暗闇レストラン

January 09, 2018

Dine in the Dark@バンコク

1日目のホテルはシェラトン・グランデ・スクンヴィットに宿泊しました。
夜はその1階にある「Dine in the Dark」に行きました。世界でも数少ない暗闇の中で食事をするというレストランです。1999年にスイスで最初のDIDがオープンし、ロンドン、ニューヨーク、香港など世界の都市に広がっていき、バンコクは数年前にできたようです。
入り口は1階の「Bar Su」から入ります。

・



















まずバーで説明を受けます。料理は4皿でてくるそうですが、アジアン、ウェスタン、ベジタリアン、シェフのお勧めの4種類のコースから選ぶことができます。私的にはアジアンを食べてみたかったのですが、同行者の希望でシェフのお勧めコースになりました。そして、ダイニングに向かう前には必ずトイレに行ってくださいと。確かに途中で行きたくなっても結構大変だと思うので。そして、光を発するもの、携帯電話やカメラなどは持ち込み禁止です。手荷物などはロッカーに預けることができます。

・



















ここがDIDの入り口。エプロンを身に着け、サービスの方とご挨拶。サービスマンは盲人です。黒い扉を開けると、そこは100%真っ暗闇。サービスマンの肩につかまりながら入っていきます。途中階段がありますという説明で階段が2段くらいありましたがヒール履いてこなくてよかった。

・



















真っ暗なレストランの中をサービスマンの肩につかまって歩いてテーブル席に着き、彼の声や導きを頼りにカトラリーやナプキン、グラスなどを確認すると、おしぼりを渡されました。その後に温かいパンが。そして、ドリンクやお料理が出てきます。水のグラスは凹凸があったり、料理のお皿も葉っぱのように尖っている部分があったり、サービスの方が提供するときにもわかるような形になっていました。

 当たり前だけど真っ暗闇の中で食事をするのは生まれて初めて。ネタバレになるので料理の詳細は控えますが、前菜、スープ、メイン、デザートと順番に4皿の料理が出てきます。料理の内容の説明はありません。

手探りでナイフやスプーン、フォークを使い、香りや触感、温度、食感、味覚を頼りにどんな素材をどのように調理し、どんな風に盛り付けてあるのか。それらを想像しながら、口に運んで味わっていくのです。
普段はまず視覚から入ってきた色や形などの情報が先で、さらに嗅覚などから味を推測して味覚を感じて食べていきますよね。

しかし、目が見えないということは、目から入る以外の情報を頼りに、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされて、今までの自分の経験からその素材やそこに添えたソースや付け合せのものなどの味を分析していくので、より鋭敏に感じるのものです。

ワインも頂きましたが、暗闇だと葡萄の種類や香りの強さをより感じ、味が明確になってきます。

最初はおっかなびっくりでしたが、だんだん慣れてくると、カトラリーやグラスもちゃんと使えるようになって、料理を味わうことができました。彼は、ちゃんと料理の皿やカトラリーを出し下げして、グラスになくなった水も注いでくれ、きちんと完璧な給仕をしてくれました。

終わった後は、またサービスマンの肩につかまりながら明るいバーに戻ります。そして、料理の答え合わせ。タブレットで料理の写真を見せながら内容を説明してくださいます。 大体9割くらいは想像通りでしたね。脳と神経をフル活用していたので、あっという間に食べ終えてしまったようでしたが、後で時計を見ると外に出るまで2時間が経っていました。

最後にお茶やコーヒーと共にアンケート用紙が配られるので、記入しながら体験を振り返りました。

私達は食べ終わった後に、その料理と素材や色を見る事ができますが、目が見えないということは、とても大変なことなんだと改めて感じました。料理等の代金の一部は彼らにチャリティーとして支払われるそうです。

盲目の人達に雇用を与えるというコンセプトも素晴らしいですし、彼らに頼りながらその世界を数時間疑似体験したわけですが、暗闇の中では、料理の味とかうんぬんよりも、さしのべてくれる手の温かみやぬくもりが、どんなに大切に思えたことか・・・とてもな貴重な経験をさせて頂き、色々考え深い夜でした。

「Dine in the Dark」

250 Sukhumvit Rd,Khlong Toei ,G Floor -Bar Su ,Sheraton Gtande Sukhumvit Hotel

010 66 2 649 8358



ranmarun at 19:30|PermalinkComments(0)