダーの香りに似たハーブのペースト。チップスのディップにしても食べました。
茹でたチョクロと牛乳のチーズを炙ったもの。アンデスではトウモロコシとチーズが、日本でいうおにぎりと漬物のような感じで食べられるわけですね。なので、この料理でのお酒のペアリングはありません。
Extreme Altitude duck ,black quinoa ,lake blue-green algae, wheat
非常に高い高度にあるこの近くの湖のイメージを表現したお皿で、そこで獲れる渡り鴨とクシュロという緑色の藻のアガー。近くで採れる草花を使ってサラダ仕立てにしてあります。
葉の下には、鴨の煮込みとブラックキヌアをのせて。ウチュクタというハーブのソースとサチャトマトのソース。鴨が獲れない時期にはアルパカの肉も使うようです。アルパカはまだ食べたことがないので、どこかで食べる機会あるかしら。
別皿には鴨をすべて使い、小麦と煮込んだアヒ・アリージョのようなもの。これを葉野菜にのせて混ぜながら食べました。
Vino Cara Sur Bonarda 2013
アルゼンチンの赤ワイン。標高何千mって言ってたかな。かなり高い所で作られているボナルダという葡萄。量これだけ?って思うかもしれませんが、標高が高い所で飲むと酔いが回りやすいので、配慮してくれています。
窓から刺す西陽がきびしいというので、部屋を移動しました。
ここの窓は北向きに面しているんだっけ?南半球だと太陽の向きが逆なので、混同してしまいます。
天気が良く、青空が広がる一日でした。
この毛は羊毛かな。アルパカ?
アンデスで採れる草花が展示してあります。
IPA del Valle
ビール。
Central Andes potatoes ,stems, chaco cray, chincho
6月の頭にこちらの畑で採れた芋は55種類。その中の4種類の芋を塩土釜に包んで焼いたものです。通常現地では、収穫した芋に土を盛って、ハーブ類を詰め、焼き石で蒸し窯のように火入れするそうです。セントラルでもこちらの畑で採れた芋の何種類かを食べさせてくれました。
ウチュクタというハーブのソース。山椒にも似た香りがします。
2種類の紫色したジャガイモは、それぞれ異なる種類です。独特の香りとホクホク感があり、何もつけずに美味しいです。なのでウチュクタのソースにはつけなかったのですが、ほのかに辛味があるソースだと言っていました。
こちらは黄色と紫のマシュワの2種類。ペルーでは、現地人はマシュワはジャガイモではないと言っている通り、繊維質とねっとりとした粘度がある食感で、どちらも強い甘みと旨味があります。
Chincha Tuna
チンチャとサボテンの赤い色素を使ったお酒。
Frozen Cordillera wild muna,tumbo,kjolle
Kjolle(コージェ)という植物を乾燥させたもの。葉は表は緑色ですが、裏は黄色く、繊毛が生えています。花は染料として取るとここで見るオレンジよりピンク色になるそうです。Centralの2階に出来た女性シェフのレストランもこの植物の名前でしたね。花粉症の私は、ちょっとこの繊毛の粉か花の花粉でくしゃみや目のかゆみが出てきましたw
そのコージェのクリームとヨーグルトのクリームとトゥンボとワカタイのアイスクリーム。ムニャの新芽をのせて。かなりムニャはハーブティーに使われる葉で、こちらの中庭にも生えていました。コージェはアクや苦みとえぐみがあり、渋くて食べにくいソルベでしたが。
Miskioca
芋の蒸留酒にシトラスとピンクペッパーで作っているお酒だったかな。ほんのりロゼ色をしています。
これがMiskioca。販売もしています。
Huatia of Cacao mashwa,coca leaf, cacao,mucllage
カカオの全ての部分を提供するというポストレ。キアバンバという所で採れるカカオを使い、ここに来た時に最初に食べたフレッシュカカオの綿の部分や発酵焙煎していない豆などを使って液体窒素でシャーベットやムース状に作っています。コカの葉のパウダーと、下には精製した72%のカカオのピュレが入っています。
カカオの標本的なボトルも見せてくださいました。ラボで生カカオを試食して味や形状を見せて頂いたので、より理解が深まりました。カカオの収穫時期は12月から4月だそうで、試食したのはまだはしりのもの。こちらではそれを冷凍保存して、それ以外の季節にも提供できるようにしているそうです。
マシュワのチュイルを添えて。
