旬席 鈴江@京都高柿の鮨@水天宮前

January 10, 2021

蟹王府(シェワンフ)@日本橋

「蟹王府(シェワンフ)」に行きました。

「成隆行蟹王府」の日本初上陸。
マンダリンオリエンタル東京がある三井二号ビルの1階に2020年12月12日にオープンした上海蟹に特化したお店です。本来ならば2020年夏にオープンする予定でしたが、コロナ禍の影響で料理人が来日できず遅れたそうです。

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上海の「成隆行蟹王府」は、60年以上歴史がある上海蟹の専門店で、2019年にミシュラン1つ星を獲得している名店で、香港の美食家 蔡爛(ツァイラン)氏が太鼓判を押しています。

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上海蟹は、自社養殖場で獲れる、年間4度の厳正なる免疫検査を経た安心安全かつ新鮮な上海蟹をその都度空輸するそうです。なので、一年中上海蟹の料理を食べることができます。

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店内は、大きなワインセラーを横目に、天井高く広々とした空間。
個室を含めると90席ありますが、人数を絞って予約客のみのようでした。

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夜のコースは、25000・35000・50000円の3つのコースがありましたが、25000円のコースを予約し、その他追加する形でオーダーしました。

食器やカトラリーは、青色と金色と蟹をモチーフにして、リモージュ焼きのオリジナルな食器が色々。
ナプキンには、ボタン止めがありました。女性は胸元で使う機会がないですが、男性は、シャツボタンに留められるので、いいですね。まあ最近は高級店でもTシャツで来る男性も多いけどw

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食前酒は、オリジナルカクテルで安蘭樹
花梨のシロップ漬けと白酒を、シャンパンで割ったカクテルです。
シャンパンは、アンリジローのエスプリ。
花梨と白酒の爽やかな香りと甘みにシャンパンが加わる芳醇な味わいに、レモングラスのマドラーを添えて。

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もう一つは、蟹王府トニック
白酒とライム、トニックウォーターで、すっきりとした酸味と香りです。

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上海蟹の姿蒸しは、雄(200ℊ)か雌(150ℊ)で選べます。
麻縄や加工縄ではなく、青わらで縛ってあり、もちろん活蟹なので、ぴくぴく動いています。
雌蟹はこの時期は、少し卵が硬くなっているそうです。
食べ比べてみたいので、両方お願いしました。

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まずは、冬瓜とゆり根の温かいスープで、胃を温めます。

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3種の付出しは盃のような器に、ミニトマトの甘酢漬け。
鶏肉とクラゲの香味油和え。ミックスナッツのスパイス砂糖かけ。
クラゲのが麻辣油で和えてあり、美味。
ナッツがサクッと軽くてもっと食べたいくらいでした。

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紹興酒は、古越龍山の10年物を。

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リストを見ると、20年、30年、40年もありましたが、高級ワイン並の値段。
10年物でも、とても上質で綺麗な旨味があります。まあ、500mlボトルで1万円もしますから。
ヘタに飲む紹興酒の10年物より、まろやかでこなれた甘みと風味で、全然美味しいです。

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三種冷菜


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フォアグラのテリーヌは、しっとりとなめらかに仕上げて、下には枝豆のスライスを敷いて。
老酒や上湯を含ませた上品な塩梅が素晴らしく、中華のフォアグラとしての着地点が綺麗に表現されていました。

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上海蟹の煮凝りだったかな。コンソメゼリーが旨し。

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チシャトウは細切りにして葱油で和えてあり、しゃきっとしながらしんなりと味を含んでいる食感。
なにげない一皿が美味しいです。

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南蘇名物 夫婦蟹味噌ソースかけご飯

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上海蟹の雄の白子と雌の内子と蟹味噌を蟹殻の香味油で和えたもの。
一口食べると、雄の白子のねっとり感と雌の内子の甘みや旨味が濃縮されています。

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これをジャスミンライスの上にのせて。

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混ぜ合わせて食べてくださいと。
そもそも雄と雌を混ぜて一緒に食べる機会はあまりないと思いますが、贅沢ながら米と合わせるのが一番美味しいんです。濃厚な卵かけご飯に舌鼓♪

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半分ほど食べた後で、別皿にあるバルサミコ酢をかけると、黒酢的な酸味がアクセントになります。

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姿蒸しは、まず雄蟹が来ました。

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これをサービスの方が綺麗に剥いてくださいます。

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蟹爪入り燕皮ワンタン蟹味噌酸辣スープ

蟹を剥いている間にスープを頂きます。
酸辣といっても、酸味や辛味はあまり主張させずに、濃厚な蟹味噌の旨味をマイルドに仕立てる上品で絶妙な塩梅です。

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別添えの揚げ米と香菜の茎を入れます。

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スープの中には、燕皮ワンタンが入っています。
燕皮は、芋粉に叩いた豚肉を練り伸ばしたもっちりと旨味のある生地です。

