ルーラ
December 01, 2019
ルーラ@京都
「LURRA゜」に行きました。
今年7月に京都東山の町屋を改装してオープンしたレストラン。
2年前のGrisに数週間いたソムリエの宮下さんから、来年京都でお店を開くので、是非来てくださいと言われながら心待ちにしてしました。
築100年以上の町屋の改修工事などいろいろあり、その間にポップアップの告知などもあったのですが、なかなか行けず。
オープンは1年ほど遅れましたが、楽しみにしていました。
シェフは、Jacob Kear(ジェイカブ・キア)、ゼネラルマネージャーの宮下拓己、ミクソロジストの境部雄介の3人によるレストランプロジェクト。3人はニュージーランドの「Clooney」というレストランで、共に出会い、働き、日本の京都でレストランを開こうと試行錯誤してきたそうです。
店内は、オープンキッチンのカウンター12席。
薪の窯と石窯の2つがあり、ベルギーヘントのKobeシェフの「Chambre separee」をこじんまりとさせたような雰囲気をかもしながら、活気に溢れています。
瓶の中の発酵食材的なものもライトアップして、カラフルに演出しています。
石窯には、サインがいっぱい書かれていました。
奥の吹き抜けのスペースには、桜や楢の薪が置かれています。
3本に伸びる紅葉の枝は、まだ細く葉も少しですが、これから進んでいく3人のベクトルかな。
「LURRA゜」は、バスク語で地球という意味で、゜は、その周りを回る月。
そして、世界にここ以外ないLURRA゜という座標を意味するそうです。
17時半と20時半の2回転制で、コースはアルコールペアリングとノンアルコールペアリング含む25000円。アルコールは後でさらに追加しました。
20時半からの会に行きました。
Cuvee Saint La 1er Cru Francois Bergeronneau
シャンパンからスタート。
シャルドネ主体にピノムニエとピノノワールのすっきりとした酸と甘み。
ビーツ、ポテトとアボカド
細切りにしたじゃがいもを揚げたものに、窯でローストしたビーツとアボカドのクリームをはさんで。
コリアンダーの葉とライムの皮。
料理の説明をするシェフのジェイカブ氏が日本語を流暢に話すなあと思ったら、アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、幼少時から12年日本で過ごしたそう。少年時代から長野県野尻湖の湖畔にある祖母の家に帰る度に、祖母の山菜狩りに出かけ、その頃の記憶や体験が料理のベースになっているそうです。
さくさくっと軽く揚げたポテトをバンズのように、ビーツとアボカドのクレマが優しく溶け合います。
L'Ange Vin Cuvee Bistrologie Jean Pierre Robinot
シュナンブラン100%。シトラスや洋梨の香りにミネラル感。
赤足海老、蒸しブリオッシュとキャビア
ロブスターロールをイメージして、伊勢の赤足海老は窯の中でローストし、マヨネーズで和え、昆布締めしてほんのり温めたキャビアをのせたもの。蒸しパンのような柔らかなパンは、バターをのせて焼いたそうです。
Graue Freyheit 2016 Heinrich
オーストリアのオレンジワイン。
陶器の瓶に入っていますが、アンフォラではなく、ピノグリ、シャルドネ、ピノブランを使用済みの小樽で熟成しているそうです。
柿、銀杏と胡桃
柿なますをイメージして、生の柿とローストした干し柿に、銀杏、湯葉、自家製胡桃バターで和え、生の胡桃のスライスと柚子皮をのせて。その食感と風味が心地よく、柿なますをイノベーティブに表現しています。
ビール 京都醸造一期一会と奥大和ハーバルエール
京都醸造の一期一会は、ベルギー酵母とアメリカとニュージーランドのホップのセゾンスタイル。
奥大和のハーバルエールは、麦芽の他に奈良の米の使用し、コリアンダーシード、オレンジピール、レモングラス、ローズヒップ、ナツメグなどの香りを調和させたもの。
紅まどんなという愛媛みかんを発酵させたソースとよもぎ粉を煎ったパウダーに、この2種のビールを合わせて。ビールのカクテルとしては複雑な要素がいろいろ入っていますが、飲むと綺麗にまとまっていているのは、さすがミクソロジストの境部さん。
鰆、焦がし胡瓜とバターミルク
三重のとろ鰆は、皮を熾火で炙り、米藁で燻製し、バターミルクとコリアンダー、ディルオイル。