食後は、最初に紹介してもらったスリーモンキーズカフェのコーヒーを。クスコから車で4時間くらいのサンタデルサという海抜2000m以上の畑で採れるアラビカ種のゲイシャを月齢で満月の3日前に手作業で収穫、発酵、乾燥、焙煎までのプロセスにこだわっているそうです。
そのカカオの発酵から焙煎までの過程を聞きながら、丁寧に入れてくださいました。
最初はジャスミンやシトラスの香り、中盤からはベリー系の香りやスイカの香り。冷めてからの香りや味と3段階で味わってくださいと。ハリオの器具を使って煎れるのは、一番香りの変化が楽しめるだからだそう。
食後はタクシーを待つまで30分くらいかかるというので、再び藤田さんにいろいろお話を伺いました。前日Centralに行き、そこで出たアンデスの食材の予習はできていたのですが、正直ここででてきた料理には別の感動を覚えました。
標高3500m前後のアンデス高地で採れる食材を料理人や研究員達が畑仕事に関わりながら、その土地の食文化や背景を基にガストロノミーに提供してくれる。その料理人達の8割方がクスコ出身だそうです。そして、現地の生産者たちの畑仕事を手伝いながら、収穫した食材を研究し、どのように調理したら美味しく食べれるかをダイレクトに表現し、伝えてくれるので、食べ手もここに来るまでのアンデス高地の景色を見ながら、風土や気候に数時間でも触れることで、私も素人なりにも理解しながら味わうことができました。
「Central」は、今のペルーのガストロノミーなレストランとしては、ペルーの珍しい食材を使ったアヴァンギャルドなレストランとして評価されていますが、それは原点に戻るための、一過程。一昔前のNomaがそうであったように、美味しい不味いの評価でいうと、美味しくないかもしれない、いや美味しいと思う人もいると思う。それは個人の評価の基準はそれぞれ異なる中で、まだまだペルー食材への理解や知識が少ないにも関わらず、間口が広すぎて、初めてペルーに来た私にってはいまいちピンとこなかっただけだと思います。美味しい不味いより、なんでこの食材をこういう風に料理したのだろうという疑問。その背景や説明が欲しかったけれど、それが芋なのかフルーツなのかもわからない食材をしつこくを聞くと、これですと現物を持ってきてくれたので、ああ、これがこう使われているのねと自分流で理解し、後で調べてなるほどと。でも考えると面倒くさくうるさい客だったかもしれませんね。
MILに来たことで、そして、藤田さんがいろいろ説明してくださったおかげで、アンデスの食材と料理の意味や知識をより深め、さらにその魅力を感じることができました。まだオープンして半年ですが、研究を進めながら、料理を作っていくことで、これからの発展も楽しみです。
次の予定としては2019年末だそうですが、ヴィルヒリト氏は、アマゾンの地にラボとレストランの設立を計画しているそうです。まあ数年後になるかと思いますが、ペルーはアマゾンの上流地域が6割を占め、そこでの食材も未知なるものが沢山あるので、興味深いです。今回つきっきりで説明してくださった藤田さんにはとても感謝しています。ありがとうございました。
帰りはタクシーでクスコまで戻りました。途中マラスの町で止まって、奥さんを乗せたいので相乗りしてもいいかと運転手。よくあるフレーズ。奥さんじゃなくても相乗りは当たり前なので、いいよと。女性二人乗ってきました。
日暮れフォルクローレの音楽が流れるタクシーの車内でクスコまで。
哀愁感ある音楽と夕日が切ないです・・・アンデスの夕日は、豊かな大地と空を包むように照らしながら沈んでいきました・・・。
「MIL Centro」
A 500 metro de distancia del conplejo,Arquelogico de Moray ,en ascenso,Maras ,Peru
010 51 926 948 088
milcentro.pe
バースペースがある部屋に案内されました。ここで作っているリキュールなどを使い、ペアリングのドリンクを作っています。
壁には、自然染料で染めた繊維の縄のようなものを束ねたものが掛かっていました。この繊維は何から作られているのか聞き忘れましたが、おそらくここに来るまでに沢山生えていた高山植物のマゲイかな。
テーブルにはお皿にメニューとナプキン、石のスパチュラが用意されています。
メニューは8つのテイスティングメニューとそれに合わせたカクテルなどのドリンクペアリングがアルコール、ノンアルコールとあります。アルコールペアリングをお願いしました。
水はクスコで採取される水の炭酸水。
Tumbo,Maca negro
