セイズファーム

April 12, 2019

SAYSFARM 〜フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ〜@富山 

久しぶりに富山です。
今回は、富山氷見のワイナリー「SAYSFARM」にて行われる、軽井沢の「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」の小林シェフとのペアリングイベントの為に来ました。

富山駅で集合して、そこからマイクロバスでワイナリーへと向かいます。

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天気はあいにくの曇り空でしたが、途中河川敷に続いている桜並木が見事でした。

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バスで1時間ほど走り、小高い丘の上にある「SAYSFARM」に着きました。
丘の上からは、富山湾と市街地が見下ろすことができます。

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そして、広がる葡萄畑。
100%自社原料のみの葡萄でワインを生産しています。
といっても限定数が限られているので、市場にはなかなか出回らず、私も富山の「L'evo」でしか飲んだことがありません。

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ワイナリーにはレストランと宿舎が併設されています。

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そして、ダイニングへ。右にはキッチンがあります。
30名が着席できる長いテーブルスペース。
ウェディングなどの催しやいろんなシェフとのコラボなどが行われているそうです。

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この日は、イタリアンの奇才と言われる、軽井沢の「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」の小林幸司シェフとのイベント。
テーブルには、シェフの手書きのメニューが置かれています。
普段はシェフが厳選したイタリアワインと頂くので、日本ワインしかもSAYSFARMのワインと合わせていくペアリング企画を楽しみにしていました。
しかも満寿泉の日本酒も合わせていくという豪華なペアリングだそうです。

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皆集まったところで、小林幸司シェフがご挨拶。

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まずは、セイズファームのリンゴと洋梨のシードルに、オレンジとねずの実を煮出して漬けたリキュールを注いだカクテルで乾杯します。普段シェフはスプマンテのカデルボスコにこういったリキュールを加えて出していますが、今回は、セイズファームのシードルと合わせました。

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Cidre  Fuji & Granny Smith & Le Lectier

自社栽培しているリンゴ(フジ、グラニースミス、王実)と西洋梨(ル・レクチェ)を使ったシードルです。それだけで飲むと甘みも少なくすっきりとしています。
ここに小林シェフのリキュールをプラスすることで、オレンジの果実味やねずの実の香りが後の料理の引き立て役になっていきます。

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サーモンとホワイトアスパラガスのタルタル パイナップルとコラトゥーラのサルサ

タスマニアサーモンと北イタリアのホワイトアスパラガスに、刻んだケイパーの花とエシャロットを合わせたタルタル。パルミジャーノのスライスと刻んだボッタルガをのせて。パイナップルと野菜のスープとコラトゥーラのソース。

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パルミジャーノとタルタルの間には、サルディーニャのカルチョフィをビネガーでマリネしたものとロンバルディアのキャビアが挟んであり、崩し混ぜ合わせながら頂きます。酸味、苦み、甘み、旨味が色々と合わさり、シードルカクテルの香りや果実味が、より複雑味を与えて奥深い味わいに。

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ここで、日本酒は満寿泉のプラチナを。山田錦35%のすっきりとした甘みです。

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Pinot Noir 2016

次の料理のワインは、ピノノワール。
香りはベリーやチェリー。その味わいは若い酸味と苦みにまだ若く土くささもありますが、そこに次の料理を合わせていくと、石灰質などのミネラル感が豊富な味わいが馴染んでいきます。

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R 満寿泉

ドンペリを作るワイン酵母で作った日本酒。
こちらは某店でファーストビンテージを飲んだことがありますが、ワイン酵母で作る日本酒は、ほんのり米の甘みとワイン酵母由来の品のいい酸味と香り。くいくい飲めてしまうのが危険なお酒です。

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仔羊とスピニョーラのズッパ ダンディライオンとゴルゴンゾーラのスフォルマート

乳飲み仔羊ののスジ肉を角切りにして、スピニョーラ(野生の衣笠茸)、塩と酢に漬けたケイパーの花とアンチョビ、ロンバルディアのピノネッロの赤ワインと野菜のゆでこぼしスープで煮込んだズッパ。軟白栽培の西洋タンポポの葉とゴルゴンゾーラにゆでこぼしたにんにくとエシャロットとホロホロ鳥の全卵を溶いてオーブンで焼いたスフォルマート。サルディーニャの松の実を添えて。
仔羊の脂の香りとトスカーナのオリーブオイルの香りを合わせ、わりとオイリーに仕上げてありましたが、それによってワインや日本酒に合わせてもつなぐ形になっていると思います。

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Chardonay 2015 

パイナップルやピーチなどのトロピカルフルーツの香りに、ナッツやバターなどの香ばしさも感じます。酸味はマイルドでしっかりとしたくちあたりです。

Masuizumi Private Reserve 2018

そして、満寿泉の純米大吟醸は、シャルドネを樽発酵するときに使用した樽に貯蔵したものです。
黄色く色づいた日本酒は、木樽からのバニラやロースト香と洋梨のような吟醸香が風味豊かな味わいです。

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オルツォのマンテカート うずらとホワイトアスパラガス ラディッキオロッソの包み焼き 