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その中には、蟹爪がたっぷり入っています。

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上海蟹の姿蒸し 

綺麗に解体された雄の蒸し蟹が運ばれてきました。
爪や足も食べやすいように丁寧に剥いてあります。
自分で剥くとここまで綺麗にできないので、やはりプロに剥いてもらうのが一番。

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そして、口内にまとわりつくような白子のねっとりとした食感と蟹味噌の甘みがたまりません。
新鮮で上質だからこそ、甲羅の皮下脂肪もあり、美味しい。

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残った蟹身もほぐしてくださり、余すことなく食べることができます。
生姜と溶いた黒酢も用意されていたので、それを少しかけながら頂きました。

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続いて雌蟹も。

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雌は、内子がたっぷり入っていて、そのほっくりしっとりと濃厚な甘みがたまりません。
この時期は少し硬くなってしまうということでしたが、味はしっかり美味しいです。

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残った身も綺麗にほぐし、雄と雌の味の違いを堪能することができました。

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蟹を頂いた後は、生姜茶。
蟹は体を冷やすので、甘辛い生姜茶が胃を温めてくれます。

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Arbois   Chardonnay   2015   Domaine  du  Pelican

ワインが飲みたくなったので、ジュラのシャルドネを。
爽やかなバニラ香が蟹料理に合います。

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燕の巣入り蟹肉煮込み

燕の巣がたっぷり入った蟹肉煮込み。
蟹味噌の鮮やかな色彩とコクを含んだ上湯の旨味と共に、燕の巣の食感がこれまた贅沢な味わいです。
燕の巣久しぶりに沢山食べたなあ。美肌になりますように(願)

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中国茶も香り高く美味しいです。

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北海道干しナマコの煮込み

ちょっとトラブルがあり、特別に出してくれました。
北海道の干しナマコの煮込みに、鬼蓮の実、葱、ロマネスコを添えて。

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肉厚で立派な干しナマコは、むっちりとした食感に、含ませたソースがこの上なく美味しい。
聞くと、玉葱と醤油の秘伝ソースだとか。
鬼蓮のもちっとした食感や葱の甘みとロマネスコもいいですね。
ありがとうございました。
シェフが素晴らしいので、次回は上海蟹以外の料理も、もしリクエストできれば色々食べてみたいです。

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豆腐の蟹肉煮込み

上海蟹の身と蟹味噌で煮込んだ柔らかな豆腐と優しい旨味。

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蟹肉入り麻婆豆腐

麻婆豆腐は、豆板醬の辛味をしっかりきかせて、旨し。
白ご飯が欲しくなりました。

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霜降り牛肉の秘伝醤油煮

霜降りの牛肉の塊を秘伝醤油でじっくり煮込み、とろっとほぐれる繊維にミントの葉がアクセント。
赤ワインも飲みたくなる深い味わいです。

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旬の野菜

A菜をニンニクと上湯でさっと炒めて。
しゃきっととろっと強火で仕上げたA菜が美味しい。

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蟹肉入り小籠包

箸で持ち上げると、たぷたぷにスープが入っている感じ。

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熱々のスープを少しすすって、中には蟹肉もたっぷり入っています。

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蟹肉入り焼き小籠包

下には白胡麻をまぶし、揚げ焼きにしてあります。

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ふわっとした生地とカリカリ胡麻の蟹肉饅頭。

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もう少し炭水化物を食べたかったので、追加で麺を。

蟹味噌麺

セロリ麺を頼んだはずが、蟹味噌麺。
でも、このスープが美味しいので、再び堪能できました。

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酸辣湯麺

酸味と辛味をしっかりきかせて、ふわっと蟹肉がのっていました。

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素麺のように細い麺が、するりとのどごしがいい。

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デザート

冷製のデザートは3種。
緑豆とアヒル塩漬け卵餡、ココナッツと小豆のムース、求肥と小豆餡ロールきな粉かけ。
どれも美味しい。

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黒胡麻団子の生姜スープ

途中でも出てきた甘辛の生姜茶に黒胡麻入り団子を浮かべて。

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食後のお茶。

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金品茶ですっきりと。

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食後にご挨拶に来てくださった料理長の張氏。
来日されたのは11月半ばで、そこから日本の調味料や食材を使って、日本人や在日中国人も納得するように色々アレンジしたそうです。
私は、上海の店よりも洗練された綺麗な味わいと奥に秘める力強さも感じました。

上海蟹の蒸し蟹もいいですが、多彩にアレンジした上海蟹料理やそれ以外の料理こそ、シェフの力量が感じられると思います。



「蟹王府」


東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井二号館1

03-6665-0958





ranmarun at 17:00│Comments(2) 中華 

この記事へのコメント

1. Posted by Hi   January 15, 2021 00:52
安定供給ですね♪
紹興酒が進む数々の料理です
2. Posted by ロン   January 15, 2021 08:18
>>1
久しぶりに上海蟹を頂きましたが、どの料理もとても美味しかったです。
季節が変わるとどのようにアレンジするのかが、また楽しみです。

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