Tumboというパッションフルーツに似た果実とマカのカクテル。カモミールの花を浮かべて。
Preservation freeze dried potato chuno,corn,wild uchucata oca
最初に出てきたのは、ジャガイモのチップス。Chunoという凍結乾燥させる伝統製法で、ペルーやボリビア、アルゼンチン、チリなど南米諸国で知られています。これは、凍結抵抗性のあるジャガイモの品種を、夜間の低い温度の水にさらし、昼間は日の強い日差しで乾燥させることを繰り返す過程でフリーズドライのようになったジャガイモを数年間保存させる伝統的な技術製法です。
ここではさらしている水を変えないもので作ったものが黒いチップス(左)と、水を変えながら作ったものが白いチップス(右)で、風味が異なります。そのまま食べると、水を変えていない黒い方が香ばしい香りがして味もコクがありました。
添えてあるのはサチャイントマトとチーズやハーブのディップ。
逆に淡泊な白いチップスはサチャイントマトのデップをつけると酸味や風味が豊かになりました。
関係ないけど、ネイルカラーがディップソースとリンクしている(笑)
続いて、トウモロコシのパイとコカとオカのパン。エルダーベリーのバター。
トウモロコシのムースを焼いたものは、クレームブリュレのような甘く香ばしい香り。
oca(オカ)いう細長い芋とコカと小麦を練りこんだ生地のパンの断面。エルダーベリーのバターをつけて食べましたが、そのままでも美味しいです。オカは粘製のある食感で、セントラルではニョッキやチップスでも出てきました。
Cervesa Ayrampo
Ayrampo(アイランポ)は、サボテンの実の種で赤い色素があり、乾燥させたものはクスコでは一般的に売っているようです。解熱や止血にも効果があるらしく、煮出して飲んだりするそうです。それを加えたビール。
Plateau cabuya necuter,lamb, kanihua grain, white qinoa
仔羊のタルタルとチリモヤミルクとキヌアの粉のクリーム。仔羊のタルタルは生後6か月の若いもの。この地域で生えているcabuyaというリュウゼツランの一種のサボテンの蜜で和えてあります。cabuyaはここに来るまでの道のりでよく見た大きなアロエのような植物です。マゲイと一緒ですね。
カニワというキヌアに似た赤い穀物で作ったパン。セントラルにもあった穀物です。
サラダはハーブの下によく生えてくる雑草(名前忘れた)と玉ねぎのキャラメリゼ、ホワイトキヌアの花をのせて。
こんな感じで皿に盛り付けて。仔羊のタルタルは6か月くらいのもので、くせもなく美味しいです。クリームやサラダと合わせて頂きました。
Mata Cuy
12種類の芋で作った蒸留酒。
Andean Forest lupinas legume ,pork berry ,avocado ,rocoto pepper
1日低温真空調理した豚肉をほぐして固めたパテを再度焼いて。上にはマシュワという芋をすりおろして、レモンと塩を合わせて。これは先月フロリレージュの川手シェフがコラボした時に、マシュワをすって唐辛子と合わせ、もみじおろしのように使ったことからアイデアにしたそうです。
Tarwi(タルイ、英語名ではルピナス)という豆を発酵させた生地とその豆をのせて焼いたパン。
タルイの豆やアボカド、ロコト(辛くない唐辛子)、タマネギなどの野菜のセビーチェ。
豆のつるんとした食感の中にあるナッティな甘みと豆の香り、刻んだ唐辛子は辛くないのですが、ソースからほんのりくる辛味が豆類と合わさって美味しいです。下にはアボカドのムース。
Diversity of Corn piscoronto,chullpi ,whitecorn ,local cheese
3種のトウモロコシとチーズ。アンデスの人達が午前中の農作業の後に、食べる昼ご飯をオマージュしたものだそうです。そこではいろんな種類の茹でたトウモロコシやチーズ、先程食べた野菜のセビーチェなどを風呂敷に包んで持ってきて手でつまんで食べるのだそう。
ピスコロントという紫トウモロコシ、チュルピという赤いトウモロコシ、白いトウモロコシをチップスにしています。色は違いますが味はほとんど一緒です。
トウモロコシの皮の蓋の下には、トウモロコシの粉とチチバというコリアンダーの香りに似たハーブのペースト。チップスのディップにしても食べました。
茹でたチョクロと牛乳のチーズを炙ったもの。アンデスではトウモロコシとチーズが、日本でいうおにぎりと漬物のような感じで食べられるわけですね。なので、この料理でのお酒のペアリングはありません。