周りには、ベビー胡瓜の皮を焦がして、ディルの花漬けをのせて。
ディル、ガーネット、ブロンズフェンネル、ボリジ、サルナシのピクルスにコリアンダーソース。
ハーブをちぎり、混ぜながら食べてくださいと。
焦がした胡瓜にフェンネルの花漬けやパウダー、サルナシのピクルスにコリアンダーが北欧料理を思い出しながら、脂がのった鰆を美味しくさっぱりと食べさせてくれます。
Madloba 2014 Domaine des Miquettes
ローヌのビオニエとマルサンヌ。硫黄やヨード香のある酸化熟成ワイン。
エチケットの絵柄は、クヴェベリ的な甕から抜け出せなくなったエピソードをモチーフに。
せいこ蟹と雲丹、黒トリュフとイラクサ
大原のイラクサのチュイル。
野草などの食材は、市内から車で20分ほどの大原の畑で季節に合わせて収集するそうです。
その下には、せいこ蟹のババロアといろんな茸のエキスに黒トリュフ。
利尻の雲丹と山葵をのせて。
せいこ蟹のロワイヤルを茸のエキスやイラクサのチュイルと混ぜながら食べます。
Vin Jaune 2010・Flor 2015 BKWines・Ximenez-Spinola
ジュラのサバニャンとオーストラリアのサバニャン、ペドロヒメネスに、マルメロを乳酸発酵させた酸味を加えて。
ワインも混ぜて、ペドロヒメネスも加えちゃうみたいな境部酒芸が面白い。
それぞれ個性があるワインを混ぜると、意外にまろやか。料理に合うなら、こういうペアリングの個性もありでしょう。
岩手産の根セロリを窯で2時間焼き、燻香をつけるように10時間ぶら下げたもの。
次の料理にでてきます。
根セロリ、発酵林檎と酸葉
その根セロリに、発酵林檎や昆布のジュースを塗って、さらに焼き。大原のスイバとホースラディッシュのソース。カタバミの葉を添えて。
滋賀のカタバミの葉は、宮下さんが時間をかけて、葉牡丹のように綺麗に盛り付けていました。
苦みと酸味を合わせることにより、根セロリのほくほくした甘みが強調されます。
メインの肉用ナイフには、蝦夷鹿の角の柄に義定のナイフ。
ALV Rosso 2017 Cinque Camini
イタリアカラブリアのカベルネソーヴィニヨン60%とメルロー40%。
スパイス感のある濃厚な果実味。
丹波鹿、金時人参とヨーグルト
丹波鹿のロースにほんのり燻香。
ヨーグルトとバルバレというエチオピアのスパイスの香りを添えて。
くせがない鹿肉ですが、ヨーグルトとスパイスでさらに旨味が出てきます。
大原の人参は、熾火で焼き2日乾燥させたものに、人参ピュレ。スグリやイタドリをのせて。
バルバレというエチオピアの香辛料だけを見せてもらいました。
数十種類のスパイスが組み合わさっているそうですが、なめるとこれがくせになる辛さと旨味。
ワインを飲んだり、さらに鹿肉にふりかけても美味。
勝山酒造 純米吟醸
そのまま飲むと甘くフルーティですが、檜のフィルターにかけて、丸焼きにしたグレープフルーツのエッセンスとブラックペッパーを加えて。これも面白い。
焼き栗ご飯、松茸と松の出汁
丹波の栗ご飯を焼きおにぎり風にして、松茸と澱粉のチップスをのせて。
ここに能登の塩と松の香る出汁を注ぎます。
食後のデザートは、カウンターから、iroriという大きなテーブルがあるスペースに全員で移動し、デザートとカクテル、食後のワインを楽しみます。
そうこうしていると、またカクテルを作っています。
ローストした麦の麹と塩を漬けこんだものに、和のスピリッツを加えたコーヒー風味のカクテル。
スピリッツはWapirits TUMUGI 麦と麹を使った和ピリッツ。
梨、レモンバーベナとゲヴェルツトラミネール
和梨のシャーベットと洋梨のコンポート。
ゲベルツの白ワインゼリーと、レモンバーベナのメレンゲ。
菊芋のドーナッツ
菊芋のチップスの上にのせられたドーナッツ。
早く食べてくださいと。
衣の中には、菊芋のアイスクリーム。
氷結させたアイスクリームを低温と揚げを繰り返しながら作ったそうですが、このショーフロワな温感いい感じ。
Santo Trentino 2009
食後にデザートワイン。
京都という土地で、その自然と食材をいかしたイノベーティブな料理は北欧料理ではなく、LURRA゜の料理として、ブームでなく、カルチャーをつくる。
新たに繰り広げる今後にも期待したいと思います。
「LURRA゜」
京都府京都市東山区石泉院町396
050-3196−1433
予約は、HPから。www.lurrakyoto.com