ラディッキオロッソで包み焼きにした料理は、いろいろバージョンがあり、そこでふわっと開けた食感が大事なのだけれど、今回は30名と大人数。調理過程と皿を運ぶタイミング、説明の時間差を加えてもパスタでは限界があるので、かなり時間が経っても美味しく頂けるように、大麦のリゾットを中に入れ、チーズやオイルで包み込むように仕上げてありました。

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ラディッキオロッソで包んだ中には、ロンバルディアの大麦、ドンブのうずらの腿肉の角切り、リグーリアの自生アスパラの軸を刻んだものペコリーノフレスコと混ぜ合わせたもの。
これにうずらの胸肉の薄切りをのせ、ベローナのラディッキオ・ロッソで包んでオーブン焼きに。バスクの赤唐辛子の薄切りとゆでこぼしたにんにくとエシャロット、野菜のスープ、ラルドーネをミキサーにかけたソース。
ズッパもそうでしたが、今回はいつもよりも料理全体がオイリーな感じです。
お酒をいろいろ飲みながら時間をかけて食べるため、そのように仕上げたのでしょう。
後の質問で聞いて驚いたのですが、このリゾは麦だけのもの、麦と塩だけのもの、麦と鶉とアスパラガスを炒めたものを別々に調理してから、一つにまとめて合わせているそうです。そこで日本酒やワインなどのいろんなお酒と合わせると、食べ進むうちにいろんな組み合わせの表情がでてきて、味わいが広がっていき、飽きずに食べられるように作っているのだそうです。

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Merlot  A3 2016

画像はありませんが、メイン料理に合わせた赤ワインは、メルロー。
A-3という区画は表土が浅く、海から隆起した珪藻土岩質の地質に樹の根が根差しています。ポリフェノール成分が充実して色合いも濃く、タンニンも豊富です。


ウサギの背肉のインパデッラ 仔牛の胸腺とおかひじきとピスタチオ
スコルツォーネ
 タレッジョとマニゲットのサルサ

ロンバルディアのウサギの背肉はフライパンで強火でさっとローストし、仔牛の胸腺はムニエルにして、塩を加えて茹でたおかひじきの上にのせ、ピスタチオ、スコルツォーネ(サマートリュフ)をスライスして。
タレッジョチーズとゆでこぼしたにんにくとエシャロットに、マニゲットというスパイスを加えてミキサーにかけたソース。お肉の火入れは素晴らしく、おかひじきのしゃきしゃきした食感がアクセントになっていました。

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貴醸酒 生酒

ほんのり黄色がかった生の貴醸酒をデザート酒に。
生酒バージョンは初めて飲みましたが、すっきりとした甘みとフルーティな香り。

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苺のビニェ チョコラートのフラミータ

ドルチェは、温かい苺のベニエと、カカオ61%の冷たいチョコレートのジェラート。
ショーフロワな温感を楽しみました。

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食後はシェフへの質問タイムのコーナー。
シェフのお料理を初めて食べる方もいれば、通いつめている常連客、そして、セイズファームのワインを愛する方達。それぞれのいろんな質問に丁寧に適格に答えてくださいました。

シェフのお料理に、セイズファームのワインと満寿泉の日本酒を合わせるという、今までない形のコラボレーション。料理自体は美味しいことは前提で、そこにいつもと表情を変える要因を持っているワインと日本酒を合わせることに対して、食材を単に美味しいと思うだけでなく、そこに食感や香りの違いを細かく仕込んでいき、少しアンバランスを重ねることで、いろんなお酒を合わせる不協和音的な要素が、味わいに変化をもたらし、流れの中に小さな波を感じながら、いろんな表情をみせてくれてくれる。そして、最後のドルチェまで飽きずに食べ終えた時にこれまでの料理の全体像が浮かび上がってくるように、構築しているそうです。

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食材に対する質問に関しては、シェフは基本的に食材を発注をかけることはなく、その時期に送ってきた食材やワインをその生産者からの情報をもとに、その日に来るお客様がどういう方なのかを考えながら、テーマを決めて献立を組みそうです。試食は全くしませんが、大事なのは食材の味やワインの味ではなく、それをもっている生産者からの情報とその方との相性。食べ手も食材のうちであると。
コースに使う50種類くらいの食材の中で、例えば仔羊ならば、肉として扱うのではなく、そこから出てくる脂や香りと味がするもの、ワインもその香りと味がするものと捉え、その料理にないものをワインやスパイスを入れたパンなどで補ったり、その逆もあるそうです。それらをその日の天候や湿度により、ワインならばグラスと温度を変え、お客様がワインを飲むか飲まないかでも仕立てを変え、何十にも変化させていきますと。(以下略)
一つの質問に対して、10以上の答えが返ってきます。他にも多数質問がありましたが、どれも納得できる答えで拍手喝采で〆。



今回飲んだセイズファームのワインと満寿泉の日本酒のラインナップ。
素晴しいコラボレーションでした。

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そして、ワイナリー見学へ。

「SAYSFARM」

富山県氷見市余川字北山238

0766−72−8288


ranmarun at 12:30|PermalinkComments(0)