Extreme Altitude duck ,black quinoa ,lake blue-green algae, wheat
非常に高い高度にあるこの近くの湖のイメージを表現したお皿で、そこで獲れる渡り鴨とクシュロという緑色の藻のアガー。近くで採れる草花を使ってサラダ仕立てにしてあります。
葉の下には、鴨の煮込みとブラックキヌアをのせて。ウチュクタというハーブのソースとサチャトマトのソース。鴨が獲れない時期にはアルパカの肉も使うようです。アルパカはまだ食べたことがないので、どこかで食べる機会あるかしら。
別皿には鴨をすべて使い、小麦と煮込んだアヒ・アリージョのようなもの。これを葉野菜にのせて混ぜながら食べました。
Vino Cara Sur Bonarda 2013
アルゼンチンの赤ワイン。標高何千mって言ってたかな。かなり高い所で作られているボナルダという葡萄。量これだけ?って思うかもしれませんが、標高が高い所で飲むと酔いが回りやすいので、配慮してくれています。
窓から刺す西陽がきびしいというので、部屋を移動しました。
ここの窓は北向きに面しているんだっけ?南半球だと太陽の向きが逆なので、混同してしまいます。
天気が良く、青空が広がる一日でした。
この毛は羊毛かな。アルパカ?
アンデスで採れる草花が展示してあります。
IPA del Valle
ビール。
Central Andes potatoes ,stems, chaco cray, chincho
6月の頭にこちらの畑で採れた芋は55種類。その中の4種類の芋を塩土釜に包んで焼いたものです。通常現地では、収穫した芋に土を盛って、ハーブ類を詰め、焼き石で蒸し窯のように火入れするそうです。セントラルでもこちらの畑で採れた芋の何種類かを食べさせてくれました。
ウチュクタというハーブのソース。山椒にも似た香りがします。
2種類の紫色したジャガイモは、それぞれ異なる種類です。独特の香りとホクホク感があり、何もつけずに美味しいです。なのでウチュクタのソースにはつけなかったのですが、ほのかに辛味があるソースだと言っていました。
こちらは黄色と紫のマシュワの2種類。ペルーでは、現地人はマシュワはジャガイモではないと言っている通り、繊維質とねっとりとした粘度がある食感で、どちらも強い甘みと旨味があります。
Chincha Tuna
チンチャとサボテンの赤い色素を使ったお酒。
Frozen Cordillera wild muna,tumbo,kjolle
Kjolle(コージェ)という植物を乾燥させたもの。葉は表は緑色ですが、裏は黄色く、繊毛が生えています。花は染料として取るとここで見るオレンジよりピンク色になるそうです。Centralの2階に出来た女性シェフのレストランもこの植物の名前でしたね。花粉症の私は、ちょっとこの繊毛の粉か花の花粉でくしゃみや目のかゆみが出てきましたw
そのコージェのクリームとヨーグルトのクリームとトゥンボとワカタイのアイスクリーム。ムニャの新芽をのせて。かなりムニャはハーブティーに使われる葉で、こちらの中庭にも生えていました。コージェはアクや苦みとえぐみがあり、渋くて食べにくいソルベでしたが。
Miskioca
芋の蒸留酒にシトラスとピンクペッパーで作っているお酒だったかな。ほんのりロゼ色をしています。
これがMiskioca。販売もしています。
Huatia of Cacao mashwa,coca leaf, cacao,mucllage
カカオの全ての部分を提供するというポストレ。キアバンバという所で採れるカカオを使い、ここに来た時に最初に食べたフレッシュカカオの綿の部分や発酵焙煎していない豆などを使って液体窒素でシャーベットやムース状に作っています。コカの葉のパウダーと、下には精製した72%のカカオのピュレが入っています。
カカオの標本的なボトルも見せてくださいました。ラボで生カカオを試食して味や形状を見せて頂いたので、より理解が深まりました。カカオの収穫時期は12月から4月だそうで、試食したのはまだはしりのもの。こちらではそれを冷凍保存して、それ以外の季節にも提供できるようにしているそうです。
マシュワのチュイルを添えて。
食後は、最初に紹介してもらったスリーモンキーズカフェのコーヒーを。クスコから車で4時間くらいのサンタデルサという海抜2000m以上の畑で採れるアラビカ種のゲイシャを月齢で満月の3日前に手作業で収穫、発酵、乾燥、焙煎までのプロセスにこだわっているそうです。