今年7月に京都東山の町屋を改装してオープンしたレストラン。
2年前のGrisに数週間いたソムリエの宮下さんから、来年京都でお店を開くので、是非来てくださいと言われながら心待ちにしてしました。
築100年以上の町屋の改修工事などいろいろあり、その間にポップアップの告知などもあったのですが、なかなか行けず。
オープンは1年ほど遅れましたが、楽しみにしていました。
シェフは、Jacob Kear(ジェイカブ・キア)、ゼネラルマネージャーの宮下拓己、ミクソロジストの境部雄介の3人によるレストランプロジェクト。3人はニュージーランドの「Clooney」というレストランで、共に出会い、働き、日本の京都でレストランを開こうと試行錯誤してきたそうです。
店内は、オープンキッチンのカウンター12席。
薪の窯と石窯の2つがあり、ベルギーヘントのKobeシェフの「Chambre separee」をこじんまりとさせたような雰囲気をかもしながら、活気に溢れています。
瓶の中の発酵食材的なものもライトアップして、カラフルに演出しています。
石窯には、サインがいっぱい書かれていました。
奥の吹き抜けのスペースには、桜や楢の薪が置かれています。
3本に伸びる紅葉の枝は、まだ細く葉も少しですが、これから進んでいく3人のベクトルかな。
「LURRA゜」は、バスク語で地球という意味で、゜は、その周りを回る月。
そして、世界にここ以外ないLURRA゜という座標を意味するそうです。
17時半と20時半の2回転制で、コースはアルコールペアリングとノンアルコールペアリング含む25000円。アルコールは後でさらに追加しました。
20時半からの会に行きました。
Cuvee Saint La 1er Cru Francois Bergeronneau
シャンパンからスタート。
シャルドネ主体にピノムニエとピノノワールのすっきりとした酸と甘み。
ビーツ、ポテトとアボカド
細切りにしたじゃがいもを揚げたものに、窯でローストしたビーツとアボカドのクリームをはさんで。
コリアンダーの葉とライムの皮。
料理の説明をするシェフのジェイカブ氏が日本語を流暢に話すなあと思ったら、アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、幼少時から12年日本で過ごしたそう。少年時代から長野県野尻湖の湖畔にある祖母の家に帰る度に、祖母の山菜狩りに出かけ、その頃の記憶や体験が料理のベースになっているそうです。
さくさくっと軽く揚げたポテトをバンズのように、ビーツとアボカドのクレマが優しく溶け合います。
L'Ange Vin Cuvee Bistrologie Jean Pierre Robinot
シュナンブラン100%。シトラスや洋梨の香りにミネラル感。
赤足海老、蒸しブリオッシュとキャビア
ロブスターロールをイメージして、伊勢の赤足海老は窯の中でローストし、マヨネーズで和え、昆布締めしてほんのり温めたキャビアをのせたもの。蒸しパンのような柔らかなパンは、バターをのせて焼いたそうです。
Graue Freyheit 2016 Heinrich
オーストリアのオレンジワイン。
陶器の瓶に入っていますが、アンフォラではなく、ピノグリ、シャルドネ、ピノブランを使用済みの小樽で熟成しているそうです。
柿、銀杏と胡桃
柿なますをイメージして、生の柿とローストした干し柿に、銀杏、湯葉、自家製胡桃バターで和え、生の胡桃のスライスと柚子皮をのせて。その食感と風味が心地よく、柿なますをイノベーティブに表現しています。
ビール 京都醸造一期一会と奥大和ハーバルエール
京都醸造の一期一会は、ベルギー酵母とアメリカとニュージーランドのホップのセゾンスタイル。
奥大和のハーバルエールは、麦芽の他に奈良の米の使用し、コリアンダーシード、オレンジピール、レモングラス、ローズヒップ、ナツメグなどの香りを調和させたもの。
紅まどんなという愛媛みかんを発酵させたソースとよもぎ粉を煎ったパウダーに、この2種のビールを合わせて。ビールのカクテルとしては複雑な要素がいろいろ入っていますが、飲むと綺麗にまとまっていているのは、さすがミクソロジストの境部さん。
鰆、焦がし胡瓜とバターミルク
三重のとろ鰆は、皮を熾火で炙り、米藁で燻製し、バターミルクとコリアンダー、ディルオイル。
周りには、ベビー胡瓜の皮を焦がして、ディルの花漬けをのせて。
