ル・マノアール・ダスティン@銀座松川@赤坂

January 19, 2021

フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ@軽井沢

「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」に行きました。


最初のスプマンテカクテルは、色々なスパイスの香り。
シェリーに、アニス、ウイキョウ、チョウジ、ネズノミ、ポワブルロングというインドネシアの胡椒を漬け、カデルボスコで割ったもの。
暖炉の薪の炎を見ながらの食前酒は、胃も体も温めて、スパイスの風味が胃を活性化させてくれます。

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赤カブと胸腺のヴァポーレのスフォルマート 牡蠣のヴァポーレ

仔牛の胸腺は月桂樹の葉で茹でこぼした後、赤カブと炒めと共に、野菜のスープで煮込み、ミキサーをかけた後に、ほろほろ鳥の全卵を加え、ストファートに。
ブルターニュの牡蠣は殻付きのまま蒸して、イタリア黒トリュフのソースとリグーリアのオリーブオイルをかけて。

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私は牡蠣アレルギーなので、ブルターニュの鮑を殻付きのまま蒸したものと肝のマリネをのせて。
まろやかでコクのあるスフォルマートは、胸腺のミルキーなコクに赤カブの甘みと苦みがキレと香りを出すように。

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Bosco  Pierangelo 2017  

果実感が強めなネッビオーロの甘み。
普段は白ワインをはさむのですが、この日は前菜からメインまで、赤ワインが出てきます。

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スズキのクネルのインサラータとプンタレッラのジュリエンヌ

スズキのクネルと思いきや、まず上にのっているのはフォアグラでした。
フォアグラは、塩だけで強火で表面を焼き、オープンでローストして冷やしたものを薄切りに。
赤牛のパルミジャーノ36ヵ月をスライス。

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ブルターニュのスズキは、切り身にしてからタレッジョやほろほろ鳥の全卵を加えクネルに。
ローマのプンタレッラは、ラルドーネや青いけしの実、松の実、オリーブオイルとコラトゥーラで和えて。
クネルを作るのは珍しいと思ったら、コースのテーマが「おせち」だそうで、クネルは練り物的に、フォアグラも冷製に仕立てたそうです。ちなみに最初のスプマンテカクテルは、お屠蘇風、スフォルマートは茶わん蒸し風だそうです。
小林シェフ流の解釈が面白いですね。

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うさぎのストゥファート 菊芋添え  ちりめんキャベツとゴルゴンゾーラのズッパ

ちりめんキャベツと茹でこぼした野菜、ゴルゴンゾーラをミキサーにかけてズッパにして。
うさぎの腿肉は、フォアグラの脂で蒸し煮にして。菊芋や干した空豆はオーブンで煮込み、櫛型に切ったカルドンチェッロという茸は網焼きにして。ココナッツファインをトーストしたものをパン粉のように振りかけて。 

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天然酵母のパンの中には、黒粒胡椒が入っています。

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ちりめんキャベツと野菜の甘みにゴルゴンゾーラの風味が濃厚なズッパ。
その上に、うさぎの腿肉や菊芋、空豆などが合わさり、ケイパーがアクセント。
聞くと、豆や芋、椎茸などの煮しめ的な料理をイメージしたそうで、ココナッツファインで煮物の甘さを出したかったそうです。パンを添え、ズッパに仕立てたのは、お雑煮的な意味もあるのかな。

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Banino Tranquillo  Rosso   2016 San  Colombano

ロンバルディアの地葡萄バルベーラ、ウーバラーラとクロアティーナ。
ブラックベリーやカシスの果実味とタンニン。

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仔鴨胸肉のインパデッラ  レンズ豆とポロ葱のステッキーノ

フランスの仔鴨の胸肉は、フライパンで焼いた後、休ませずに薄切りにして。
下には、緑レンズ豆とプロシュートを蒸し煮したもの。網で炙ったジロール茸。
上には、ポロ葱の素揚げとクルティンというトリュフを練りこんだチーズをすりおろして。

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鴨と葱の日本的な組み合わせと鴨ロースもおせちに入っていたりしますね。
レンズ豆はヨーロッパではお金を意味し、イタリアでは新年になったらお金が入りますようにと、クリスマスや大晦日にレンズ豆の煮込みを食べる習慣があります。

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パッパデルレ 仔羊の背肉のラグー ラディッキオ・ロッソ・トレヴィーソ

フランスシストロンの仔羊の背肉は角切りにして、ふわっと弾力がある食感に火入れして。
ラディッキオ・ロッソ・トレヴィーソとマドゥーロというサルディーニャのチーズやペコリーノ、パルミジャーノを細かく切ってガレット状に焼き上げて、シチリアのアーモンドの細切りをのせて。

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ざっくり裏返すと、いつもよりも幅広でもちっとした食感のパッパデルレ。
これも餅的な食感にしているのかも。
カルチョフィも広げるように焼いて、門松をイメージしたそうです。

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Barbera d’Alba   Vigna  Francia   2015     Giacomo  Conterno

なめし皮やカカオの香りとプラムやブラックベリーの果実味のバルベーラ。
日本ではここでしか飲んだことがないけれど、渋みや酸味スパイス感もありながら、丸さのあるなめらかなタンニン。

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蝦夷鹿フィレのインパデッラ  

蝦夷鹿のフィレ肉は、塊のままフライパンで焼き、筒状に切り分け、山羊のブルーチーズを潰して、シャロットやドライアプリコット、リグーリアのオリーブオイルで練り合わせたものをのせ、バーナーで炙って。
黒オリーブとシチリアの胡桃のスフォルマートを添えて。
筒状に仕上げたのは、しめ縄の意味もあるそうで、黒オリーブは黒豆に見立てて。
一口サイズの中に、鹿肉の滋味とブルーチーズの塩気と風味、アプリコットの甘み。
スフォルマートのナッティな胡桃の食感と黒オリーブの酸味が合わさります。

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天然酵母のパンは、エスプレッソコーヒー豆が入っています。
深煎りの苦みのある香りが、アクセントに。

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カザティカとボッタルガ  エシャロットとキャビア

チーズ料理は、カザティカという水牛乳で作られた白カビタイプのチーズとからすみをとろりと加熱し、エシャロットとキャビアをのせて。からすみ餅的な。
今回は、どの料理にもいろいろなチーズが使われていて、赤ワインと共に、リッチで濃厚な味わいでした。

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Mirto di  Sardegna  Tremontis

サルディーニャのミルト酒。
マートルの実から作られるリキュールで、ハーブの香りとビターな甘みが心地よく、アルコール度30%なのにするっと飲めるのが危険なお酒。調子よくおかわりして飲んでいたら、次の日二日酔いでしたw 

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リンゴとウンブリアのアマローネのチーズのベニエ

岩手のリンゴとウンブリアのアマローネに漬けたチーズのベニエ。
少し苦みのある西洋ヤマモモの蜂蜜をかけて。

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小菓子

ドライアプリコットとエメンタールチーズ、マスカルポーネの焼き菓子。
ミルト酒で煮た栗にバローナの61%カカオをコーティングしたもの。

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エスプレッソ。

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おせちをテーマに、その解釈のアレンジに遊び心がある料理でした。




「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」

長野県北佐久郡軽井沢町長倉2147-689




ranmarun at 17:00│Comments(0) イタリアン 

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