そのカカオの発酵から焙煎までの過程を聞きながら、丁寧に入れてくださいました。
最初はジャスミンやシトラスの香り、中盤からはベリー系の香りやスイカの香り。冷めてからの香りや味と3段階で味わってくださいと。ハリオの器具を使って煎れるのは、一番香りの変化が楽しめるだからだそう。
食後はタクシーを待つまで30分くらいかかるというので、再び藤田さんにいろいろお話を伺いました。前日Centralに行き、そこで出たアンデスの食材の予習はできていたのですが、正直ここででてきた料理には別の感動を覚えました。
標高3500m前後のアンデス高地で採れる食材を料理人や研究員達が畑仕事に関わりながら、その土地の食文化や背景を基にガストロノミーに提供してくれる。その料理人達の8割方がクスコ出身だそうです。そして、現地の生産者たちの畑仕事を手伝いながら、収穫した食材を研究し、どのように調理したら美味しく食べれるかをダイレクトに表現し、伝えてくれるので、食べ手もここに来るまでのアンデス高地の景色を見ながら、風土や気候に数時間でも触れることで、私も素人なりにも理解しながら味わうことができました。
「Central」は、今のペルーのガストロノミーなレストランとしては、ペルーの珍しい食材を使ったアヴァンギャルドなレストランとして評価されていますが、それは原点に戻るための、一過程。一昔前のNomaがそうであったように、美味しい不味いの評価でいうと、美味しくないかもしれない、いや美味しいと思う人もいると思う。それは個人の評価の基準はそれぞれ異なる中で、まだまだペルー食材への理解や知識が少ないにも関わらず、間口が広すぎて、初めてペルーに来た私にってはいまいちピンとこなかっただけだと思います。美味しい不味いより、なんでこの食材をこういう風に料理したのだろうという疑問。その背景や説明が欲しかったけれど、それが芋なのかフルーツなのかもわからない食材をしつこくを聞くと、これですと現物を持ってきてくれたので、ああ、これがこう使われているのねと自分流で理解し、後で調べてなるほどと。でも考えると面倒くさくうるさい客だったかもしれませんね。
MILに来たことで、そして、藤田さんがいろいろ説明してくださったおかげで、アンデスの食材と料理の意味や知識をより深め、さらにその魅力を感じることができました。まだオープンして半年ですが、研究を進めながら、料理を作っていくことで、これからの発展も楽しみです。
次の予定としては2019年末だそうですが、ヴィルヒリト氏は、アマゾンの地にラボとレストランの設立を計画しているそうです。まあ数年後になるかと思いますが、ペルーはアマゾンの上流地域が6割を占め、そこでの食材も未知なるものが沢山あるので、興味深いです。今回つきっきりで説明してくださった藤田さんにはとても感謝しています。ありがとうございました。
帰りはタクシーでクスコまで戻りました。途中マラスの町で止まって、奥さんを乗せたいので相乗りしてもいいかと運転手。よくあるフレーズ。奥さんじゃなくても相乗りは当たり前なので、いいよと。女性二人乗ってきました。
日暮れフォルクローレの音楽が流れるタクシーの車内でクスコまで。
哀愁感ある音楽と夕日が切ないです・・・アンデスの夕日は、豊かな大地と空を包むように照らしながら沈んでいきました・・・。
「MIL Centro」
A 500 metro de distancia del conplejo,Arquelogico de Moray ,en ascenso,Maras ,Peru
010 51 926 948 088
milcentro.pe
ranmarun at 14:30│Comments(2)│
│ペルー
この記事へのコメント
1. Posted by Hi! December 11, 2018 00:55
ネイルとディップのリンクがお見事 ^−^
こちらの料理はペルーの一般的なものなのですか? ハイクラス⁉
こちらの料理はペルーの一般的なものなのですか? ハイクラス⁉
2. Posted by ロン December 11, 2018 09:50
ありがとうございます。たまたまでしたが^_^
ジャガイモ自体を食べるのはペルーでは大体どの料理にも入っているくらい一般的な食べ物ですが、こういう形で食べるのはガストロノミーなお店が多いです。その中でもここは特殊な技法を使っていますが。
ジャガイモ自体を食べるのはペルーでは大体どの料理にも入っているくらい一般的な食べ物ですが、こういう形で食べるのはガストロノミーなお店が多いです。その中でもここは特殊な技法を使っていますが。