ディル、ガーネット、ブロンズフェンネル、ボリジ、サルナシのピクルスにコリアンダーソース。
ハーブをちぎり、混ぜながら食べてくださいと。
焦がした胡瓜にフェンネルの花漬けやパウダー、サルナシのピクルスにコリアンダーが北欧料理を思い出しながら、脂がのった鰆を美味しくさっぱりと食べさせてくれます。
Madloba 2014 Domaine des Miquettes
ローヌのビオニエとマルサンヌ。硫黄やヨード香のある酸化熟成ワイン。
エチケットの絵柄は、クヴェベリ的な甕から抜け出せなくなったエピソードをモチーフに。
せいこ蟹と雲丹、黒トリュフとイラクサ
大原のイラクサのチュイル。
野草などの食材は、市内から車で20分ほどの大原の畑で季節に合わせて収集するそうです。
その下には、せいこ蟹のババロアといろんな茸のエキスに黒トリュフ。
利尻の雲丹と山葵をのせて。
せいこ蟹のロワイヤルを茸のエキスやイラクサのチュイルと混ぜながら食べます。
Vin Jaune 2010・Flor 2015 BKWines・Ximenez-Spinola
ジュラのサバニャンとオーストラリアのサバニャン、ペドロヒメネスに、マルメロを乳酸発酵させた酸味を加えて。
ワインも混ぜて、ペドロヒメネスも加えちゃうみたいな境部酒芸が面白い。
それぞれ個性があるワインを混ぜると、意外にまろやか。料理に合うなら、こういうペアリングの個性もありでしょう。
岩手産の根セロリを窯で2時間焼き、燻香をつけるように10時間ぶら下げたもの。
次の料理にでてきます。
根セロリ、発酵林檎と酸葉
その根セロリに、発酵林檎や昆布のジュースを塗って、さらに焼き。大原のスイバとホースラディッシュのソース。カタバミの葉を添えて。
滋賀のカタバミの葉は、宮下さんが時間をかけて、葉牡丹のように綺麗に盛り付けていました。
苦みと酸味を合わせることにより、根セロリのほくほくした甘みが強調されます。
メインの肉用ナイフには、蝦夷鹿の角の柄に義定のナイフ。
ALV Rosso 2017 Cinque Camini
イタリアカラブリアのカベルネソーヴィニヨン60%とメルロー40%。
スパイス感のある濃厚な果実味。
丹波鹿、金時人参とヨーグルト
丹波鹿のロースにほんのり燻香。
ヨーグルトとバルバレというエチオピアのスパイスの香りを添えて。
くせがない鹿肉ですが、ヨーグルトとスパイスでさらに旨味が出てきます。
大原の人参は、熾火で焼き2日乾燥させたものに、人参ピュレ。スグリやイタドリをのせて。
バルバレというエチオピアの香辛料だけを見せてもらいました。
数十種類のスパイスが組み合わさっているそうですが、なめるとこれがくせになる辛さと旨味。
ワインを飲んだり、さらに鹿肉にふりかけても美味。
勝山酒造 純米吟醸
そのまま飲むと甘くフルーティですが、檜のフィルターにかけて、丸焼きにしたグレープフルーツのエッセンスとブラックペッパーを加えて。これも面白い。
焼き栗ご飯、松茸と松の出汁
丹波の栗ご飯を焼きおにぎり風にして、松茸と澱粉のチップスをのせて。
ここに能登の塩と松の香る出汁を注ぎます。
食後のデザートは、カウンターから、iroriという大きなテーブルがあるスペースに全員で移動し、デザートとカクテル、食後のワインを楽しみます。
そうこうしていると、またカクテルを作っています。
ローストした麦の麹と塩を漬けこんだものに、和のスピリッツを加えたコーヒー風味のカクテル。
スピリッツはWapirits TUMUGI 麦と麹を使った和ピリッツ。
梨、レモンバーベナとゲヴェルツトラミネール
和梨のシャーベットと洋梨のコンポート。
ゲベルツの白ワインゼリーと、レモンバーベナのメレンゲ。
菊芋のドーナッツ
菊芋のチップスの上にのせられたドーナッツ。
早く食べてくださいと。
衣の中には、菊芋のアイスクリーム。
氷結させたアイスクリームを低温と揚げを繰り返しながら作ったそうですが、このショーフロワな温感いい感じ。
Santo Trentino 2009
食後にデザートワイン。
京都という土地で、その自然と食材をいかしたイノベーティブな料理は北欧料理ではなく、LURRA゜の料理として、ブームでなく、カルチャーをつくる。
新たに繰り広げる今後にも期待したいと思います。
「LURRA゜」
京都府京都市東山区石泉院町396
050-3196−1433
予約は、HPから。www.lurrakyoto.com
ranmarun at 20:30|Permalink│Comments(0)│